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パートナー3

書いてて恥ずかしかったです。

目を覚ますとそこには大きな二つの塊と少女の顔があった。

こ、これは俗言う膝枕と言うものだろうか。


「ご、ごめん」

「きゃ・・」


羞恥心に耐えられず、飛び起きる。

その反動でウサ耳少女はバランスを崩し倒れた。

ムニュ・・・・。

これはヤバイぞ、下手をしたらまたブラックアウトするんじゃないだろうか。

バランスを崩した彼女は慌てて僕の首に腕を巻きつけ堪えたようなのだが。

そうなると、密着するため同時に僕の体に女性特有の二つある大きなものがあたるわけで・・・。

それだけで僕の顔は発火するんじゃないかと言うほど熱くなった。


「あの、背中に当たってるんのだけど」

「え、きゃ」

「ちょ、ちょっとまって・・・・ぐへ」


自分の態勢に気づいたのだろうウサ耳少女は驚いて僕の体から離れるのだが・・・。

勢いあまった僕は床に座った状態で吹っ飛ばされると言う経験をした。

怖かった・・・。どんな力だよ。


「やっぱり、君はエッチです」


寝たまま態勢を立て直しウサ耳少女の方を向くと、顔を赤く染め涙目の彼女がいた。

服装もビキニから、白のワンピースへとレベルアップしてる。


「思春期だからね仕方ないよ。それに、これも僕の一面だからね。嫌なら諦めてくれ」


立ち上がり自分についた埃をはたき、彼女に手を差し出す。

自分で言っておいてなんだが、ズルイ言い方だな。

それと、ごまかすため紳士を演じてみたのだがすっごい違和感がある。


「なんだか、その言い方はズルイです。でも、そんな所も好きなので嫌いにはならないです」


彼女は笑みを浮かべ僕の手を取った。

この切り替えしは僕のほうが恥ずかしくなる。

どうしてこいつは、恥ずかしがっている割にはズバッと自分の思いを伝えてくるんだ。

照れ隠しの意味もこめて、力を入れ彼女を引っ張り立たせ後そっぽをむく。


「し、失礼します」


何を勘違いしたのか、彼女はうれしそうに僕の腕に抱きついてくる。

だから、そうすると腕に胸があたるんだってば。

理性が吹っ飛ぶ前に無理やり彼女の体から自分の腕を奪取した。


「だから、胸があたってるんだってば」

「も、もしかして、触ってみたいのですか」


真実を述べると、意外な答えが返ってくる。

しかも、顔を真っ赤にしながら上目遣いで。

ここで、その返答と表情は卑怯だろ。

この子の言動や行動そして仕草、全てに置いて翻弄され続けている。

彼女には勝てる気がしない。


「あんた達、私達の目の前でいちゃつくなんていい度胸じゃない」


声に気が付き見ると、そこにはドロシーとガンツが呆れたようにこちらを見ている。

すっかり忘れていた・・・。あのこっぱずかしいやり取りを見られていたと言うことになる。

凄い恥ずかしい。ウサ耳少女も同じようで恥ずかしそうにうつむいている。


「まぁ、あんた達の相性がいいのはいいことよ。パートナーにもってこいじゃない」


ドロシーがニヤニヤして言ってくる。

パートナーそれってつまり結婚と言うことだろうか。

想像するだけで、恥ずかしくて死にそうだ。


「結婚には早すぎるだろ」


強めに否定する。

すると、ドロシーに何言っているのこいつみたいな顔をされた。

いや、絶対早すぎるだろう結婚なんて。


「おい。もしかして、パートナーが何かわかってないんじゃないか」


見かねたガンツが助け舟を出してくれる。

パートナーって結婚と言う意味ではなかったのか。

今度は違う意味で恥ずかしくて死にそう。


「思春期だからね仕方ない――」

「それより、パートナって何だ」


からかうように言ってくるドロシーの言葉を遮るように言う。

触れられたくない時には話題を変えるのが一番だ。

それにしても、アレを聞かれてたのか。うわぁ死にたい。

ウサ耳少女もウサ耳少女で顔を真っ赤にし嬉しそな表情を浮かべているし。

いったい僕はいくつ恥を晒せばいいのだろう。

いや、ここでネガティブになると駄目だ。

気を取り直して、本題だがパートナーって言うのはゲームのシステムの話か何かなのだろうか。

よく調べずにゲームをしているためそこらへんはさっぱり解らない。


「マジで。解らないのかしら」

「システムかなにかか」

「マジかー」


ドロシーの問いに答えると、面倒くさいというポーズをとられた。

悪かったな説明書読まずにプレイして。


「パートナーと言うのはこっちの世界での生活をサポートしてくれるこっち側の人物になります」


また再び、ウサ耳少女は腕に抱きついてくる。

なんで、こんなタイミングに。

せっかく、ペースが戻ってきたのに。このままでは、また冷静では居られなくなる。


「か、顔が、近い」

「集中してください。サポート言うのは大きく分けて『知識の贈与』『戦闘の参加』『生活の補助』です」


集中しろと言われても集中できません。

無理やり解こうとするが、次は逃がさないと言いたいのか全然解けない。


「役割から解るようにパートナーは『旅人』と行動を共にします。ですから、相性が良し悪しは重要です」


説明してくれたのはいいがちゃんと頭に入ったか不安なんだけど。


「な、なんで。エッチです」


我に返ったのかウサ耳少女は僕の腕を離し睨みつけてくる。

ガンツからは『よく人前で出来るな』とドロシーからは『責任とらなくちゃね』、それぞれ声を掛けられる。

僕がした訳じゃないのに理不尽極まりない。

だが、ここでムキになったらさっきの二の前になるな。

少しでも気を逸らすため、ウサ耳少女の言葉を思い出しながら質問を考えることだけに集中する。


「旅人と言うのは僕たちのことを言ってるんだよね」

「そうです。正式名称は『異次元の旅人』です。略称である『旅人』の方が浸透していますが」


無意味な質問では有ったが、僕のペースを戻すと言う意味では重要な質問だった。

さてここからが本番だ。


「なぁ、僕が向こうの世界に戻っている間はパートナーはどうしてるんだ」

「こっちの世界で暮らしてますね」

「それって悲惨だよな。行動を縛られた上に下手したら戻ってくることが無い場合も有るのだろう」


ゲームに飽きて辞める人も居るだろう。

そうなるとパートナーは帰ってくること無いプレイヤーを待ち続けることになるわけだ。

有る意味それは悲劇にも近いだろう。


「いえ、パートナーには相手が嫌なら離別すると言う選択肢があります」


『お前の事、嫌いだからサヨナラ』って事か。


「離別したパートナーは新しい相手を探したり、どこかで暮らしたりすることが出来ます」

「それじゃあ、パートナーに見捨てられた旅人は今後パートナー無しで生活していくのか」

「そうなりますね。新しいパートナーを見つけない限りはずっと一人でしょう」


と言うことは、もしかすると・・・。

一つの希望が見えた気がする。


「最初からパートナーを選択しないと言う手もあるのか」

「ヘタレ」

「おいおい、そりゃないぜ」


外野のドロシーとガンツが何か言っている無視だ。


「それは無理です。あの、私じゃあ不服でしょうか」


たのむから、今にも泣きそうな顔をしないでくれ。

庇護欲と罪悪感で押しつぶされそうになる。


「解った。僕の負けだ」

「ありがとうございます」


僕はヤケクソ気味に言うとウサ耳少女は嬉しそうにお礼をいい抱きついてきた。

我慢だ。我慢しろ。


「僕はレイだ。君の名前は」


平常心を装いつつ、抱きついてきた彼女を引き剥がす。


「ありません。なので付けてください」

「そう言うものなのか」

「そう言うものです」

「希望とかあるのか」

「いえ、レイさんがつけてください」


丸投げされた。

困ってガンツたちを見るとなぜか目を逸らされた。

自分で考えろってことなのだろうか。

僕はあまりネーミングセンスがいいほうじゃないんだけどなぁ。


「そうだな。『シウ』と言うのはどうだ」


シロウサギから二文字とって『シウ』だ。

我ながら会心の出来だ。


「可愛い名前です一生大事にします」


シウは喜んでくれたのだが、ガンツ達はなんともいえない顔をしている。

そんなに駄目かねこの名前。


「名前のセンスはさておき、パートナーも決まったことだし残るはスキルだけね」


ドロシーが言ってくるわけだが。

本当にこの名前そんなに駄目なのか。


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