第二十一話 戦闘と時間稼ぎ
「待たせたわね、ショウ」
月明かりで銀色に輝く髪と知っている声を聞き、今までの緊張感が解け腰が抜けて地面に座り込んでしまった。
「!!」
セーラを無視して一直線に俺に突っ込んでくる
「迅雷よ!」
するとまさに雷のような魔法が繰り出され、殺人鬼めがけて飛んでいく。
しかし真後ろからの攻撃に信じられないほどアクロバットな身のこなしで動き一切見ずにかわした。
「邪魔をするな、お前に用はない」
「生憎こっちにはあるの」
「ならお前も殺す」
標的を俺からセーラに変え、二人とも睨み合い一切動かない。
「ごくり」
シンとした空気の中、緊張で唾液を飲む音さえ大きく聞こえそれが引き金となり戦闘は始まった。
「迅雷よ!」
先手を取って攻撃をしたのはセーラだった、しかし攻撃はたやすくかわされ刃がセーラの喉元を掻き切ろうとする。
しかしその攻撃もセーラは気の杖を強化魔法で強化しはじき返した
「ちっ……」
「あと5分もすれば増援がくるわ、思ったより強いから二人で時間を稼ぐわよショウ」
「ええ、俺!?」
「当り前よあなた以外にだれがいるの。後ろから光魔法で援護してくれればいいわ」
「わ、分かった」
女の子を前に出して自分は後ろからちょこちょこ攻撃するのはあれだけど仕方ない……しかしそれに加えて後ろからちょこちょこ攻撃する相手が女の子って、俺とんでもなくゲスいことしてるような気がする。
「いくわよ!」
セーラが先行して攻撃を仕掛ける
「光玉!」
そして俺は後ろから光の玉を放つ魔法を連発。
流石の殺人鬼も避けるのに精一杯なのか攻撃の手数が減ってきている。
そして殺人鬼の刀を弾き飛ばした。
このままならいけるんじゃないか? ていうかこの構図、傍から見ると女の子をいじめてる絵にしか見えない……
「ショウ!」
「え?」
その一瞬、勝てるのではないかと気を抜いた瞬間。
殺人鬼が弾き飛ばされた刀を足元に転がった石を壁に蹴り飛ばし、反射した石が剣の柄に当たり真正面から刃が飛んできた。
「しまっ……」
そう、セーラが邪魔で標的を変えたとはいっても本命は俺でいつ狙われてもおかしくなかった、常に警戒しているべきだった
「重力!」
すると飛んできた短剣が勢いよく地面に叩きつけられた。
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