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悪魔と一緒に異世界生活  作者: ミカアキ
1/1

最初の出会い



この世界には、天使と悪魔がいる。

天使は気高き魂に、悪魔は卑しき魂に、それぞれが気に入った者と契約をする。



天使と契約した者は天使憑き、悪魔と契約した者は悪魔憑きと呼ばれている。

契約者は天使と契約したら天使の言うことを聞く代わりに天使の加護が得られ、悪魔と契約したら悪魔の欲望を満たす代わりに悪魔の加護を得られる。


何故私がこんな話しをするのかと言えば…………



「グヒヒっあいつを殺せば気持ちいいだろーなぁ。」



私が悪魔憑きだからである。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










私の名前はメイガ。種族は神獣の末裔と言われる白虎族で、獣人の中でもかなり強い種族に生まれた。

でも、それのせいでよく里には奴隷狩りが攻めてきて卑怯な手で同胞達を奴隷に落としていった。



奴隷狩りどもはある日、私たちの里に大規模な侵攻をしてきた。ーー侵攻前に川に毒を撒いて。



私たちの里の近くには大きな川が流れていて、そこを生活用水として使っていた。奴隷狩りどもは少しずつ、少しずつ、けれど確実に私たちに毒を蓄積させ、里のみんなが苦しみ出した途端に攻めてきた。



毒で抵抗出来ない私たちを奴らは蹂躙した。

老若男女関係なく、全てを略奪した。



奴隷にする際に首輪を嵌められ、嵌めた状態で相手に屈服すると二度と相手に逆らえなくなる。



私たちはそのことを知っていたから、抵抗した。

でもそんなのはただの時間稼ぎにすらならなかった。奴らの楽しむ時間を長くしただけだった。



気の強い子は必死になって抵抗した。でもその子も必ず屈服した。男は痛みで、女は犯して。



奴らは躊躇しなかった。男の指を切り、足を切り、尊厳を踏みにじった。白虎族は種族特性として回復魔法が使えた。それ以外の魔法が使えない代わりに回復魔法だけは、他の追随を許さなかった。



それが悪夢だった。奴らは何度でも痛めつけ、痛めつけ、痛めつけた。そして痛めつけ終わると、既に屈服した白虎族に回復魔法をかけさせた。終わらない悪夢だった。



私も犯され、穢された。何日も何日も。でも、屈服はしなかった。胸に溶岩のような怒りを宿して耐えていた。




――――そんな時、声が聞こえた。



『力が欲しいか?』


「!?」


『全てを蹂躙できる力が欲しいか?』


「…その力があれば、コイツらを殺せるか!?」


『もちろん。そいつら()皆殺しにできる』


「じゃあ、私に力を寄こせ!」



私に怒りで我を忘れ、力を求めた。―――それが悪魔との契約と知らずに。



『グヒヒっそれでいい。では俺と悪魔の契約を結べ。』


「分かったから、早く!力を!寄越せ!」


『りょーかい』



そして私の意識は途絶えた。








目が覚めると私の手には―――両親の首が握られていた。



「いやああああ!?」


『グヒヒっ気が付いたか。どうだ、俺からお前への最初のプレゼントだ。気持ち良かっただろ。』



目の前にはいかにも悪魔という姿の悪魔がいた。

蝙蝠の翼にヤギのような角。筋骨隆々な身体に邪悪を煮詰めたような顔。人外の生き物がこちらを見ていた。




「え?……え?……なんで?」



私の目の前には地獄よりも地獄らしい、この世の終わりのような光景が広がっていた。奴隷狩りと、同胞達の死骸で埋め尽くされた光景は赤くない部分がなく、醜悪な臭いで満ちていた。



「なんで、みんなも、ころ、し、たの?」


私は過呼吸になりながらもこの元凶であろう存在に話しかけた。



『何勘違いしてんだ?これをやったのは、お前だぜ?』


「え?」


『俺は力を与えただけ。そこからお前はずいぶんと楽しそうに殺してたぜ?同胞も含めてな。』


「でも、さっき、プレゼントって」


『それは与えた力のことだ。両親の首をちぎって眺めてたのはお前だぜ。』



私は吐いた。悪魔の目なんて気にせずに吐き散らした。気持ち悪くて。悪魔の言葉と同時に、私の脳裏に記憶が流れ込んできた。ーーいや、思い出してきた。


奴らを殺す感触。同胞を殺す感触。両親の首をちぎる感触。



全て思い出した。全てやったのは私だった。

殺すのが気持ち良かった。

潰して、捻って、引きちぎると聞こえてくる悲鳴が、どんな歌よりも心地良く聞こえた。

破壊的な殺人衝動が止められなかった。



でも、両親の首をちぎったところで正気に戻った。いや、戻れた。



『まずは第一関門突破だな。まあ気にすんな。初めは大体こうなる。正気に戻れないとこのままお前は化け物になって終わりだったぜ。両親に感謝だな。』



私は泣いた。死にたかった。悪魔の言葉なんて耳に入らなかった。



「なんで、言って、くれなかったの?」


『あ?』


「こうなるって、言ってくれたら!私は契約なんてしなかった!!」


それを聞いた悪魔は楽しそうに笑った。



『グヒヒヒヒッ!自分でやっといて俺のせいにするのか?言っとくが俺は力を与えただけでやったのはお前だぜ!?』


悪魔はそう言うと私に近寄ってきた。


『いいぜ、お前いいぜ!ますます気にいたっぜ。お前のその心地いい憤怒も、醜い魂も。』


「……お前は、なんなの?」



そう聞くと悪魔は嬉しそうに答えた。



『じゃあ改めまして。俺はサタン。憤怒を司る地獄の王だ。』



と、ドヤ顔で宣言してきた。しかし、私は………





「サタン?」


『おう。俺の名前だぜ。』


「…誰?」


『え?』


「え?」



サタンと名乗った悪魔はしばらくポカーンとしていた。私が知らないことがそんなに不思議だったのだろうか。



『お前、ほんとに知らねえのか?』


「うん」



そう答えるとサタンは気まずそうな顔をした。



『まあ、確かにこんな排他的な種族が俺を知ってるわけねえか。まあいいや。それならそうと自己紹介だ。俺はサタンっつう悪魔でこれでも知らない奴はいないくらいの大悪魔なんだぜ。』


「……私はメイガ。力をくれてありがとうございます。でも同胞を殺させたことは許しません。」



そう言って睨むとサタンは呆れたような顔をした。



『さっきから言ってるが、あれをやったのはお前だぜ。俺は力を与えただけだ。』


「でもあなたはこうなることを知っているようでした。………違いますか?」


『それは知ってたが、それは契約の内容も聞かずに契約に同意したお前が悪い。』


「……」



確かにそれはそうだ。よくわからない胡散臭い奴の言うことを信じた私も悪い。でも、怒っていたしあの状況からこうなることを予想できる人がいるだろうか?



『それは自分に対する言い訳だろ。俺の知った事じゃねえ。あと、世界中を探しても俺を胡散臭い奴なんて思うやつはお前くらいだろうぜ。』


「………心が読めるんですか?」


『当たり前だろ。俺はサタン様だぜ。』



自分で自分の名前に様付けする人、いや悪魔は初めて見た。……痛い悪魔なのかな?



『……お前中々図太い性格してんなぁ。心が読めるの分かってて失礼な事考えやがって。契約相手じゃなかったら殺してたぜ。』



思ってたより怖い悪魔だった。今度から気をつけよう。たぶん。



「契約って、私とあなたは何の契約をしたんですか?」


『ああ。やっと本題に入れたな。俺とお前で結ばれた契約は、お前に俺が力を貸す。そのかわりにお前が俺の望みを叶える。ざっくり言えばこんな感じだ。』


「力を貸すって具体的には?」


『お前、自分のステータスは見れるか?』


「はい」



ステータスとは念じれば見える自分の能力値のことでこの世界に生きる者なら誰でも見ることのできるものだ。



(ステータスオープン)



個体名 メイガ

レベル23 種族 白虎族


HP 1276(+1000)

攻撃 1178(+1000)

防御 1121(+1000)

魔力 1098(+1000)

魔防 1096(+1000)

素早さ 1199(+1000)


スキル

[回復魔法+8]

[身体強化+7]

[魔法強化+3]

[白虎眼+5]

[聖気纏+0]

[憤怒解放]

[雷魔法 MAX]

[邪気纏 MAX]

[悪魔融合 MAX]

[荒野の誘惑 MAX]



称号

【神獣の末裔】

【生き残り】

【同族殺し】

憤怒(サタン)の加護】

【悪魔憑き】

【雷の子】

【地獄王の祝福】

【絶対悪】



………ん?見間違いかな?

お目々ごしごし。もう一回。


個体名 メイガ

レベル23 種族 白虎族


HP 1276(+1000)

攻撃 1178(+1000)

防御 1121(+1000)

魔力 1098(+1000)

魔防 1096(+1000)

素早さ 1199(+1000)


スキル

[回復魔法+8]

[身体強化+7]

[魔法強化+3]

[白虎眼+5]

[聖気纏+0]

[憤怒解放]

[雷魔法 MAX]

[瘴気纏 MAX]

[悪魔融合 MAX]

[荒野の誘惑 MAX]



称号

【神獣の末裔】

【生き残り】

【同族殺し】

憤怒(サタン)の加護】

【悪魔憑き】

【雷の子】

【地獄王の祝福】

【絶対悪】




ほえ。ステータスがえぐいことになってる。元々あったスキルに加えてヤバそうなスキルがたくさん並んでいる。称号なんて【神獣の末裔】だけだったのに8個になってる。

というか(+1000)って何?ぶっ壊れじゃないですか。



『それは【地獄王の祝福】の効果だぜ。すげーだろ。』



地獄王の祝福?はて?どんな効果でしたっけ?



【地獄王の祝福】

全ステータス+1000

称号【絶対悪】の獲得



……はい。なんですかこれ?

サタンはニコニコしながら言ってきた。



『それは俺と契約した相手に与えられる称号で、ステータスが少し上がるんだぜ。』



少し?+1000は少しなの?



『ああ、もちろんだ。』



サタンはイタズラをした子供のような表情でこちらを見ていた。……気持ち悪いなー。人外があんな表情をしたらさぶいぼが立ってしまう。


しかしそうか。+1000は以外と普通なのかな?

凄いと思ったがそうでもないらしい。世界は広いなぁ。


『……お前って冗談通じねえの?+1000が普通な訳ねえだろ。あと気持ち悪いとか思うなよ。傷つくだろ?お前ってマイペースだよな。仲間も親も殺したのにそんなふざけた思考ができる神経が分からねえ。』



サタンが悲しそうな顔をしながら言ってきた。

確かに、普通であれば嘆き悲しみ絶望するだろう。自殺したり目の前の悪魔(サタン)に復讐しようとするかもしれない。



でもそれは無駄なことだ。死んだものは蘇らないし、サタンは生物としての格が違う。からかってはいるが復讐しようとしても瞬殺されるだろう。


それをビンビン感じる。生存本能がコイツに喧嘩を売るなと全力で警告してくる。だからこう思えばいいのだ。


――里のみんなはいつでも私を見守っていて、私の心の中で生き続けると。――




『何かいい感じにまとめた雰囲気出してるが、仲間を殺したのお前だからな?あと俺の方が強いの分かっててからかってくんなよ。図太すぎるだろ。悪魔の俺が言うのも何だが同族が死んだのにドライ過ぎねえか?』


「この【絶対悪】っていうのは何ですか?」


『無視!俺の言葉全部無視!?俺のことをここまで虚仮に出来るのは宇宙全部探してもお前くらいだよ!!』


「この【絶対悪】っていうのは何ですか?」


『………。もういっそ清々しいな。お前の図太さは。【絶対悪】の効果はお前の行動が基本的に悪いように見られる効果だ。』


「え?最悪じゃないですか。これだけ返却とかできないんですか?あといくら大悪魔だからって流石に宇宙全部は言い過ぎだと思いますよ。人外だからよくわかんないですけどそういうお年頃なんですか?」


『……。』



ん?サタンがピキってる。ちょっと言い過ぎたかな?これくらいがサタンの限界かな。でも怒るってことは図星ってことなのかな?ほんとにそういうお年頃だったのかな?



と思っていたらサタンが怒り(?)で顔を引き攣らせながら近づいてきた。そして………


「いててて!耳は引っ張らないでくださいよー!!」



あろうことか私の至高のケモミミをひっぱてきた。



『おめーいい加減にしとけよ!?そういうお年頃じゃねーから!あと自分で自分の耳、至高とか思ってるくせに俺のことバカにしてくんじゃねーよ!!』




いててて。煽りはこの辺にしとくか。



しかしこの痛い悪魔。もしかしたらほんとにすごいのかもしれない。痛いけど。契約したことで得られたスキルと称号がとんでもない。


『痛くねーから!煽りはこの辺にしとくかとか思ったくせに痛い痛いって思ってんじゃねーよ!』



さて、これからどうしよう。困ったな。



『………俺、契約相手間違えたかな〜。』



サタンが何か言っているが、それを無視して私はこれからどうしようかな考え始めた。










「うーん、ほんとにどうしましょう。」


『どうした?』


「これからどうしようかと思いまして。里は滅んじゃったし一人では生きていけませんから。」


『だったら人間の街に行って冒険者にでもなったらどうだ?』


「……冒険者?」



怪訝そうにして聞くとサタンは呆れたようにため息をついた。人外の割に表情豊かなヤツ。



『冒険者も知らねえのか?冒険者っつうのはこの世界の……まあ何でも屋みたいなもんで、主にモンスターの討伐がメインだな。資格とかもいらねえからオススメだぜ。』


なるほど。冒険者か。



……というか今さらになるが、私って人間にバレても大丈夫なんだろうか?


奴隷狩りの奴らを全員殺しちゃったし、一応自分が珍しい種族なのも分かっている。これからまた奴隷狩りのようなヤツらに襲われるのも面倒だし………



「サタンさん、どうにかなりませんか?」


『……丸投げかよ。まあ俺様はちょーすげー悪魔だから出来るか出来ないかでいったらもちろん出来る。』



やっぱサタンなんですよねー。サタンしか勝たん。

ちょーすげー悪魔のサタンならなんとか出来るって信じてましたよ。



『……調子いいヤツだな。まあそこまで言うんなら俺様が解決してやるぜ。』



そう言うとサタンは物欲しげな顔でこちらを見てきた。……もっと言って欲しいのかな?


「サタン最高ー!頼りになるのはサタンだけー!サタンカッコイイー!!」



『グヒヒヒヒヒッ!!ったく、しょーがねーなー!!』


「チョロ」


『………。』


「………。」



やべ。時止めちった。サタンがピクリともしなくなったよ。



『お前、俺様のこと、嫌い?』



やべ。思ったより重症だったよ。口裂け女みたいなこと言ってきたよ。



「すいません。いじりがいがあったもので。サタンのことは嫌いじゃないです。むしろ割と好きな方です。」


『……俺様はもう騙されねーぞ。そんなこと言いながら!期待させておきながら!どうせ最後に手のひら返しするんだろ!!』


「……サタンは私のこと嫌いですか?」


『おい、止めろよ。そんな顔でそんなこと言うなよ!俺様が悪いみたいじゃん!分かったから!信じるから!』


「チョロ」


『……………………………。』




今度こそ、時が止まった。どうやら私は時魔法を操れるらしい。


あれ?ツッコミが来ないな。



『……………………………。』


「あのー、サタンさーん。そろそろ帰って来てくれませんかー?サタンがいないと話が進まないので困るんですがー。」


『……………………………。』


「あのー、サタンさーん?謝るので機嫌直してくれませんかー?」







そこから時魔法が解けてサタンが機嫌を直して話し始めるまで一時間かかったそうな。



――――――――――――――――――――――――







「サタンー、私が悪かったので機嫌直して下さいよー。色々終わったら私がご飯作ってあげますからー。」


『……ほんとか?もういじらないんだな?ご飯作ってくれるんだな?』


「いじりませんし、ご飯も作るので機嫌直してくれませんか?」


『次いじったら、明日まで話さないからな?』



……めんどくせー。反抗期の男子みたいなこと言ってるんですが。悪魔のハートがこんなに脆かったとは。



『面倒くせーとか思うなよ!俺様のハートはガラスどころか豆腐のハートなの!豆腐メンタルなの!』


「大体、そっちが心読まなければいいじゃないですか。そしたら口に出してまでいじったりしないので、心に平穏が訪れますよ。」


『契約相手のことは、何でも分かっておきたいだろ!』


「!……そ、そうですか。それなら、まあ…。」



この悪魔、いきなりなんて恥ずかしいことを言ってくるのだろう。こっちまで恥ずかしくなったじゃないか。



『ハッ!!??!?』


「……何ですか?急に」



いきなり大きな声で叫んだサタンは、まるで天から閃きを授かった学者のような顔をしていった。



『お前、今、デレた!?』


「……デレたがどんな意味か分かりませんが、なんとなくイラつきますね。」


『グヒヒ、なんだよ!ツンデレかよ!かわいいとこあるじゃねーか!』


「何かムカつきますが、まあいいです。それでどうやれば人間にバレずに冒険者になれますか?」


『ああ。そういえばそんな話してたな。いいか、まず世間知らずのお前に俺様がこの世界のことを教えてやるぜ。』






ーー十分後。


何でもこの世界には天使と悪魔がいるらしい。

天使と悪魔は気に入った者と契約を結び、それぞれ天使憑き、悪魔憑きと呼ばれている。


天使憑きは人々を助け、悪を挫く。

悪魔憑きは人々を陥れ、悪を働く。



と言われているので悪魔憑きは基本的に見つかったら殺されるらしい。




「あれ?もしかして、私、見つかったらやばい?」


『やばいな』



間髪入れずに答えたサタンをジトッとした目で見た。サタンがおすすめしてきたが、見つかったら殺されるとか、論外である。

やっぱり悪魔の言うことなんてまに受けるものじゃないですね。



『グヒヒヒヒ、そこは大丈夫だ。俺様に考えがある。』


「考え?」



サタンは言い終わると何もない空間から仮面と腕輪を取り出した。


『これは"隠邪の仮面"、こっちは"偽王の腕輪"っつうアイテムで仮面の方はお前が纏ってる邪気を抑えて、腕輪の方は何でも偽造出来るアイテムだ。

お前は神獣の末裔だからうっすらとだが聖気を纏ってるし仮面の効果も相まって邪気もバレないだろうし、この腕輪があればギルドに登録する時も問題なくなるだろ。』


「邪気?」


『お前は今、邪気……まあひらたく言えば悪魔っぽいオーラを放ってるから邪気が何か分かるヤツにはお前が悪魔憑きだってのがバレちまうが、この仮面をつければ基本的には問題ねえ。』


「でも……白虎族ってバレたらたぶん襲われるじゃないですか。」


『だから言っただろ。"偽王の腕輪"があれば何でも偽造出来るって。お前の見た目も他人から見たら普通の人間に見えるようにも偽造出来るぜ。それに襲われたとしても今のお前なら返り討ちにできるだろ。』



うーん。確かに聞いた感じだと大丈夫な気がする。人里に降りないと生活出来ないからいつかは行かないといけないし。

………腹を括るか。


「じゃあサタン、私は準備が終わり次第出発します。」




こうして私は人里に降りる決心をするのだった。










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