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ある日、神社で、、、、  作者: 風凛
2/5

ご対面

花瘉と百合は本邸の前の階段に座ってアイスを食べていた。気温は少し暑く春からちょっとずつ夏に変わってきていた。と、言っても最近新しい学年になったばかりだから四月だ。


「花瘉〜?このアイス美味しいね。どこのメーカーだろう?」

「メーカーなら袋に書いてあると思うよ。ホントにこのアイス美味しいね〜。」


私は、そう言ってアイスをかじった。ホントに美味しい。

少し、暑い日に食べるアイスは最強だな。ん?でも、寒い日にこたつで食べるアイスも最強なんだよねぇ〜、、、。どっちが最強なんだろう?どっちでもいっか。

その時、神社の階段を登ってくる覇彌斗の姿が見えた。今日も、学校帰りに神社に寄ったようだ。


「あ、覇彌斗〜今日もお祈り〜〜?」


私は、叫び気味に覇彌斗に声をかけると当然のように変な顔を返された。

百合はきょとんした顔で「あの子が覇彌斗って言うんだ」と言って覇彌斗の方に駆け出していった。あ、待って〜何しに行く気!?走ったらアイスが落ちちゃう。百合のアイスは、、、、、ゴミ袋の中に入っていた。もう、食べてる!早!!

やっとの思いで花瘉はアイスを食べ終えて百合と覇彌斗が向かい合っている所に向かった。


「ちょっと、百合?早すぎだよ。」

「ごめんってば〜。」


覇彌斗と百合が合わないようにお願いしてたのに神様には届かなかった。

神様の意地悪〜!!

覇彌斗はコイツら何の話しをしてるんだ?と言う顔で花瘉達を見ていた。それに気づいた花瘉が「この子は百合。私の大親友。」と覇彌斗に紹介した。


「今、紹介してもらったとうり百合ね。よろしく!!」

「うん。俺、覇彌斗。」


なんか二人共仲良し?何で、初対面なのに仲良くできるんだよ!?私の時なんか覇彌斗に無視されるぐらいの勢いだったんだからね!?と、一人腹を立てた。


「覇彌斗君てさぁ〜めちゃくちゃ女子から人気だよね?この前囲まれてるの見たよ。」

「なんか最近の女子は可愛いのが好きらしいぞ。おねえが言ってた。何だっけな?ショ、、、、ショタとか言うの。だから、俺じゃなくて「僕」って言えって言われた。」


何だ?この話。私、ついていけないんだけど?しかも多分、女子が大事にするのは可愛いじゃなくてギャップだね。

花瘉は二人の話を聞きながらオロオロしていた。


「なぁ〜花瘉?アイス買ってきて。」

「いや、自分で行けよ。コンビニすぐそこ。」


私は、「自分で行け」というのを主張したけど、覇彌斗は「いいじゃん。買ってきてよ〜。コンビニすぐそこなんだろ?」と、とびきりの笑顔で私に言い放った。私は、その圧に負け仕方なく了承した。


「わ、分かった。その代わり奢ってはあげないからね。」


と言って、花瘉は百合と覇彌斗に背を向けてコンビニにあるき出した。





さ、コンビニ行って何買おう?そういや、私なんだかんだ言ってチョコミント食べたことないな。私の分はチョコミントにしよ。問題は、百合と覇彌斗のだな。何がいいかな〜?


ピロン


?なんだろ。あ、メモが来てる。

百合は「バニラ」で、覇彌斗は「ミカンフレーバー」ね。「了解」っと。

花瘉はメモを送信してスマホをポケットにしまった。花瘉は、すぐにアイスを探してかごに入れお会計に向かった。すると、とてつもなく大きな声が聞こえてきた。


「ねぇ〜〜。この前さぁ〜覇彌斗くんが言ってた神社にお祈りしに行かない?偶然バッタリ覇彌斗君に合っちゃったりするかもよ〜?」

「あぁ〜。それありかも運命感じちゃう?行ってみよこの後。」


うわ!!!びっくりした〜〜、、、、。なんだアイツら?すごいでかい声で人の名前出してるんだけど?普通に近所迷惑。覇彌斗の同級生かな〜?覇彌斗のことがすごく「好き」なのは分かる。まぁ、いいか。早くお会計して戻ろ。


「お会計は千二百円です。」


高!!何買った!?しょうがない、帰ったら覇彌斗に全部奢らせよう。安かったらちょっとは私が払おうと思ったけど。




「はい。覇彌斗、買ってきたよ。お金は千二百円ね。」

「なんでそんな高いんだよ。何買ったんだ?お前は。」


ブツクサ言いながらもちゃんと「千二百円」払ってくれた。こういう所はちゃんとしてるんだよな〜。なんでちゃんとしてるんだろう?金銭が絡んで来るからな〜?私は、絶対払わないけど。百合みたいな親友じゃなかったら。

百合は花瘉に近づいて、「案外、覇彌斗君と仲良く慣れそう。」とにこやかな笑顔で花瘉に耳打ちした。花瘉は、顔に全面丸出しで「ふぅ〜ん。変な奴どうし仲良くしとけ。」と思っていた。


「あぁ〜覇彌斗君!!!!やっぱり、今日もお祈りしに来てたんだ!!!!」


とてつもないクソデカボイスを出しながら女の子が走ってきた。神社が震える程の声だ。神社の周辺にいた人たちもその爆音にびっくりしていた。

神社に居る私は、びっくりしすぎて心臓が飛び出ないかと心配をして口を抑えた。百合も、同じような感じだ。ただ、覇彌斗だけは平然とした顔で「覇彌斗」と叫んだ女の子の方を見ていた。私は、その姿を見てコイツ頭の回転してるか?と思ってしまった。普通の人なら絶対驚くはずの叫び声に覇彌斗は表情一つも動かさないのだ。異常だ。何も、喋らない覇彌斗を見て私は思い切って声をかけた。


「覇彌斗?あの人、友達?覇彌斗、すごいね。あの叫び声を聞いて平然としてられるなんて、、。」

「うん。あの声はもうずっと聞いてるからね。慣れたんだ。」


いやいや。慣れても平然としてなんて居られないよ!?どんだけ、あの女の子と一緒なんだよ!?私なら、もう耳潰れてる、、、。尊敬するわ。


「舞菜、なんでここに居るんだ?僕は、お祈りをしに来たんだけど、、、、?」


私は、その完璧すぎる演技にビビりながら覇彌斗に「この子彼女?」と聞いた。覇彌斗は「ううん。違う、ただの友達。」と、返してきた。私は、さてこの子をどこかで見たことがあるなと考えていた。ん?あ、コンビニの子?でも、もうひとりの子が居ないしなぁ〜、、?今度は、私の目の前で爆音が聞こえてきた。また、あの女の子が喋ったのだ。


「春里〜〜〜こっちこっち!!覇彌斗君も居るよ〜〜〜!!!!」


もう、、、もう無理〜〜、、。耳が取れそう、、、。うるさすぎる。あの舞菜って子。ちょっとでいいから黙って〜〜〜。あと、もうひとりの子絶対パシられてるでしょ。見たら分かるわ。

階段をあがってくるもうひとりの女の子は、両手に荷物をいっぱい持って歩きにくそうな感じであがってきていた。全身、汗びっしょりだ。


「舞菜?自分で自分の荷物は持ったら?春里が可哀想だよ。かなり熱くなってきているのに、あの量を春里一人で持つなんて。舞菜も嫌だろ?持たされるの。」


私は、覇彌斗〜〜ナイス〜〜!!!と、心のなかでガッツポーズをしていた。百合も、ホッとしたようなそんな感じの表情で笑顔を作っていた。


「あぁ〜そうだね。ちょっと頼みすぎちゃった(*ノω・*)テヘ」


舞菜はできるだけ可愛く弁解しようとしていた。だが、百合と花瘉には悪い印象しか与えていなかった。

わぉ、、。本当のぶりっ子だ。初めて見た。そんな事をしてまでも覇彌斗に好かれたいんだね。舞菜って子。

百合と花瘉は軽めに足を引いて、少し後ろに下がった。舞菜より少し後ろに居る覇彌斗は、そんな二人を見て笑いを堪えるのに精一杯だった。

あ、覇彌斗が笑ってる。しょうがないでしょ。近づきたくないんだもん。

花瘉は、軽めに覇彌斗を睨んだ。


「ねぇねぇ。この人達だあれ?まさか、二人のどっちかが彼女だったりして〜?いやぁ〜でも舞菜の方が可愛いもんね?」


舞菜は、「カワボ」と呼ばれる声を出したが若干周りは引き気味だった。百合は、「この子どっか行ってくれなかなぁ〜」と考えながら花瘉の方を向いた。花瘉は、「私もどこか行きたい。」と言う視線を百合に送って、抜け出せるタイミングを見つけようとした。


「あぁ〜?えっと、最近知り合った人だよ。同じ学校の先輩。舞菜と春里と僕の先輩だね。」


花瘉と百合は苦そうな顔をして仕方なく自己紹介をしようと言う形になった。

私は、ぶりっ子に紹介すんな!!覇彌斗って空気読めないの?と思いながら自己紹介を始めた。


「はじめまして。花瘉って言うのよろしくね。」


できるだけおとなしめの雰囲気で自己紹介をした。当たり前だが、好かれたくない。案の定、百合の自己紹介も私の自己紹介も興味なさそうに聞いていた。私は、自分で聞いたんだからもうちょっとちゃんと聞きなよ!?と思ったけど別に、好かれてなさそうだからいいかと考え直して百合の方を向いた。百合も、ヨッシャと言う声が聞こえてきそうな程笑顔だった。

すると、舞菜がさっきとは全然違う態度で覇彌斗に喋りかけた。


「そういや〜?最近、覇彌斗君病気大丈夫?」


ん?病気、、、?覇彌斗って持病持ってるの?知らなかった。いつも、合う時は元気だし、毎日欠かさず神社に祈りに来てたから、めちゃくちゃ健康体なのかと思ってた。流石、人は見かけによらないねぇ〜。私が、考え込んでいると覇彌斗の少しピリピリした声が聞こえてきた。


「あぁ〜、、、、、。それ、先輩の前で言わないでほしかった。あんまり、知られたくないからさ。」


その場に少し緊張感が走る。花瘉と百合も少し身を引き締めた。

覇彌斗怒ってる?なんか、私達も巻き込まれてるんだけど?ひどくね。そろそろ、退出するかぁ〜。きっと今がチャンス!!


「あのさぁ〜?私と百合は、この後用事があるからこの辺で退出するね。じゃあ、また明日。」


百合と花瘉は一旦その場を離れて自転車を止めてある駐輪場に向かった。

ふぅ。やっと抜け出せた。私は、いちいち自転車を家の前に(階段を登って)行って持ってくるのがめんどくさいので百合にお願いして自転車を降りて行ってもらう事にした。


「花瘉〜。抜けるって言ったけど、どこ行くの〜?」

「う〜ん、すぐ近くの公園行こ!!」


百合は、「了解」と言って、自転車の鍵を開けてゴミなどその他諸々をかごの中に押し込んだ。そして、ストッパーを外して自転車を押す体制になった。百合が動き出すと同時に私も、歩き出した。


「そういえば結局、テスト勉強しなかったね。」

「わ、本当だ、、。どうしよう。百合は、どうするの?」

「百合は、もう徹夜かなぁ〜?今から、勉強しても遅いだろうし。」

「確かにそうだよねぇ〜、、、、。私も徹夜かぁ〜。」


テストって思ってたより大変そう、、。中一なんてやだぁ〜。でも、赤点だけは回避したい。うぅーやっぱり徹夜するしかないのか、、、。残酷な運命だ。←バカ 

百合と花瘉はテストの話をしながら公園に向かった。





公園についた花瘉と百合はベンチに座って離し始めた。

もうそろそろ日が落ちる。


「良かったの?覇彌斗君と喋らなくて。」

「大丈夫だよ。長話をするほど仲良くはないしね。少しは喋る友達みたいな感じだから。」


あんな、ぶりっ子連れて覇彌斗も大変だなぁ〜。そういえば、持病って言ってたよね。何の病気だろう?喘息?喘息は発作が起きない限りしんどくはならないはず。しかも、喘息が軽かったらこの説は結構有力かも。


「覇彌斗君、何の病気なんだろうね。」

「私は、喘息かなぁ〜?って思ってる。喘息ならあまり動かないか、、?じゃあ、何だろ?」


すると、百合が「確かに体育してる所見たことないかも」と口に出した。

私は、何でそんな事知ってるの?となったけど理由は聞かなかった。大体、想像はつくからだ。どうせまた、私が変な人と絡んでないか調査したんでしょ。私から見たら百合も変な人だし、百合にもちゃんと「もう、気をつける」って約束したんだからいいじゃない。


花瘉は、その瞬間ベンチから落ちて百合の目の前に倒れた。



最後まで読んで下さりありがとうございます。

次は、「花瘉の記憶」です。

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