そして私、柚子野(ゆずの)にしき3人目~金魚を飼っていた世界から来た私
「それで?」
私は人魚のおはぎの真っ黒な瞳を見つめて聞いた。
「どうして3人目の私がここにいるの?」
「2人目のにしきがマナに殺されたの…だからだと思う…」おはぎがその質問にすぐに答えた。
マナ…?
「マナって…おはぎのライバルの人魚のこと!?そして2人目の私が殺されたわけ!?」
パラレルワールド(並行世界)では一体どうなっているの???
私は頭が混乱してきた。
今、ここの世界にいる人魚のおはぎは、別世界であるウーパールーパーのおはぎの命が入っているのか?
「おはぎの記憶はどうなっているの?人魚の時の記憶?ウーパールーパーの時の記憶?」
「人魚の記憶と、ウーパールーパーの記憶の両方…」
おはぎはそう言った。
「そして、金魚の記憶もあるの」
えっ!?
つまり、こういうことらしい。
私、柚子野にしきと、ペットであるおはぎは、どの世界でもペア同士ということ。
片っ方が別世界のA 世界へ行けば、もう片っ方も同じくA 世界へ行く。
この記憶は、ペットであるおはぎの方にしかない。飼い主であり人間であるにしきは、ただおはぎの説明を聞くしかない。
今回、途中にあった海の休憩所に入り、グレープフルーツジュースを頼み、(おはぎのおごり)アップルパイも追加で注文し、メモ帳がわりの貝殻類1つ1つにマジックで、1人目のにしき、人魚、2人目のにしき、ウーパールーパー、3人目のにしき、金魚と6つの駒のような物をつくり、大きな海草に濃い蛍光ピンク?のマジックで、空間を3つに分け、
そこにその駒にした貝殻を並べておはぎは説明することにした。
1つ目の空間には、1人目のにしきと人魚の貝殻
2つ目の空間には、2人目のにしきとウーパールーパーの貝殻
3つ目の空間には、3人目のにしきと金魚の貝殻をそれぞれ置いた。
「まず、人魚である私、おはぎが死んだ」
おはぎは油性?マジックで人魚と書かれた貝殻に✕をつけた。
「1つ目の空間には、1人目のにしきと死んだ人魚の私がいる…」
おはぎは冷静にそう語った。
私(3人目のにしき)はだまって聞いていた。
「そんな中、なぜか、2人目のにしきとそのペットのウーパールーパーが、別世界からやってくる。その瞬間、1人目のにしきと死んだ人魚の私は別世界へ飛ばされる…それで、2人目のにしきが、1人目のにしきとして、人魚が飼われている世界でくらすことになる。ウーパールーパーの記憶と元の人魚の記憶を持った私と共にね」
おはぎは、ウーパールーパーと書かれた貝殻にマジックで"人魚"と文字を付け足した。
「うん…」
「2人目のにしきちゃんもウーパールーパーが人魚になっていたことに最初は驚き戸惑っていた。でも次第に馴染むしかなくなっていた」
「更に今度は2人目のにしきがライバルの人魚マナに殺される」
おはぎは、2人目にしきの貝殻を油性マジックで✕をつける。
「なぜかまた、その途端に3人目のにしきちゃん、あなたが金魚と共にこの世界の2人と入れ替わる…」
金魚と書かれた貝殻にウーパー、人魚と油性マジックで付け足して書くおはぎ。
「何とかわかったわ」
私はおはぎにそう告げる。
今ここの人魚をペットとして普通に飼う世界には、この私、3人目?の柚子野にしきと、人魚の姿になった金魚とウーパールーパーと、元の人魚の記憶を持つおはぎがいる。




