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22歳②
今日の結婚式は式と言っても、身内だけのささやかなものだと言う。
チャペルでも、神前でもなく、パーティールームがあるある飲食店で、披露宴っぽいモノを行うと言う。司会も身内。ほとんど、顔見知りだそうだ。
知らないとすれば、彼女の亡くなった父親方の親戚と、あっちの人達だろう。
何故、素直に喜べ無いんだろう?
何故、隣に並べ無かったのだろう?
何故、こんな気持ちに成るんだろう?
理由は、考える迄もなくわかりきってる。
俺が、きちんと自分自身と向き合って無かったから、ちゃんと声に出さなかったから。
ちゃんと本当の事を伝えてこなかったから。
会場へと向かう車中、俺は同じ質問と、同じ答えを何度も胸の中で繰返した。
今日。
もう、二度と手に掴む事の出来ない大切な人の、大切な想い出をぶち壊したい。
そんな、最低で最悪の事をずっと考えてしまっている自分。
一方で、本当に彼女に幸せになって欲しいと、願う自分。
どちらも、本当に思っているけど、叶えられることは、ひとつしかない。
だから、俺は願った。