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第八話  編入とクラス

校長室前


 コンコン


校長「入れ」


「失礼します」


校長「おお、君が異世界から来た子か、私はアリシア・エイプリルこの学校の校長を務めている。」


 昨日採寸とか資料をくれた人じゃないか


「え? 昨日採寸してくれましたよね?」


アリシア校長「ああ、そうだったな。異世界から来た人の担当も私がしている。普段はここで書類作業だがな」


 昨日の雰囲気とは随分違うな……


「そうだったんですか、でも異世界人が来るのはどうやって分かるんですか?」


「ああそれなら異世界の特殊な魔力を検知するとこの水晶が光るようになっている。」

 おお! 魔法ってそんなこともできるのか


「へえ~、便利ですね」


「それでは早速だがこの制服に着替えてくれ。」


「あ、はい。えとどこで着替えれば」


「ここだ。」


「ん?」



「ここで着替えろと言ってるんだ」


「いや聞こえてますけど……、ここでですか?」


「そうだと言っている。何度も言わせるな」


「いやでもアリシア校長の前ですし……」


「なんだ女々しい男ならそれくらい気にするな! 私が気にしないと言ってるんだ、早くしろ!」


「えええ、そんなこと言われても」


「ええい、つべこべうるさい、自分で着替えられないなら私が着替えさせてやる!」


 すると上を一瞬で脱がしズボンに手を伸ばした


「ちょっ、あの、やめ」


 ズボンが宙に舞った


「いやぁぁぁぁぁぁぁ」


「うん、なかなか似合っているではないか」


「ありがとうございます……」


 なにか大切なものを失った気がする……


「それじゃあクラスに案内するぞ、君のクラスはA組だ。」


「A組ですか」


 1年生は一階、二年生は二階、三年生は三階、四階は校長室という構造になっているらしい。他には演習場、ジムなど色々な施設があるらしい。


「教室のドアは昨日の箱に入っていた校章をこの四角い部分にあてると自動的に開く仕掛けになっている。」


 魔法というより科学っぽいな……


 校章をかざすと自動ドアのように音もなく開いた。


「授業中失礼する、今日は異世界からやってきた編入生を紹介する。」


???「ちょっと校長編入生がいるなんてきいていませんよ」


 ビシッとした服で四角い眼鏡をつけた先生が生徒に聞かれないように手で口元を隠して言った。

ていうか知らせてないのかよ…


「あ~忘れてた。え~生徒諸君こいつが今日から一緒に授業を受けることとなったショウだ。よろしくしてやってくれ」


 ……忘れてたって


 校長が挨拶というような顔でこちらを見ている。


「あ、異世界からやってきたショウといいます。まだこの世界に来て3日目なので分からないことも多いいですがよろしくお願いします。」


 こんな感じで大丈夫か? 出だしから孤立とか前世の二の舞は避けたいところだ


 拍手も何も起きず場が静まり返った。


 思わずその空気につばを飲み込むと一人の生徒が口を開けた。


生徒A「つ」


 つ?


「ついにうちのクラスにも異世界人来たぁぁぁ~!! これで今年の魔法祭は勝てるぞ~!」


生徒達「おおおおお!!」 「やったね!」 「いえ~い!」


 全生徒が一斉に立ち上がりハイタッチをしたりガッツポーズをしている。


「な、なんなんですか? この盛り上がりは」


「ああ、それはなこのA組以外にクラスは4クラスある。このクラス以外は異世界人が一クラスに最低一人はいるんだ。そのためこれから行われる魔法祭ではA組が勝つ可能性は低いと思われているそうだ。」


 なるほどそれでか、確か異世界人は何らかの才能を必ず与えられているとかなんとか資料に書いてあった気がする。まあなにはともあれボッチ生活にはならないで済みそうだ。


???「はぁ、校長次からはこういう大事なことは事前に言ってください…」


「分かっている、では後は任せたぞステイン先生。」


 と言うとアリシア校長はそそくさと教室を出て行った。


「先生も大変ですね…」


ステイン先生「あの人には本当に困らせられるよ、入学式の時も寝坊して校長の言葉をとばすことになったし…、来たと思ったら寝巻で全生徒の前でしゃべりだすわ!…すまない今のは忘れてくれ、確かショウといったなよろしくステインだ。そうだなショウはあそこの席が空いているからそこに座ってくれ。」


 あの人らしいな……


「はい。」


 そういわれて指さされている一番後ろの席に向かった。席は高校の席とは違い大学のような一段一段後ろに行くにつれて席が高くなっていくタイプだ。そこには手を振りながら満面の笑みを浮かべたボーイッシュな女の子がこちらに呼んでいる。











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