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001 ~わたしは巨乳になりたい~

アカデミア。

それは魔術師を志すものにとって憧れであり、目指すべき場所。

数ある学術機関の中でもその技術は最先端であり秘匿されている。

誰もが入学を希望するがコネは通らない。

資格はたったひとつ。魔術師の素養があるかどうか。

試験にて無事素養が認められれば晴れてアカデミアの入学となる。

そして、世界に24あるアカデミアの中にも序列があり、一定以上の素養あある物のみ入学が許されるのが、正しく世界一の学術機関である聖都アカデミア。


200年以上続く歴史の中で最年少合格者が5年前に現れた。

平均合格者が15歳という中で、僅か10歳にして合格した黒髪の少女。


ダイアログ=アリアという名前は誰も聞いたことが無かった。

魔術師家系でもない少女がどのようにして聖都アカデミアに入学できるほどの素養を身に着けたのか誰しも興味を持った。

(後日わかったことだが、町へ立ち寄った求道者に師事してもらったという。)

一日で彼女は参列した人間に知れ渡り、一週間後には聖都アカデミア全員が知るところになり、一年後には聖都に知らない者はいなくなった。

アリアは入学してからもその行動は鮮烈を極め、アカデミア中の話題を常に攫った。

若くして数々の業績を残し、一部教授すらも凌ぐ知識量、そして凛とした佇まい。

話題は尽きなかった。


やがて話題は彼女が卒業後どこに就職するかというものを推測しあうのが中心となる。

人の数だけ想像が広がり、誰もが一流企業や政府組織を挙げた。


だから、彼女が求道者になると宣言したとき、アカデミアに衝撃が走った。

学園長は彼女を呼び出し、教授は詰め寄り、同級生たちは彼女を取り囲んだ。

アリアは嘘をついた。綺麗さっぱり嘘をついた。


「私はまだ世界を知りません。このアカデミアは確かに素晴らしい知識の宝庫です。

 でも私は自分の目で確かめなければなりません、まだ見ぬ知識が世界にはあるのではないかということを。

 知ったと思いこむことはとても怖いことです。

 慢心は好奇心の歩みを止め、傲慢はやがて身を滅ぼすでしょう。

 だから、わたしは世界を巡ります。

 そこにまだ見ぬ世界を求めて。」


感動した、みんなメチャクチャ感動した。

誰もが望んでやまない有望な未来を蹴ってまで、新たな可能性を求めて旅に出る彼女の姿勢に。




本当は巨乳になるため、旅に出るのに。





中途半端なので、一旦区切ります。

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