ゴブリンコロニー戦2
鳴視点からスタート。
「これでよし、ですね」
女性の方の悲鳴が聞こえて見に来てみれば、今まさに酷い目に遭わされそうな場面でしたので、彼女の周りに雷を落としてサンダースネークを一匹作りました。ゴブリンからすれば、突然見知らぬ魔物が襲いかかって来たように見えるでしょうね。
私が出した物だなんてゴブリン風情にはわからないでしょうし、この騒ぎに乗じて動きやすくなりました。
きっとマスターはただ歯噛みして見ていることしか出来ないことに悔しさを覚えているでしょうし、これでその気持ちも和らぐことでしょう。
ちなみに一度に二匹まで作れますが、もう一匹は取っておきます。他に囚われている女性を助けるに必要になるかもしれません。
あと私はどこに隠れてコロニー内を偵察しているかと言いますと……コロニー内にあった空の木箱に入っています。
マスターの世界には、ダンボールという箱に隠れながら潜入任務を熟す伝説の兵士がいたらしいです。その話を参考にさせてもらいました。
木箱は隙間だらけですが、覗きこまれなければ外からは見えないでしょう。
「さて。まずはアソコからですね」
ぐるっと適当に中を見て回りましたが、人の気配を感じたのは二箇所だけ。
一つは当然ゴブリンキングいるであろう奥の建物内。数は少数ですが、かなり酷い目に遭わされてる音が聞こえて来て不快でした。
もう一つは外でゴブリンに捕まっていた女性が逃げて来たであろう、西側の建物。
これもキングの住処と同じく、他よりかマシな作りですね。ですが少し小さめです。どうやら一丁前に地下があるらしく、そこから数十人の女性の声が聞こえて来ました。三十人以上はいるのではないでしょうか?こちらの方がより酷い声が聞こえてきました。まずはこちらから救出したいと思います。
外のあの人はなんとか建物から一人逃げ出したようですが、逃げにくくする為に地下を作ったのでしょう。妙な知恵を身に付けたものです。
しかし外がこんな大騒ぎになってしまえば……
「「「ギャッギャーッ!?」」」
この通り、建物からゴブリンが出て来ざるを得ません。これで女性の方たちを救出しやすくなりました。
他の建物内にいたゴブリンも次々と出て来て、女性とサンダースネークの周りを囲んで行きますが、ゴブリンが何千匹いようと関係ありません。
ダクネスの時は相性が悪く、全く通じませんでしたが……サンダースネークは5000Vの電気の塊です。そんな物に少しでも触れようものなら……
―――ビッシャー!
「ギャーーーーーーッ!?」
たった今サンダースネークに攻撃を仕掛けたゴブリンソルジャーのように感電死します。
ただ女性の傍に置いておくのは勿体ないですし、しばらく暴れてもらいましょう。
―――ビッシャーーー!
「「「ギャーーーーーー!?!?!?」」」
サンダースネークが本物の蛇のようにヌルヌルと動き回り、周辺のゴブリンを次々と黒焦げにしていきます。
気持ちが良いですね。女性を散々嬲ったクズが惨たらしく死んでいく様を見るのは。
私も女性の身体で作られているからか、そういった気持ちがとめどなく湧いてきます。
「では早速、地下の人たちを救出しましょう」
この混乱なら、地下から出た後に建物の裏側の壁と柵を壊しても気付かれにくいでしょうし、そこから一旦マスターとエレナさんの元へ戻ることにします。
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―――篝―――
「うわぁ。凄いねぇ、あれ。あれが私対策で作ったっていうサンダースネークかー」
「ナイスだぜ鳴!これならゴブリンどもに俺たちの存在を気取られることなく、あの人も他の女性も助けることが出来るっ!」
「うん!この混乱に乗じれば、かなり安全に助けることが出来るはずだよ」
エレナさんと二人して、声を潜めながらも興奮した様子で騒いでいた。
鳴に救出を任せて大正解だったな。今晩の飯は豪勢にしなきゃな。
―――ドゴーン!
「ん?今の音は?」
雷の音とは違う衝撃音が西の方から聞こえて来た。
エレナさんと二人して、もしかしてと思ってそちらへ向かった。
そこの柵は壊されていて、数十人の女性たちが産まれたままの姿で涙を流しながら鳴に連れ出されてるところで……
「俺ちょっとあっち行ってます。あの人たちに着せる服って、エレナさんの着替えだけで足りますか?」
「うん。こういう時の為にいっぱいマジックバッグに詰めてるからね。カガリくんはあっちに戻って様子を見ておいてよ」
「了解っす」
とりあえず、何か段階を建てていた訳ではないが、救出作戦の第一段階的な物は無事に終えたと見るべきだろう。
あとはゴブリンどもを蹴散らすだけだ。
「シュリさんで一匹残らずぶっ潰してやる!」
俺の言葉に応じるように、ハンマーが激しく明滅した。
どうやら彼女も腸が煮えくり返ってるようだった。
オーバーウ〇ッチ楽しい。
アンランクでしたが、リー〇ーで1万ダメージ出せました。




