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第三十三話  疲れと転校生

「それにしても本当にこれおいしいね、エリィの料理の才能はもうこれだけで食べていけるほどだよ」


「アイラは大げさね」


「いやいや、本当だって、ねぇ? ショウ」


「え? あ、うん、普通に料理人になれるよ」


「そ、そうかしら」


 エリザベスは照れて顔を赤くした。


「魔法祭も優勝できたし、エリィの料理も食べることもできたし、なんかいいことばっかで幸せ」


「二人とも本当にごめんなさいね、私今回足手まといになってばっかで……」


「ん? 何言ってるの? エリィがいなかったら魔法祭は勝てなかったよ?」


「そっちではなくて、例の殺人鬼の件、あたし操られてばっかでろくに力になれなかったわ」


 やっぱり、エリザベスは悔やんでいるのか、自分が操られてあまり力になれなかったことを


「そんなのきにしなくていいよ~、ね! ショウ」


「ああ、元はといえば俺のせいで二人を巻き込んじゃったのもあるし、謝るのは俺の方だよ」


「でも……」


「それを言ったら、僕なんか操られてなかったのに普通に捕まっちゃったよ、エリィがそんなこと気にしていたら僕も気にしなくちゃいけないから気にしないで、ね?」


「うん、それにそのあとの魔法祭で大活躍したんだからもしまだ気にするんだったらそれでチャラだよ」


「二人とも……、ありがとう」


「さ、せっかく作ってくれた料理が冷めちゃうよ、食べよ食べよ」


******


 ショウ達がエリザベスの部屋で楽しく食事をしている中、とある荒野で魔法陣が展開された。


 白い光が辺り一面を包み込み一人の少女が現れた。


???「やっと、こっちにこれた……、これでようやく会える」



******


 そしてエリザベス達との食事会が終わり翌日の朝を迎えた。


「はぁ、今日も訓練、明日も訓練、明後日も訓練……、流石にキツい、そろそろセーラに例の件言おうかな」


 自分がきついから言うというのはちょっとあれだがいい機会だろう。


 そしていつも通りに教室に着き、エリザベスとアイラの後ろに座った。


「おはよう……」


「お! おはようショウ」


「おはよう、ど、どうしたの? なんか元気ないわよ?」


「いや、何でもないよ……」


「そ、そう?」


 気怠いまま朝のホームルームが始まった。


「みんなおはよう、今日はいい知らせがあるぞ」


「この言い方って……」


 アイラが何かに気づいたようだ。


「ん? 前に聞いたことでもあるの?」


「あるある! 超覚えてる」


「あなたが転校してきたときも同じ言い方をしていたわ」


「それって、また転校生が来るって言うこと?」


「わからないけど、あの時とほとんど一緒の言い方」


 するとステイン先生がアイラ達の予想通りの言葉を言った。


「今日はなんとまたこのクラスに転校生がやってきたぞ」


「ほら!」


「本当だ……、よく覚えてるね」


「それぐらいおぼえてるわ」


 その髪はショートで桃色、小柄だが膨らむところはしっかり膨らんでいる。そしてその子は口を開いた。


転校生「成美と言います! これからお世話になります。」


「ん? 成美……?」


 するとショウと成美と名乗る女の子は目が合うと、転校生は瞳を輝かせた。


「やっと見つけた!」


 するとショウのいる席まで駆け寄り抱き着いてきた。


「ちょっ」


「あ、あなた何をしていらっしゃるの!?」


「わーお、大胆……」


 こうしてショウの忙しい一日はまた始まったのだ。


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