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二つの灰色

 空から堕ちてきた矢。

 それはアシェンにとって間違いなく致命傷だった。

 背中から腹を貫いたその輝きは、古き世界の遺産であり切り札のような大魔法。

 その一撃は魔力によって守られたアシェンの肉体を容易く突き破り、内部から魂ごと焼き尽くす。

 それだけの攻撃を受けて、アシェンは気を失っていた。

 そして死の淵で、灰色の少女の声を聞いたのだった。

 彼女は泣きながらアシェンを罵倒した。

 こんなところで倒れていてどうすると。

 エリンが、彼女の友が危機に陥っているというのに。エリンの暮らす世界が脅かされているというのに。


 灰色の少女――アシェンは泣いていた。


 縋るような声で、無力な子供のように。


 灰の少女――アシェンにはそれで充分だった。


 誰かが泣いていれば、何かを求めて縋っていれば。

 たったそれだけが、灰の少女の戦う理由になる。何度でも立ち上がれる理由になる。


 ――誰かの祈りがあれば、灰の魔王アシェンにとってはそれだけでいい。

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