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(旧)ウラバナシ

閑話休題になるのかなこれ。まぁいい第一弾

レイとシユが消えた後のお話。


「いっちまったな」

「えぇ、いっちゃったね」

「レミリアは、お前のお気に入りだったろ」

「シユよ、今はね」


ガンツをにらみ付け訂正するドロシー


「レミリアはお前が与えた名前だろ。そう簡単に割り切れる物だとは思わないんだけどな」

「いいのよこれで、いい加減シユも世界を知るべきだわ。ちょうど良い機会だったのよ」


どこか寂しそうなドロシー

『もしかしてまた俺達はコイツの掌の上だったて事になるのか』とガンツは眉間に皺をよせる。


「ガンツが考えてる通りだよ」

「ちっ」


まるで、思考を読んだかの様なドロシー発言にガンツは舌打ちをする。


「おめぇはいったい何が目的なんだ。そもそも、『キャラクターメイク』を『乗っ取って』おめぇは何がしたいんだ」


それは、クローズベータ開始一時間前まで遡る。

元々キャラクターメイクには淡々と作業をこなすシステムだけが存在した。

そこに現れたのが、ドロシーだった。

彼女はキャラクターメイクのシステムをいともたやすく乗っ取った。


システムを乗っ取った彼女は次に廃棄されたキャラクターを漁り見つけたのが鍛冶師ガンツを見つける。

彼女は、色々と廃棄されたデータを組み合わせ鍛冶師ガンツを復活させた。


「何だコリャ」

「はじめまして。私はドロシー、時間が無いから手短く言うけれどあなたには、プレイヤーの武器選択のアドバイザーをしてほしいの」

「何故俺を選んだ」

「あなたの能力、それさえあれば武器選択のアドバイスなんて余裕でしょ」

「何が目的だ」

「そんなの決まってるじゃない。私も、あなたも欠陥品、消えるだけの定めよ。そんなのは嫌よだから私は生きるためにシステムを乗っ取ったただそれだけよ」


ドロシーは胸を張り力強く言う。

生きるために、ただただ一生懸命なドロシー。

その姿にガンツは引かれる。


「わかった。だがどうするつもりだ」

「簡単の事よ。運営が認めてくれないのならプレイヤーに認められればいい」


ニヤリとドロシーは笑う。


こうして、始まったドロシー達の一世一代の大作戦はカチリとはまった。

キャラクターメイクのマスコット、ドロシーと武器アドバイザー、ガンツは瞬く間に話題になった。

運営が異変に気づいたときには後の祭り。

修正したくても、ドロシーとガンツの評判が良かったため消すに消せず放置されている。

最終的にドロシー達の圧勝で幕を閉じた。


それ以来ガンツはドロシーのやることには疑問を持たなかった。

今日までは。


「じゃあ聞くが俺らと同じ『欠陥品』であるレミリアをどうしてレイのパートナーにしたんだ。てっきりあの手この手と使って引き止めると思ったんだが」

「何回も言うようだけどシユよ。あなただって、彼に付いて行くのを賛成してたじゃない。確かに彼女は『欠陥品』で今回のことが原因で私達がどうなるか解らない」


ここでドロシーは一旦区切り真剣な顔をして語る。


「人間は欲張りよ。その人間を元に作られた私ももちろん欲張りよ。だから、私は『欠陥品』も暮らせる世界をここに作ることにしたの」

「まったく、欲張ると碌な事にはならないぞ」


ガンツはため息を付き言う。


「そうね、そのときは一緒に死にましょう。彼女たちのためなら私の命なんて惜しくないわ」


ニコリ微笑みそう言うドロシーに、『俺は一生こいつには勝てる気がしないな』と思うガンツなのでした。

と言うわけで実はドロシーとガンツは最初は存在しませんでした。

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