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うちの子は成長期

活動報告で今日はお休みにすると言いましたが、なんか投稿しないと落ち着かない気持ちになったので、ちょっとだけ話を進めます。

あれからさらに日が進み、気付けば十日も第三層的な場所を攻略していた。

合計で約二週間も掛かった攻略も、今回で終わりだ。


……最後のフロアを攻略するんだからな…。


「結局、最後まで先に進む道が現れることは無かったですね…」

「そうだね…。ここまで引きが悪いこともなかなか無いよ」


「お二人とも。精神的にかなり疲弊しているようですが、大丈夫ですか?」

「「なんとかね〜…」」


重い足取りのまま、エレナさんと声を揃えて言う。彼女も結構限界が近いようだ。


五つの分かれ道を右から順に攻略していった俺たちだが、どれも攻略箇所は九つあって、ついぞ一番左の最後まで当たりを引くことが出来なかった。

運悪過ぎて逆に運良いまである。


左から攻略していれば、速攻で終わったんだろうな…。


「食料には困らなかったけど、野菜が切れてしまっている。さっさと帰って野菜を食いたい…」

「わかる〜…。お肉ばっかりじゃ栄養偏るし、何より飽きちゃうよね。お魚食べたい。……シルバーも人参食べたいよね?」


「ブル?」


シルバーは馬の姿をしてるが、やはり魔物の分類なのか、食事は肉でも構わないみたいだ。

だけど当の本馬の食い付きからして、人参の方が好きそうだ。早く地上に戻って人参と馬用の餌を買いたいところ。


エレナさんと互いにダンジョンの愚痴を零し合うというメンタルカウンセリングをしながら進み、ダンジョンの最後のフロアに到達。

そこにはビッグサーペントが三体にリザードマンがおよそ三十体という、謎の爬虫類編成がお出迎えしてくれた。


フロアに着く前から戦闘態勢は出来ている為、即開戦となる。

長い間ダンジョンに籠らされたんだ。俺たちの戦い方はある程度固まっている。


「さ〜て、いつも通りやりますか。挑発!」


まずはエレナさんが挑発で魔物を引き寄せる。

攻撃を回避して、そのまま蹴り殺す彼女を囮にして、残りの俺たちはビッグサーペントのような危険度の高い魔物を横から叩くというもの。


こうも敵の数が多いとエレナさんの負担が大きい気がするが、元々タンクである彼女は気にした様子もなく「大丈夫!ボクが守るよ」と、頼もしく宣言してくれている。

だったら俺たちに出来ることは、エレナさんの負担を極力を減らせるように、迅速に魔物を排除していくことだ。


一体のビッグサーペントがエレナさんに噛み付こうとするが、鳴が雷を浴びせてそれを阻止する。

痙攣しながら地面に倒れたので、俺はソイツにトドメを刺すべく、脳天にハンマーを振り下ろした。


これでもピクピクと痙攣しているが、身体の神経だけまだ生きてるだけで、後は放っておいても問題ない。


「ヒヒイィィィィンッ!」


俺の横を雷を纏ったシルバーが、リザードマンたちを轢き殺しながら駆けて行く。

もはやリザードマンの天敵みたいな扱いになりそうだな…。


「カガリくん、ヘイパス!」


スコーン!とビッグサーペントを蹴り飛ばし、サッカーボール感覚でパスして来るエレナさん。

俺はパスされたビッグサーペントを、ハンマーをバットのようにぶん回して打ち上げた。


「お願いします。シルバー」

「ヒヒイィィィィンッ!」


リザードマンを轢き殺して回っていたシルバーが鳴の指示で飛び上がり、空中で後ろ蹴りをお見舞いした。

しかもいつの間にかシルバーの背に鳴が乗っていて、そこからビッグサーペントに乗り移って霹靂神でトドメを刺した。


「ビッグサーペント。二体目を討伐しました」

「「ナイスー!」」


エレナさんと二人で鳴を褒め称える。


だが空中にいる鳴に向かって、最後のビッグサーペントが襲い掛かった。

どうやら今の霹靂神で鳴にヘイトが向いてしまったらしい。


「とりゃあー!」

「ジャーッ!?」


しかしそこにエレナさんの飛び蹴りが炸裂。


「1万V・霹靂神!」

「あっぶな!?」


そこへトドメを刺すように、鳴の霹靂神が襲った。

……なんかエレナさんを巻き込み掛けてるけど…。


「すみませんエレナさん。当てないように気をつけましたが、大丈夫でしたか?」

「いや大丈夫だったけど、味方が近くにいる時はやめようね!ボクがくらっても致命傷ものだからアレ!?」


あとで俺からも注意しておこう。

それにしても、鳴ってば日を追う事にめちゃくちゃ強くなってないか?

霹靂神って大技は、前は雷を結構溜め込まなきゃ使えなかったはずだけど……そのチャージ時間がどんどん減っていって、今じゃポンポン撃てるようになってる。


いつの間にか置いてかれてる感が半端ないな…。

精霊ってこんなに早く成長するんだね。


「あ!カガリくん後ろ!」


エレナさんが俺の後ろから襲い掛かって来るリザードマンの存在を教えてくれる。

それには俺も気付いていた為、振り向きざまに頭を叩き抜いた。


「心配させてすみません。問題ないです」

「もう…。カガリくんって急にボーッとし出すから見てて怖いよ…」


そうだろうか?これでも周りの気配には気にしてるんだけどな。


その後は特に危ない事はなく、無事にフロアの魔物たちを殲滅出来た。

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