(旧)スキル・ワカレ
ようやくキャラメイクが終わります。
「さて、最後はスキルだよ。10個ほど選んでね」
ドロシーがそう言うと目の前に半透明の画面が現れそこにはスキルの名前が乗っている。
「急に選べといわれても困るのだけど」
「うーん。それじゃあ、今まで迷惑かけたからヒントをあげよう」
「一つ、レイの基礎能力は高すぎると思う。私の見立てでは、クローズベータ終盤のトッププレーヤーと戦っても余裕で勝てるだろう。化け物だねレイは」
「二つ、カースシリーズといって相手の能力を下げる技がいくつかある。だけど危険性を考慮して本来持っている基礎能力以下には能力を下げることは出来ない。」
二つ目が微妙に解り辛かったので確認がてら聞いてみる。
「基礎能力以下にならないってことは、現在の僕の場合、補正値で上乗せされて居るMAGの3ポイント分は減らせるがそれ以上は減らせないってことで良いのか」
「そそ、付け加えるなら今のレイにSTR低下のカースをかけても必ず失敗する。なぜなら、レイはSTR上乗せはされてないからね」
ドロシーは肯定と補足をしてくれる。
「オッケーそうだねそれならば、三つ目ショートカットの存在だね。ショートカットは行動を登録することが出来る。例えばレイがさっきやったシユをスッポンポンにしたあの技だって登録することが出来る」
ドロシーは途中からニヤニヤしながら話す。
その反応に対して生還を決めていた二人はそれぞれ反応を見せる。
ガンツは呆れシユはドロシーを睨み付けている。
僕は、あの光景をふと思い出し赤面してる。
「ただのたとえ話よ。深い意味は無いわ」
その顔で言われてもあまり説得力は無い。
頭を振りあの光景を打ち払い考察する。
ここまでくると、ドロシーが言いたいことが解ったので一つこちらから聞いてみる。
「なぁ、そのショートカットにステータスの増減は設定できるのか」
「ええ、出来るわ。ショートカットに設定すれば発動すだけで設定した値へと勝手に変動してくれるわ」
ビンゴだ。
普段はステータスを最小の0で生活し、必要な時のみ最大を使用する。
これだけでも僕ならば奥義にもなりかねないということだ。
つまりあまり戦闘等を気にせずスキルをとっても支障が無い可能性もある。
だがその前に聞かなければいけないことがある。
「訊ねたいのだけど、スキルって後から交換することも出来るのか」
「交換は出来ないけど、スロットが増えたりあるいは物によっては複数のスキルが一つにまとまったりすれば新しくそこに付けることができるよ」
「つまり複数まとまりそうなのを狙うのも良いのか」
僕が呟くと、ガンツが補足説明をしてくれる。
「言っとくがスキルをまとめるにはその元となるスキルすべての熟練度が最大にしないといけないし。まとまると思ってとったがまとまらなかったってことも良く有るぞ。」
「ギャンブル見たいな物だな」
そしてこのゲーム、スキルに熟練度とかあるんだな。
まぁ大方、スキルを使ってると熟練度が上がるんだろうな。
「後、最低でも刀術と火魔法は取っとけよ」
「なにか理由があるのか」
僕が訊ねると、ガンツは答えてくれる。
「まず火魔法だが、魔法は武器を振り回したりするのとは違ってスキルをとってないといくらセンスがあろうとも使うことが出来ない」
なるほど、火魔法は得意魔法だし僕もある程度は魔法というものを使ってみたかったのでとる事にする。
「次に、刀術だが、刀でダメージを与えた場合にダメージ量をすこし上乗せできるスキルだ。まぁレイにはぶっちゃけ無用だろう」
なら要らないじゃないか。
「だが普通の人は、刀なら刀術、杖なら棒術、といったようにメイン武器に対応するスキルを取るのが当たり前だ。ここまではいいか」
頷いたあと、一つ仮説を思いついたので聞いてみる。
「相手の取得スキルを見ることが出来るスキルが存在する」
「そうだ。そう言ったスキル持ちは多いと考えていい、そういった者達が刀を使うのに刀術を持っていレイをどう評価する」
論外あるいは、良いカモとかだろう。
どちらにしても面倒なことになるのは目に見えてるな。
「わかった、火魔法と刀術は取ることにする」
ガンツに宣言する。
ここまでお膳たてをしてくれたのだ。
よしっと気合を入れスキルを次々選択していく。
その間三人はちらちらとこちらを気にしていたが無視だ。
そして、選んだスキルはこうなった。
【刀術】【火魔法】【鍛冶】【裁縫】【木工】【調合】【連金】【工作】【調理】【大工】
まとまることに賭けて刀術と火魔法を除いてすべて生産にしてみた。
これに対してドロシーは大笑い、ガンツとシユは唖然としていた。
「あー。最後にいいものを見せてもらったよ」
ドロシーはひとしきり笑い終わった後言った。
「いい物を見せてくれたお礼に良いことを教えてあげよう。レイは考えてることを読まれたと思った事が何回もあったよね」
確かにあったが、そのことは誰にも言ってないはずだ。
「それは、べつに心を読んだわけじゃない。耳と尻尾の反応で推測しただけだよ」
ここで、尻尾と耳が生えていたことを思い出す。
「まさかここまでこっちとの相性がいいとは思わなかったよ」
「相性がいい」
不安を覚えた僕は思わずオウム返しに言う。
「あぁ、不安にならなくていいよ要はその体に良く馴染んでいるって事だけだから。むしろそれはアドバンテージだよ、あまり馴染めてないとやっぱり動きに影響しちゃうんだよね」
なるほど、つまりは意識せずとも自然な動きが出来ている事になるのか。
「それにレイの本体にも何らかの影響がある訳でもないから、そっちも心配しなくていいよ」
付け加えて補足してくれるドロシー
「さてと、キャラメイクも終わったからそろそろお別れだね」
「ドロシーにガンツ世話になったな」
「あぁこちらもバカが迷惑かけたな」
「バカってひどくない。二人とも楽しんでくるんだよ」
「ドロシーさんガンツさん今までありがとうございました。これからはレイと伴に歩んで生きたいと思います」
「何これ、結婚でもするの僕達」
と、こんな風に最後の挨拶を交わす四人
そしてとうとう時間が来る。
突然白い光があふれ出し、それにおどろいたシユが思わず僕の手にしがみつく。
そしてその体制のまま僕とシユは白い光に包まれたまま消えていった。
生産バカの片鱗が出てきました。次は番外編らしきものになります。