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第十六話  危機と回避

「エ、エリザべ……」


 まさかエリザベスが殺人鬼だったのか!?

 ……いや違う、目を見れば分かる感情も何もない虚ろな目をしている。本物の殺人鬼に操られているのか。


 でもどうする、操られていたとしても今の状況はやばい! 息が……


「エリザベス、目を覚まして……」


 ふり絞って出した声は本人には届かない。


「やばい、もう……」


 その時走馬燈のようなものが頭によぎった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「約束よ!」


「ああ、せいぜい死なないようにがんばるよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そうだ、俺は妹と約束したんだ。こんなところで死んだらアホみたいだ、ぜってえ死んでたまるか

 頭をフル回転させて考えると、短剣が隣にあるのを思い出した、しかし届かない


「ライト!」


 剣に触れているとライトの魔法はサングラスを貫通するほどだが触れないと眩しいと思うくらいの威力で剣が光る。しかしそれくらいでも一瞬見るととても眩しい


 予想通りエリザベスは目を隠すため片方の手を離した


「今だ!」


 手を払いのけ逆にエリザベスに馬乗りになった。


「お前は誰だ! 答えろ!」


 多分あの殺人鬼だとは思うが別の奴かもしれない


「……え?ショウ?……てあなたいったい私の上にまたがっていったい何をしているの!?」


「え? エリザベス!? 戻ったのか?」


「何を変なことを言っているのですかあなたは! 大声を出しますわよ!」


 大声? なんでおおご……あ! 今の状況を分析してみるとエリザベスに馬乗りになって両手をおさえている。これはかなりやばい。


「ちちちちち、これは違うんだ!」


 慌ててエリザベスの上からどいて訳を説明した。


「ほ、本当に私があなたを殺そうと?……でも確かにここはあなたに貸した部屋だわ」


「で、でしょ? だから決して変なことをしようとしたわけでは……」


 エリザベスの顔を見ると涙を浮かべている。


「わ、私友達になんていうことを……」


「い、いやいやエリザベスじゃなくて別の人がエリザベスの体を操っていただけなんだって」


「で、でも私がもっとしっかり意識を持っていれば」


「寝てたんだからしょうがないって、しかも無事だったし、ね?」


 エリザベスは胸に泣き崩れた、まだ会ってから間もない人のためにこんなに泣いてくれるいい子なんだな……


「ごめんなさい……」


 泣き崩れるエリザベスの頭をなでて落ち着かせていると泣き疲れたのか寝てしまった。俺もいつの間にか寝ていた。


「んん~」


 目を開けるとエリザベスが目の前で寝ている、そういえばさりげなく一緒に寝てしまった。


「んっ」

 エリザベスが目を覚ました


「え、エリザベス、お、おはよう……」


「ん、ショウ? おはよ……」


 自分のいる状況を把握したようだ。


「じゃ、じゃあおれは顔を洗って……」


「こ……」


「こ?」


「この変態ーーーー!」


 するとグーパンチが飛んできた


「ふごっ!」


「ひどい!」


「だだだれが私と一緒に寝ていいといいましたの!」


「いや、ここエリザベスが貸してくれた部屋じゃないか!」


「言い訳はよろしくてよ! ふんっ!」


「横暴だ……」


 登校中エリザベスはそっぽを向いて歩いている、そこにアイラがやってきた。


「お~い、おはよう~昨日は二人きりでどうだった? もしかしてもう色々しちゃった?」


「へ、変なことを言わないでくださる? まったく、昨日は大変な目にあいましたわ」


「大変な目にあったのは俺なんだけど……」


エリザベスがものすごい顔でこちらを睨んできた


「ひっ! い、いやあ~結局誰がやったんだろうね~」


「ん? どゆこと?」


 アイラに昨日起こったことを一通り説明した。


「えええ~? それやばくない? エリザベス大丈夫だった?」


「え、ええ私は何ともありませんわ」


 いや、俺には心配しないのね……


 



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