第五十三話「親方!」
ちょっと遅くなりました、すみません。
実は、携帯が壊れてしまって、上半分が機能停止致しました(汗)
下画面のみだと、書き溜めを取り出すこともできず、また、書き溜めるにも、保存ができない状態です。
とりあえず、なんとかこの一話を書いて投稿しましたが、出先で小説を書けないので、次回や次々回などが間に合わない可能性が高いです。
本当に申し訳ありません。
なので、携帯の治る予定である、1月17日までは不定期更新とさせて頂きます。
どうか、ご了承ください。
「もう一個! お兄ちゃん、もう一個だけください!」
「そう言いたくなる気持ちは分かるが、食いすぎると太るぞ」
「あう、でもぉ……」
「やめとけ」
「……はい」
未練たらしく俺の手を見詰めるアウィン。そこには、今まさに俺の口へと運ばれていく串焼きがあった。
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スマッシュポークの串焼き
“癒香”の手作り料理
秘伝のタレが掛かっている
VIT微上昇 1時間24分
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俺がMP切れの苦しみから立ち直った時。
aromaのテーブルへ行くと、そこには笑顔でトパーズを抱きしめる癒香といくつかの串焼きが置かれていた。どうやら、癒香は《料理》スキルも持っているらしい。
名前を見れば分かるが、材料は俺達が取ってきた牛豚鶏。しかも、料理を食べることでバフ効果が付与される。
だから、第二の町南エリアが急に混み始めたんだな。肝心の効果は、ないよりマシ程度の様だが。
これで、ボス前広場が活気付くといいな。
「やっぱり、薬師って、プレイヤーの皆さんをサポートしてこそだと思うんです。なので、料理バフでもサポートできたら素敵だと思いませんか?」
と言うのは癒香の談。それは果たして薬師なのだろうか。
ちなみに、秘伝のタレというのは癒香が独自に作り出したものなんだそうだ。このタレによって、効果時間が一時間から約1.5倍にまで引き上げられたんだから驚きだな。
タレの材料は企業秘密だとかで教えてくれなかったが、美味いし別にいいだろ。
そういえば、これからはスケルトン素材も高く買い取ってくれるらしい。暇を見つけてスケルトン狩りにも行ってみるかな。
「ん?」
「あれ、お兄ちゃん? どうしたんですか?」
「ああ、ちょっとメールが来てな。道の端に寄るぞ、アウィン」
「はーい」
メールを読むために大通りの真ん中から、路地への入口辺りに移動する。
さすがに、メールを読みながら歩くと危ないし、大通りの真ん中で立ち止まる訳にもいかない。プレイヤーを透過することはできないから迷惑になる。
メールの差出人は……テオか。双子の妹、ココと一緒に俺を悪戯エイプの群れから救ってくれた恩人だ。テイム可能となり、動けなくなったアウィンをオッドボールへと運ぶ時にも助けてくれたな。
だが、何となく嫌な予感がする。とりあえず、メールの中身を確認しないと。
『兄ちゃん、ここってどこだ? どこに行ってもここに来るんだけど、あっちに行ってみりゃいいのか?』
「はあ……」
「ど、どうしましたか、お兄ちゃん!? わたしですか!? わたしが何かしちゃったんでしょうか!?」
「いや、今回はアウィンじゃない」
「そうですか! あれ、では誰が?」
アウィンって、何かやらかしてる自覚はあったんだな。
キョロキョロと回りを見回しているアウィンには後でメールについて説明するとして、問題はテオだな。こいつ、また迷子になってんのか。
とりあえず、返信。
『テオ、そこから何が見える? できるだけ大きいものを教えてくれ』
『太陽が見える』
確かにデカいがそれを目印にするなよ。現在の時刻は五時。それなりに太陽は傾いてきている。
ふむ。
『太陽の方を向いて、右側には何がある?』
『壁だな!』
『左は?』
『こっちも壁だ!』
『……路地か?』
『多分、路地だと思うぞ』
『後ろはどうだ?』
『待ってくれ。太陽見てたから前が見えない』
アホか。
誰がずっと太陽を見続けろって言ったよ。
『後ろだよな。こっちも壁が見えるぞ!』
『なんの変哲も無い路地にいるのは分かった。いるのはイワンか? ローツか?』
『イワンのはずだ』
『よし、近くの曲がり角で待機しててくれ』
面倒ではあるが、テオ達は恩人だ。探しに行ってやろう。
聞いた感じでは、恐らく、L字の曲がり角が近くにある場所にテオはいる。そして、太陽の方向へと伸びている道、つまり、東から西へと向かう道があるはずだ。
ここまで分かれば、マップからある程度絞り出すことはできるだろう。あとは、総当たりだが、俺にはイワンの町を移動することに関して右に出るやつはいないってやつがいる。
「アウィン」
「はい! すみません、今、お兄ちゃんを困らせている人を探してる最中なのです!」
「そいつがいる場所に心当たりがあるんだ。行ってくれるか?」
「任せてください! どこですか!? 逃げても捕まえて来ますよ!」
「地図のこことこことここ。あと、ここもだな」
「ええ!? こんなに遠くからお兄ちゃんを困らせていたんですか……!?」
「お前、屋根登れるよな。場所を確認して、誰かがいればその場でラピスを分裂させてくれ」
「屋根、ですか? やったことはありませんが、できると思います! やってみます!」
そういえば、アウィンには町盗賊だった頃の記憶はないんだったな。あの身体能力があれば、登ることなんて訳ないとは思うが。
ラピスを分裂させるのは、俺への合図のためだ。アウィンはメールを使えないから、マップ上に表示されるラピスの数でテオがいたか判断するしかない。
「それじゃ、頼むぞ」
「はい! 行ってきます!」
近くの路地へ入り、軽やかに屋根へと登ったアウィンとその頭に乗ったラピスを見送って、俺はマップに注意を向けながら、虚空より取り出した串焼きに舌鼓を打つのだった。
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「おお! マジで来たのか、兄ちゃん! 凄えな!」
「お兄さん、久しぶりー! テオの、あの説明でよく来れたね! 凄い!」
「ココもいたのか。相変わらず方向オンチは治らないんだな」
「なんつーか、これがオレ達の個性ってやつだ!」
「そうそう。なんだっけ、あいけんてぃーてぃー?」
「アイデンティティな。何だよ愛犬ティーティーって」
マップ上で大量に増殖したラピスのいる場所へ向かうと、そこには厨二忍者のテオと猫耳神官のココがいた。
コスプレなのも、相変わらずなんだな。
「アウィン! 降りてきていいぞ!」
「アウィン? それに、降りるってどこから……」
「テオ、見て! 空から女の子が!」
「この人達がお兄ちゃんを困らせていた犯人ですね! さあ、観念してください!」
「違う。テオとココは俺の友達だ。アウィン、お前の恩人でもあるんだぞ」
「わたしの?」
「ああ。記憶はないだろうがな。ラピスも出てきてくれ」
屋根からアウィンが飛び降りて、ココが有名なあのセリフを言ったところで、ラピスにも登場してもらおう。
路地の至るところから、青色のピンポン玉が出てくる。総数、三十二個。全てがズリズリピョンと俺の元へと集まってくる。
……まっさおあおすけとか思い付いてしまった。忘れよう。
「ほら、大通りに行くぞ」
「「…………」」
「どうした、どこかへ向かってたんじゃなかったのか?」
「「か」」
「か?」
「「格好いい!」」
おい待て、確かこんな流れ前にもあったぞ。
てか、今ので何が格好いいってんだ?
「兄ちゃんが登場してから、オレ達の死角から仲間が登場するとか!」
「実は既にあたし達は取り囲まれていたんだね!」
「しかも、その登場シーンもかっけえんだよな!」
「屋根からお兄さんの側へ飛び降りるとか!」
「物陰から分身が出てきて一つになるとか!」
「ラピスちゃんのヤバかったよね!」
「兄ちゃんに集まるやつな!」
「禁断の秘術!」
「マナが集まっていく的な!」
「「格好いい!」」
「やめろぉーっ!」
なんか、俺が狙った風に言うなよ! これはラピスとアウィンが勝手にやったことだ!
俺はまっさおあおすけとか考えてただけだぞ!?
「お二人とも、よく分かってますね! そうなのです! お兄ちゃんは格好いいのです!」
「お前もなかなかいい感じの登場だったぜ!」
「うんうん! スタッ、キリッ! って感じ!」
「わたしとしては、シュタッ! でした!」
「「それもいい!」」
「なんだこの、アホの会話は」
ここで、マップ上を動く光点がこっちへと近付いてくるのが見えた。
ああ、そういえば、癒香が離さなかったから後で来ることになってたな。
でも、ちょっとトパーズ、スピード、速すぎないか?
と、思ったのも束の間。
俺の頭を越えて、テオとココの間を一つの砲弾が貫いた。
テオとココが同時に振り返った時、すでに影は二人の頭上に。
すべるように俺と双子の間へと着地したのは、白色の毛玉。トパーズだった。
「「ふおおおおおおー!」」
「待て、落ち着け! 違うぞ! 俺の演出とかじゃねえぞ!」
「「師匠っ!」」
「やめろぉーっ!」
ああ、もう。
なんで、いつも、こうなるんだっ!
追記(2017/01/17)
すみません。
本日、1月17日に更新予定でしたが、間に合いませんでした。
次回更新日、1月19日は更新できると思います!
お待たせして申し訳ありませんっ!




