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先輩1

「は、あ〜!そこそこ、いい。気持ちいいよ〜…」

「ここですか?」

「うぅん…。出来たら、もっと激しくして〜……おぉ!いい、凄くいいよ〜…。カガリくん、本当に初めてぇ?」

「はい。初体験です」

「とても初めてとは思えないくらい、テクニシャンなんですけど……くぅ!効く〜!」


どうも。少々誤解されそうな喘ぎ声をあげているエレナさんの背中と足をマッサージ中の篝です。

表には出してなかったが、さすがにヒヒイロカネゴーレムとの戦いで疲れが溜まってたらしい。

食事後に足を揉んでたので、マッサージを申し出た次第だ。


足は日々酷使している為、やはりかなり凝ってるみたいだ。気持ちいいところを揉むと、いい声で鳴く(比喩)。

元の声が良いからエロみが凄い。もっと聞きたくなるな。

でも鳴の教育に悪いから止めて欲しいのも本音だったりする。


彼女の足は細くて綺麗で、一見そこまで鍛えられてなさそうに見える。

しかし触ってみると結構筋肉質だ。今は力が抜かれてるから柔らかく感じるが、少し力を入れてもらっただけでカチカチになってしまった。

これでいつも魔物を倒してるのか…。当たり前だが、ご褒美には向いてないな。


背中も言わずもがな。凄い鍛えられているから、触った感じは女性の身体とは思えない。

武道家の身体って皆こんな感じなのかな?

逞しくて、頼もしい感じがする。


「いつも思ってましたけど、素足で戦ってて痛くないんですか?痣とかは出来てないみたいですけど」

「うん。そりゃあ、鍛え方が違うからねぇ。鋼の肉体ってやつ。腹筋も触ってみる?ボクのお腹は下手な鎧より硬いよ」

「さすがに遠慮しときます」


自分がエレナさんのお腹を触るところを想像すると、変態感が否めない。

鳴から無機物な目で見られること間違いなしだ。


……でもやっぱり触ってみたいと思うのは男の性よな。


「う〜ん!ふぅ…。ありがとう、カガリくん。もう大丈夫だよ」

「はい。お疲れ様でした」

「どれどれ〜?」


マッサージが終わって、自分の足の調子を確かめるエレナさん。

ビュビュビュビュッとシャドーキックして、笑顔で言う。


「うんっ!いい感じ!足が軽くなった感じがする」

「そりゃ良かったです」

「よし!お礼に今度は、ボクがカガリくんをマッサージしてあげる!」

「俺?いや、俺は……」

「いいからいいから。はい!うつ伏せになって」

「あ〜れ〜。無理矢理倒さないでー?」


なぜか足を使ってまで、エレナさんに押し倒されてしまった俺は、そのまま彼女の足でふみふみとマッサージされましたとさ。

う〜ん。俺にM属性は無かったはずなんだが……不思議とゾクゾクして、そっち方面でも気持ちいい気分になってしまった。


彼女の足でも、ご褒美にはなるようだ。


――――――――――――――――――――――――


マッサージを終えて奥へ進む。

するとすぐに、大きな鉄扉のような物が見えて来た。


「これは?」

「……やった…」

「エレナさん?」

「やったーーー!?ボスフロアだー!」


「「「!?」」」


エ、エレナさんがご乱心だ!

それを見て、俺と鳴とシルバーは思わずビクッとしてしまった。


「マスター。どうやらエレナさんも、ついに壊れてしまったようです」

「ブルル…」


「エレナさん…。おいたわしや…」

「ちっがーう!そういうことじゃなーい!?」


まぁただ歓喜してたようなので、壊れてはいないだろう。ただの冗談だ。

だがそれはそれとして、一旦落ち着いてもらってボスフロアのことを簡単に説明してもらった。


「ボスフロアはダンジョンの最奥にある部屋で、ここにいるボスを倒せばダンジョンクリアとなって、帰還用の転移魔法陣が現れるの。しかも金箱が確定ドロップ!喜ばずにはいられないよ〜」

「なるほど。ようやく帰れるって訳ですか。だからあんなに喜んでたんですね」

「そういうこと♪」

「でもそうなると、この扉の先にいるのって相当強い魔物なんじゃ…。Aランクの魔物と出て来たし」


ヒヒイロカネゴーレムやミスリルゴーレム……そんなのが出てくるような場所だ。

薄々思ってたけど、このダンジョンはやっぱりゲームのクリア後ダンジョンみたいな括りに思える。

絶対ヤバいのがいるって…。


「ん〜。確かに喜んでばかりはいられないかもね。ボスフロアは結界でも張られてるのか、気配は感じられないし。逃げることも視野に入れないとね」


「鳴の人力レーダーでもわからない?」

「はい。気配や物音が一つも感じません。目視するしかないかと」


嫌だな〜、それ…。開けた瞬間に斬撃が飛んで来たりしないだろうな…。

それに逃げると言っても、帰還用の転移魔法陣はボスを倒さないと出て来ないんだろ?

下手したら一生ダンジョン生活じゃん…。出会いを求めたってそんなことにはならないのに、辛過ぎない?


「一生ダンジョン暮らしになる覚悟をしておこう…」

「大丈夫大丈夫!確かにこれまで戦ってきた魔物よりは強いだろうけど、少なくともSランクなんて化け物はいないと思うよ。いるのは迷宮都市のダンジョンくらいだろうし」

「エレナさんが言うとフラグに聞こえるんですが…」


しかしここで問答してても仕方ない。

深呼吸を一つして、重い扉をゆっくりと開けた。


中を覗くようにして見てみると、そこには……


「―――おや?珍しいですね。こんなところにお客様とは」


執事服を着た、黒髪黒目の男性がいた。

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