サル山のサルと、錯乱する象達。
「なんとなくね、この動物園の中で一番幸せじゃないかと思うのは、このサル山のサル達だと思うの」と彼女。
理由は、「自分達の置かれている状況に気づいてないっぽいから」だそうだ。
彼女の主張は以下の通りだ。
・他の動物は、自分達のおかれている状況の "不自然さ" になんとなく気づいているように思う。
・例えば鳥。飛び立てどもすぐに柵にぶつかってしまう。例えば猛獣。襲うべき動物がいない。
対してサル山のサルは、今置かれている現状を全く意識する事なく、あたかも『先祖代々自分達の祖先が暮らしていた場所』と、今いる場所は全く同じ場所のような雰囲気と錯覚の中で、生活しているのだ…と。
確かにそうかもしれない。
もちろん実際彼らの先祖が暮らしていた森と、今居るここのサル山はまるで違う場所だ。
ただ、他の動物達から放たれるような、 "どことなく息苦しい感じ、窮屈な感じ" が、このサル山を見る限り全く伝わってこない。まるで順応している。のびのびとしている。
「きっと彼らは、自分がいる場所が動物園だとは思ってない」というのが、彼女の主張だ。
なんとなく同感。
「それもひとつの幸せだと思うの」と彼女。
「自分のおかれている状況に気づかないのも、幸せになるコツのひとつだ」って事で。
つまり、バカの方が幸せになれるって事か?
僕個人的な偏見だが、サル山のサルはどことなくバカに見える。←サル自身はもちろんバカだとは思ってないと思うが、すごくバカのように思う。そうでなきゃ、あんな放り投げられたお菓子とか喜んで食わない。
「逆を言うと、今置かれている状況を深く考えすぎないのも、幸せに生きるコツだとも思うの」と彼女。
僕は、ふーんと思い、しばらくサル山のサルを眺めた。
頂上に、ふんぞり返った一回り大きめなサルが見える。間違いなくボス猿。
彼は僕らを『支配下』のように見下ろす。
支配してるのは寧ろ僕らなのに。
僕らの入場料がないと、君らは即刻飢え死にだよw
「一番複雑な順応を強いられているのは、ゾウだと思うの。」と彼女。
あのサイズ、あの力、しかしそこまでバカじゃない。
彼らは今自分のおかれている状況を確実に理解はしている。その上で人間と折り合いをつけようと、ある種、妥協を強いられているような状況に置かれているように思う。
確かに窮屈そう。
あのオリのサイズでは。
「ただ、休園日には、ゾウ舎の外も散歩してるって知ってた?」と彼女。へー、そうなんだ。
ただ、たまに発狂したゾウを射殺したという海外ニュースを耳にする事がある。やっぱり耐えられない象もいるのだろう。
「ちなみにもうひとつ!日本の動物園にいる動物につけられた名前で、一番多い名前はなんでしょう?」と彼女。
「タロウ?」と僕。
「モモコだってサw」と彼女。
へー、ハナコかと思った。
ちなみに上野動物園にいるニシローランドゴリラの「モモコ」さんは2009年11月14日(土)午後6時50分ごろ、めでたくメスを出産してお母さんになったそうです!
へー
(もう少しおつきあいください!まだ続きます!)