選挙。
4日目、選挙当日。演説の順番は、リーダー女→イケメン→よくわからん男→ヘラヘラ男→僕 だ。最後なので印象に残りやすく当選し友達ができるという完璧な計画だ。リーダー女の演説が始まる。こいつの話を要約すると「小学校の時も委員長だったから信頼できるよ。やらせて。」みたいな感じである。地元の小学校が田舎すぎて委員長もクソも無かった僕からするとだいぶ不公平で最悪だが人々の反応はよかった。次にイケメンだ。こいつは「クラスのみんなと楽しみたい。」と一言だけ述べて終わりにしやがった。しかし、歓声は凄まじく、リーダー女が取り切れなかった表を全部かっさらうような勢いだった。ルッキズム社会がいかに終わっているかよく分かる社会の縮図だ。そして、よくわからん男の番だ。この男は演説で「自分は鉄オタだ。」と明かした。べつにだからなんだと言う話だが「小学校の頃、イジメられていた。中学校ではもうあんなことが無いように立候補した。」とハチャメチャ触れずらい内容を取り出してきやがった。リーダー、イケメン、イジメ、この三強に、残るはあとヘラヘラと僕だけ。恐ろしいものだ。
ヘラヘラは来なかった。時間だけが過ぎた。ヘラヘラは来なかった。僕の演説となった。ここで気づいてしまった。台本を考えるのを忘れていたことを。僕は演説の時間、無言で貫き通した。見事、落選したが名だけは知れた。
当選者は、リーダー女だった。言わずと知れた話だけれど。
そしてヘラヘラは選挙が怖くて来なかった訳ではなかった。彼はそんな弱虫では無かった。彼が来なかった理由は、道に迷ったからだ。学校探検をしていた所、パッチワークのようなこの学校の造りのせいで、迷子になり間に合わなかったと本人は話している。ホントかどうかは知らない。




