VSミノタウロス2
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ミノタウロスをぶっ飛ばした。オークキングだってぶっ飛ばせたんだから、それは別に不思議ではなかったと思う。
でもあんな軽々と壁まで飛んで行くとは思わなかったな…。やっぱりなんか力上がってるな、これ。
ステータスの概念とか無いんじゃなかったのか?
自分の手をニギニギしながら考えていると、エレナさんに肩を組まれた。
「ナイスだよ、カガリくん!今のは良い一撃だったよ。でもよそ見厳禁、見てごらん」
言われてミノタウロスを見ると、ゴキゴキと首を鳴らして立ち上がっていた。
マジかよ。オークキングの時以上の威力はあったと思うんだが?
「ミノタウロスは凄く頑丈なの。だから一撃で倒せると思わない方が良いよ」
「同じBランクでもオークキングと随分違うんですね?」
「そこはボクたち人も同じでしょ?ミノタウロスを人に例えるなら……『身体が超硬い盾で出来ている、攻撃力の高いタンク』だと思うと良いよ!だから何度も攻撃しないと倒せないよ」
「攻防兼ね備えてるとかズッる」
「ブモオオオォォォォォォォォォォッ!!!」
呑気にミノタウロス講義を受けているが、それを待ってくれる奴ではない。
今度は角を突き出した、超前傾姿勢で突進して来た。
あんなので突かれたら余裕で身体を貫通するな。と、自分でも不思議なくらい冷静にそんなことを考える。
上に回避して頭をハンマーで殴ろうかと思ったが、また先にエレナさんが駆け出して行った。
「さっきのでヘイトは君に向いたけど、安心して!ボクが守るよ」
あらやだカッコいい…。俺が女の子だったら、「お姉様」って言ってるかもしれない。
「挑発!」
もう一度挑発でミノタウロスのヘイトを買うエレナさん。
突進を回転しながらジャンプして躱し、回転の勢いをそのままに首に鋭く振り下ろす蹴りを放つが、それでミノタウロスは倒れず、踏ん張って斧を横薙ぎに振ろうとする。
「させねぇよ」
空中にいるエレナさんはまともに身動きを取れず、回避は難しい。彼女なら何とかしそうなものだが……だからって、カバーを怠って良い理由にはならないだろう。
こうしてパーティを組むことが、この先どんどん増えていくだろうしな。チームプレイに慣れておくべきだ。
だから彼女に遅れて突っ込んで来た俺が、ミノタウロスの膝裏に向かってハンマーを叩き付けて、カックンさせて地に膝を付かせる。
そしてハンマーを戻す勢いのまま回転して、膝を付いたことで下がって来たミノタウロスの顎に向かって、打ち上げるように全力で殴打!
堪らずと言った感じで後ろへ倒れていくミノタウロス。そこへ―――
「とぅりゃあーーーッ!!!」
そこへ追い討ちを掛けるようにエレナさんが腹に向かって、飛び膝蹴りをかました。
「ゴブアァッ…!?」
吐血した!今ので内蔵にまでダメージが行ったらしい。
俺もエレナさんに続く形で追い討ちを掛けに行くが、ミノタウロスがガムシャラに斧をぶん回して俺とエレナさんを遠ざけた。
「ふぅー!カガリくん、ナイスカバーだったよ。やるじゃん」
「エレナさんには不要だったとは思いますけどね」
「まぁね~♪でもチームプレイを意識するのはいいことだよ。おかげで気持ち良く戦える訳だしね」
「ブモアァァァッ!?」
ミノタウロスが斧を振り下ろして来て、俺とエレナさんは左右へ別れて回避する。
「ヘイヘーイ!こっちこっち、挑発!」
「ブモオォォォォッ!」
エレナさんの飛び膝蹴りが相当効いたようだ。さっきよりも雄叫びに覇気がない。
ミノタウロスの攻撃を尽く躱し、隙あらばカウンターをぶち込むエレナさん。どれも軽くなく、一撃一撃が重い感じだ。
彼女へのヘイトが溜まって、また俺を眼中から外したミノタウロスの無防備な背中に向かってジャンプして、ハンマーを振り下ろした。
もちろんそれだけで終わる気はなく、着地すると同時に回転しながら足に向かってハンマーをぶつけて、足払いする。
踏ん張りが効かなかったミノタウロスはもう一度地面に倒れ、俺はその眉間にハンマーを振り下ろし、エレナさんは回転を加えた踵落としを腹にぶち込んだ。
さっきよりも多く血を吐き出すミノタウロス。ちょっとこのリンチ行為のえぐさに自分で引いてる…。
「ブフゥ、ブモオオオォォォォォォォォォォッ!!!」
「おわ!?なんだ!」
ミノタウロスが激しい雄叫びを上げると同時に、皮膚が赤色になった。
慌てて飛び退くが、そこにミノタウロスが斧を雑に振り下ろして来た。
『あ。これやべぇな~』なんてまた冷静に考えつつ、ハンマーで斧を横からぶっ叩いて軌道をズラすことで回避した。
……やっぱりオークキングの時よりも、かなり冷静だ。エレナさんがいるおかげもあるだろうけど、同じBランクを相手にしてるとは思えない。
「カガリくん!大丈夫!?」
「なんとか!」
後ろに下がってエレナさんに受け答えしつつ、改めてミノタウロスを見る。
今までミノタウロスの皮膚は黒かったが、なぜか今は赤く染まっていた。
心做しか、筋肉量上がってない?
「なんですか、あれ?ミノタウロスってあんなことも出来るんですか?」
「ううん。ボクも初めて見たよ、あんな姿。……もしかしたら、変異種だったのかもね。ホブゴブリンみたいな。もしくは今変異したか…」
「ああ。確かにホブゴブリンも赤い皮膚してますもんね」
「でも油断しないでね?ホブゴブリンは所詮、雑魚中の雑魚のゴブリンが変異した姿ってだから強さはあまり変わらないけど、ミノタウロスみたいに高ランクの魔物は変異したら、結構強くなるから」
「へぇー」
確かにさっきよりも気迫が凄いし、少しばかり緊張感が漂ってくる感じがする。
でもそれだけで、なんつうか……やっぱり油断しなければまず負けないだろうなって気持ちの方が大きい。
それに―――と、考えると同時に、俺とエレナさんの横を光速で掛けていく馬がいた。
「ヒヒイィィィィィィィィンッ!!!」
雷を纏って突進する馬、シルバーがミノタウロスに頭から突っ込んでぶちかました。
速さだけならエレナさんを超える速度。そんな速さに対応出来なかったミノタウロスは壁までぶっ飛ばされ、膝から崩れ落ちた。
やっぱり俺より強くね?あの馬…。どんなパワーしてるんだよ。
「ブモオォォッ…!」
「よくやりました、シルバー」
「ッ!?」
そして立ち上がろうとするミノタウロスの横には―――今まで以上に、身体中に紫電がバチバチと駆け巡っている、鳴の姿があった。
「1万ボルト・―――」
いつの間にか横にいたことに驚いているミノタウロスの足に触れ、鳴は今の今まで溜め込んでいた雷を一気に解き放った。
「霹靂神ッ!」
フロア全体を眩しく、激しく明滅させる雷が、ミノタウロスを襲った。
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