第三十一話 戸惑いと招待
「ショウ! 無事か!? 怪我はないか? 殺人鬼にまた襲われたらしいじゃないか!」
魔法祭も終わり、いつも通り学校に着くと校門の前でセーラが待ち構えていた。ていうか近い近い近い!
「だ、大丈夫です、セーラのおかげで無事でいられることができたよ、ありがとう」
「ほ、本当!? そ、それならよかった、本当に約束守ってくれたんだね、うれしいよ」
約束? なんか約束したっけ?
「ショーウ、おはよう~」
「おはようですわ」
何か約束したかと考え込んでいるとアイラとエリザベスが後ろからやってきた。
「お、おはよう」
いまだに朝から女の子におはようというのは慣れない。
「では、私はもう行くよ、また訓練のときに」
「あ、はい、またあとで」
あの子の事もセーラにもちゃんと言わなければな……
「あ、お邪魔だった?」
「からかわないでよ」
「ごめんごめん、冗談冗談!」
そう言うといつもの笑顔をすると先に行ってしまった。
「……俺たちもいこうか」
「ええ」
……あまりエリザベスと二人でいることがないからなんか気まずいな。
「今日!」
「え!?」
突然大きな声を出したのでびくっとしていしまった。
「きょ、今日うちにきてくれてもいいのよ?」
「え?」
「か、勘違いしないで! この前のお礼としてご飯奢るって言ったでしょ? どうせなら手作りの方がいいかと思っただけよ!」
「あ、う、うん、じゃあいかせてもらうよ」
「そ、そう」
話が終わるとあとは何も会話することなく、教室についた。ショウはセーラとの特訓のため教室に着くとすぐに闘技場に向かった。今日は体術の練習らしい。
「腰が引けてる!」
「は、はい!」
「甘い!」
すると腕を掴まれ見事に背負い投げをされてしまった。
「いててて、もう一回!」
そして勢い良く突っ込んでいくもうまくかわされてしまった、がその瞬間彼女の胸にかすった。
「きゃあ!」
「え? きゃあ?」
それは女の子がとる反応としては普通の反応だ。しかしセーラは訓練の時につかみ合いとかもしているからたまに当たってしまうことはあった、けれどそんなの気にしているとやられるわよ! といって気にも留めていなかった。
しかし、なぜか今日はセーラが胸にかすったことで女の子らしい声を上げたことに困惑したのだ。
「お、女の子の胸を触るなんて、へ、変態!」
「え? でもこの前は気にするなって……」
「でもじゃない! 罰として闘技場周り十週!」
「え!?」
「行きなさい!」
「は、はい!」
今日のセーラなんか変だな……どうしたんだろう
「エッチ……」
走り出す直前彼女は小さな声でつぶやいた。
それ以外はいつも通りの訓練が終わり一度部屋に戻ってシャワーを浴びていくことにした。宿屋が壊れて以来アリシア校長が気を利かせて空いている家を俺に貸してくれたのだ。それなら最初から貸してくれればよかったのにと思ったが貸してくれるのだから文句は言わないようにしたのだ。
シャワーを浴びながらエリザベスの手料理について考えていた。以前エリザベスの部屋に行った時もごちそうになったが時間がないからといってだしてきた料理がとてもおいしかったので今回は楽しみにしているのである。
「それにしても二人きりで食事ってなんかデート……、いやいや、ただのお礼だ、変なこと考えるな」
その瞬間ショウはこの世界でなにをしようとしていたのかを思い出した。
そうだ! おれはこの世界でハーレムをつくろうとしていたんじゃないか! なんか普通にトレーニングばっかで目的を忘れていた、そうだな、まずはエリザベスからハーレムの構成員の一人目にしよう。
そのためには全力で落としに行かなければ、前世の恋愛シミュレーションゲームの知識はまだある! よし! やるぞ!
そしてエリザベスの部屋に乗り込む。
「おっ、来たねショウ!」
「お、おうアイラ、アイラも来たんだ」
予想外の出来事に笑顔がひきつる。
「うん、エリィが手料理を作るからどうかって」
「あ、ああそう」
「エリィと二人きりになれるかと思って期待してた? ごめんね、エリィの料理はとてつもなくおいしいから逃すわけにはいかないんだ!」
「べ、別にそんなこと思ってないよ、ただ知らされてなかったから驚いただけだよ」
心の中ではとてもガッカリしていた。ハーレム計画を進められると思っていたのにこの仕打ち! 神様ひどいっ!
よろしければもう一つの作品、『オカマだけど楽しくやっています!』も読んでみてください!




