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にしきのふりかえり
体長15cmの人魚のおはぎが何やら物思いにふけっている時に、にしきはにしきで昔を思い出していた。
にしきの人生は、人魚のおはぎに出会ったこの世界まで、27年間ずっと何やらパッとしないものだった。
この世で、自分は主役ではなく、脇役であるという認識がずっとなぜか消えなかった。
しかし、人魚のおはぎに出会ってから、この認識が少しずつ変わってきたことに気付き始めていた。
やっと自分が主役になってきているようだった。
それは決して気のせいではない。
その証拠に、にしきは、おはぎのために、100円均一の店で輪投げのセットを買ってきて、輪投げの輪を手に持ち、水槽の外からぼうっとしている、思考がどっかいっちゃっているおはぎに対して、
「ほら、おはぎ、ジャンプジャンプ!!」
と、言い出し、活を入れようとしている。
おはぎは、その声に反応し、水槽から、水槽の外へ向けてやけくそだと、ピョンと飛び出した。




