第一話 壊された私たちの日常
普段通りの生活を送っていたサリー達。3学期、登校するといきなり人間界研修に行くことを知らされ戸惑う気持ちとワクワクする気持ちが入り混じる。
現役高校生魔女の、人間界研修
登場人物
サリー•ソビナ この物語の主人公 私立魔法女子高等学校の二年生
リリア•エルカーテ サリーの親友 私立魔法女子高等学校の二年生
ヤマ•ディライト サリーの親友 私立魔法女子高等学校の二年生
雨宮 結花 サリーのホームステイ先の高校二年生
双葉 美優 リリアのホームステイ先の高校二年生
清瀬 美夏 ヤマのホームステイ先の高校二年生
清瀬 朱莉 美夏の3歳年下の妹
エン先生 私立女子魔法高等学校の教師 サリーたちのクラス担任で魔法科
ジョージ先生 私立女子魔法高等学校の教師 高校二年生の学年主任で課外授業科
リズ•エルカーテ リリアより5年上の姉で私立女子魔法高等学校の卒業生
①プロローグ
ここは、魔法界。そこのとあるところに一人の高校生の魔女がいた。私の名前はサリー•ソビナ。みんなからはサリーと呼ばれている。髪型はポニーテール。みんなからはほんわかしててかわいいとか言われるけど、自分ではよくわからない。私は、現在、私立女子魔法高等学校(以下:魔法学校)の二年生。この学校は、見た目は教会みたいで外見はとってもきれい。そしてこの学校の生徒は一学年約300人強.、三学年合わせると約1000人を超える。
私は運動は苦手で勉強は平均並み、でも、魔法の成績は学年で一番。今日から三学期が始まったため、いつも通りの通学路をほうきに乗って登校中。学校が始まるのは憂鬱ではないが、私は今とっても憂鬱な気分だ。なぜかというと、二年生は、三学期が始まって少しすると地獄の一年間が始まるといわれているからだ。理由は、毎年二年生を、二月から見かけた人が全くいなくなって、一年後、卒業式でようやく見ることができるからだ。このことから、他の生徒には見せられない、地獄のような授業を受けているのではないかと言われている。そんなことを考えていながら歩いていると、途中で後ろから声がした。「おはようサリ―。」と声がした方を振り返ると、後ろに親友のリリアがいたので、私も「おはようリリア。」と返した。リリアは見た目は、サラサラのロングヘアで上品な立ち振る舞いをしているいわゆるお嬢様って感じがする、魔法学校に入学してから仲良くなった私の親友だ。そして、私は、リリアと話しながら学校に向かって歩いた。
②高校二年の3学期
学校につくと、先にヤマが席についていた。私とリリアが「おはようヤマ。」と言ったらヤマが「おはようサリー、リリア。」と返してきた。ヤマは、ショートヘアで活発な子だ。私と家が近く、親同士が仲良しなため、小さいころからよく会っていて、仲良くなった、幼馴染で親友である。
数分後、ホームルームが始まり、担任のエン先生が話し始めた。「皆さん今日から三学期が始まります。高校二年生も残りわずかですが頑張っていきましょう。そして、この後、始業式があります。なので、速やかに全員体育館に移動してください。」と言われた。
全員が体育館に集まり三学期始業式が始まった。1時間ぐらいして、ようやく始業式が終わった。ゆっくりと立ち上がり教室に戻ろうとしたら、学年主任で課外授業科のジョージ先生が、「二年生は残るように。」と言ってきた。
五分後、一年生が全員いなくなったのを確認するとジョージ先生が話し始めた。「噂ではこれから地獄の一年間が始まると言われているが、それは嘘だ。しかし、気を抜くと就職に響くぞ。」と言った。この世界に大学はほとんどないため、ほとんどの人は高校を卒業すると就職をするため、高校の成績は就職に響のだ。その瞬間みんなが緊張したのが分かった。
③課外授業の内容
「これから一ヶ月後に三年生が帰ってくる。そしてその翌日に皆さんには、一年間、人間界に行ってもらう。そして、そのための行き先と設定を決めるくじ引きをする。全員一列に並んで。」とジョージ先生が言った。そして全員が一列に並んではこの中に入っている紙をどんどん引いて行って私の番が回ってきた。私が引いた紙には、【日本、夢ヶ丘市 雨宮家 アメリカからの留学生】と書いてあった。そして全員が引き終わった後、ジョージ先生が「今引いた紙の書いてある場所に一か月後行ってもらい、設定を守りながらそこのホストファミリーの家に行き一年間滞在してもらう。そして、そこでの生活態度により加点や減点があり、それで成績が決まる。各家庭までの地図は出発当日に渡す。そして当たり前のことだが、研修中の魔法の使用は禁止だ。ただし、緊急時のみ使用を認める。そして、それ以外で使った場合は減点。しかも魔法を使っているところを他の人に見つかったら大幅に減点だ。では各自、家に帰って一か月後に荷物を持って始業時間までに体育館に来ること、それでは、解散。」と言った。
④私は知っていた sideリリア
私はリリア•エルカーテ。魔法学校の二年生。みんなからはリリアと呼ばれている。自分で言うのもなんだけど、学業は学年で一番。しかし運動は苦手で、魔法はいつもサリーに負けて二番。今日から三学期。私は噂で言われている地獄の授業が私は、人間界研修だとわかっていたため憂鬱な気分はなかったが、私の5歳年上の姉のリズが、「人間界で魔法を使わずに生活すると、とても大変。魔法がどんなに便利か思い知らされるよ。」と言っていたためとても不安だった。そんなことを思いながら、普段のように通学路をほうきに乗り、登校していると、少し先に、親友のサリーの姿が見えたのでサリーにあいさつし、サリーと話しながら学校に行った。
⑤運命のくじ引き sideリリア
ジョージ先生に並べと言われ、私は、サリーの後ろに並んだ。サリーが引いたので、私の番が回ってきて紙を引いた。紙には、【日本 朝日ヶ丘 双葉家 カナダからの留学生】と書かれていた。
⑥普段の日常 sideヤマ
私はヤマ・ディライト。魔法学校の二年生。みんなからはヤマと呼ばれている。運動は、学年の中でトップクラス。しかし勉強は苦手で、魔法は平均レベル。今日から三学期が始まる。地獄の授業の噂も気にならなくはないが、先輩方が大げさに言っているだけだろうと思い深く考えてはなかった。いつも通りバレーボール部の朝練をするために始業一時間前に学校に行った。学校に着いて、四十分ぐらい練習すると、部長が「朝練終了。」と部員全体に声をかけ、私は着替えをして、教室に戻った。五分ぐらいして、サリーとリリアが教室に入ってきた。「おはようヤマ。」と声を掛けられ、私も「おはようサリー、リリア。」と返した。
➆運命のくじ引き sideヤマ
ジョージ先生に並べと言われ私は、一番に並び紙を引いた。紙には、【日本 明星市 清瀬家 オーストラリアからの留学生】と書いてあった。そして少しして、サリーとリリアが引き終わったので、互いに紙を見せあった。「全員日本ではあったものの、全員ばらばらの地方だね。」とリリアが言った。そして私たちは帰り、一か月後再び体育館に集まった。
⑧いざ、人間界へ
一か月後、とうとう、人間界に行く日がやってきた。しかしその時の私には、最初の憂鬱な気持ちはなくワクワクでいっぱいだった。
「では、皆さん準備はできましたか?」とジョージ先生は聞いた。「はーい。」とみんなが答える。「では皆さんに 地図を配ります。」と言って一人ずつに地図を配り始めた。そして全員に配り終えると「それでは、皆さん、人間界に行ってらっしゃい。」とジョージ先生が言った。私たちはそれぞれの目的地に向かって人間界につながる魔法の扉を開き、魔法界を飛び出した。
⑨人間界にやってきた
そして、2月の第一日曜日。私は、人間界に降り立った。これから、出発前に渡された地図を頼りに雨宮家の家に向かっていた。十分ぐらい歩いて雨宮家に着いた。私は、ドキドキしながらインターホンを鳴らした。そしたら私より2歳ぐらい上っぽい女の子が出てきた。「あなたが今日うちに来る予定の留学生?」と聞いてきた。私は「そうです。サリー•ソビナです。サリーと呼んでください。今日から一年間よろしくお願いします。」とあいさつした。「私の名前は、雨宮結花です。よろしくね。サリーちゃん。結花って呼んでね。」と返してきた。「さあ、中へどうぞ。」と言われたので、私は家の中に入った。そうして、私の人間界での生活が始まった。
⑩人間界にやってきた sideリリア
2月の第一日曜日。私は、紙に書いてあったとおりに双葉家に向かった。歩いて5分もしないうちに着いた。インターホンを鳴らして15秒ほどすると、私と同じ歳くらいの女の子がでてきた。「初めまして。本日からお世話になりますリリア•エルカーテです。リリアと呼んでください。一年間よろしくお願いします。」とあいさつした。そしたら女の子も「初めまして、リリアちゃん。私は、双葉美優。気軽に美優って呼んでね」と返してきた「さあさあ、入って入って。」と言われた。こうして、私の人間界生活が始まった。
⑪人間界にやってきた sideヤマ
私は、清瀬家に向かった。しかし、清瀬家が住宅街であることから人に見られる心配があったため、電車で3駅ほど離れたところに降ろされた。なので、電車に乗り、駅から10分ほど歩いてようやく家の前に着いた。インターホンを鳴らすと私より少し幼い見た目の女の子が出てきた。「初めまして。清瀬朱莉です。お姉さんは、今日から来る留学生の方ですか?」と聞いてきた。なので、私は「そうよ。私は、ヤマ•ディライトっていうの。ヤマと呼んでね。よろしくね朱莉ちゃん。」と言ったそして朱莉ちゃんは「よろしくお願いします。」と返してきた。「ヤマさん、中へどうぞ。」と言われた。こうして私の人間界の生活が始まった。そして家の中に入りホームステイ先の人にあいさつが終わったころ玄関が開く音がした。「ただいま」と言いながら私と同い年ぐらいの子がかえってきた。そして私を見るなり、「あなただれ!!!!」と怒鳴ってきた。私がびっくりしてひるんでいると朱莉ちゃんが、「いきなり怒鳴らないで、お姉ちゃん。この人は、ヤマさん。今日から家にホームステイする留学生。留学生が来るってお母さんから聞いているでしょ。」と私の代わりに説明してくれた。「いきなり怒鳴ってすみません。私は清瀬美夏です。よろしくお願いしますヤマさん。」と謝罪とあいさつをしてくれた。「気にしないでください。家に知らない人がいて驚く気持ちはわかるので。」と言って許した。「それと私のことはヤマと呼び捨てで呼んでください。」と言った。「じゃあヤマ、私のことも美夏って呼んで。」と言ってきたので「はい、美夏。」と返した。こうして私の人間界の生活が始まった。
⑫留学生がやってきた。side結花
私は、いつも通り家でのんびりしていた。私の名前は雨宮結花。私立、サンスター学園高等部の2年生。髪は茶色がかったストレートのロングヘア。運動は平均並み。少し勉強が苦手だ。しかし、みんなからはしっかり者に見えているようで、毎年学級委員に推薦されていて、毎年学級委員を努めている。私の通っている学校は古くからあるためレンガ作りだが、学校では、最先端の機械や技術を取り入れており、宿題なども全てパソコンでやってる。そして書く力が衰えないようにという理由で、一週間に一回、朝のホームルームの時間に漢字テストを実施している。今日は2月の第一日曜日。私はワクワクしていた。なぜかというと、今日から留学生がうちに来るからだ。そして17時を過ぎたころ、インターホンが鳴ったので私がでると、そこには私と同い年ぐらいの、女の子が立っていた。そして私は今日から家に来る留学生だということを確認と自己紹介をし、サリーちゃんを家の中に入れた。こうしてサリーちゃんとの生活が始まった。
⑬留学生がやってきた side美優
私はいつも通りリビングでテレビを見ていた。私の名前は、双葉美優。国立、朝日ヶ丘高等学校の2年生。髪は、黒のショートヘア。スポーツは得意だが勉強は平均並みで、苦手な数学はいつも赤点ギリギリ。文芸部に入り、活動は週に二回だが毎週小説を書き、充実した時間を過ごしている。私の通っている学校は、広い中庭とグラウンドが特徴で、運がよければ虹の見える噴水もあって、とても人気。偏差値は県内で最高峰に位置している進学校だ。今日は2月の第一日曜日。突然インターホンが鳴った。番組が、ちょうどいいところだったが、親が外出中のためしぶしぶ立ち上がって玄関に向かった。そしてドアを開けたら、私より少し大人びた女の子が立ってて驚いたが「初めまして。本日からお世話になりますリリアです。一年間よろしくお願いします。」と女の子が言ったことにより私は、今日、親が出ていく前に今日から留学生が来ると言っていたことを思い出した。そしてすぐに私も自己紹介し、リリアちゃんを家に上げた。こうしてリリアちゃんとの生活が始まった。
⑭留学生がやってきた。side美夏
私は、日曜日だが、学校に向かっていた。私の名前は、清瀬美夏。私立リュミエール学園高等部の2年生。勉強はいつもトップ10に入っており運動も平均よりはできるほうではあるが、芸術センスは皆無で、毎回評定を下げる要因となっている。私は女子アイスホッケー部に所属しており、リュミエール学園は全国大会常連の強豪校である。私の通っている学校は、テニスコート2面ぐらいの大きさの校庭が一つだけあり、真ん中に7階建ての中央棟があり、その周りには10個ぐらいの小さい塔がありそれは更衣室や体育館、部室、そしてスケートリンクなどに使われている。しかし、アイスホッケーは夏の間は大会もなく、スケートリンクはプールとして使われるため、夏の間は陸上部と一緒に走り込みをする体力作りだけで練習がほとんどできないため、冬の間は、毎日のように練習がある。今日は、2月の第一日曜日。今日もいつも通り練習しに学校に向かっているところだ。16時ぐらいに、練習が終わり、1時間ぐらいして家に着くと知らない女の子が家の中にいた。私は思わず「あなただれ!!!!」と怒鳴ってしまった。そしたら妹の朱莉が、「いきなり怒鳴らないでお姉ちゃん。この人は、ヤマさん。今日から家にホームステイする留学生。留学生が来るってお母さんが言ってたでしょ。」と説明してきた。私は怒鳴ってしまったことの謝罪と自己紹介をした。こうしてヤマとの生活が始まった。
⑮留学生のお姉さん side朱莉
私は清瀬朱莉。私立、リュミエール学園中等部の2年生。私は勉強は得意だが、運動はそこまで得意じゃない。決して苦手というわけではないが、お姉ちゃんと比べると私は得意の分類には入らない。私の通っているリュミエール学園は中高一貫校で私の3年上のお姉ちゃんも高等部に通っている。今日は、2月の第一日曜日。お姉ちゃんは練習で出かけていて、両親は、買い物に出かけていて今、家には私一人しかいなかった。午後3時過ぎになったころインターホンが鳴ったので開けてみるとお姉ちゃんと同じぐらい女の子が立っていた。私はお姉さんに親が言っていた留学生か確認し自己紹介をして、家に上げた。数分後、両親が買い物から帰ってきたのでヤマさんとあいさつしていた。それからさらに一時間ほどしたころお姉ちゃんが帰ってきた。ヤマさんを見たお姉ちゃんは、帰ってきて早々「あなただれ!!!!!」と怒鳴った。私が事情を説明するとお姉ちゃんは納得したようでヤマさんに謝罪していた。こうして私はワクワクした気持ちでヤマさんとの生活が始まった。
初めまして(こんにちは)桑原大樹です。現役高校生魔女の人間界研修、第一話を読んでいただきありがとうございます。これからサリー達は本格的に人間界の生活が始まります。サリー達は何事もなく研修を終わらせることができるのでしょうか。ではまた次の話でお会いしましょう。