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遅くなりました。ここがどうしてもうまく書けずに苦しみました。
一応それなりに納得が出来るものにはなったかなと思いこみます。
7/23文章間違え修正しました。
教えていただきありがとうございました。
「そろそろ僕の種族と職業がどうなったか教えてくれ」
「いいわよ」
僕の発言にニヤニヤと笑みを浮かべながらウィンドウを渡してくる。
正直言ってあいつの笑みのおかげでたまらなく不安になっているのだが。
どうせここでウジウジしてても仕方ない。覚悟を決めよう。
意を決して渡されたウィンドウを恐る恐る覗く。
種族【妖狐族】
エデンの奥地に住んでいるといわれる狐の特徴をもった獣人。
古くから物語や伝説などに登場する有名な種族であるが、多種族の前にその姿を見せることは滅多にない。
そのため、妖狐族の姿を見た物には幸福が訪れるという言い伝えがある。
また、一部地域では神の使いとして信仰の対象とされている。
戦闘に関しては魔法に特化しており、多種多様な魔法を使うことが出来る。
その中でも火魔法と光魔法の適正が最も高く、火と光を使った奥義『幻影魔法』は妖狐族のみ使える。
職業【姫】
とある国の王女
護身術を習っているため、そこそこ戦えるがどうも微妙。
魔法も護身用に習っているため、そこそこ使えるがやっぱり微妙。
火魔法と光魔法の適正は高いがそれでも微妙。
一言で言えば戦闘に関しては特徴があまりない。
しかし、私生活は個性的である。
恐ろしいまで強運の持ち主。
仕送りとして毎月1億ほどお金が振り込まれる。
装備はドレスのみ装備可能。
等どれをとってみても目立つこと間違いなしだ。
そこにはこんなことが書かれていた。
男なのになんで姫なんて職業につけるんだよ。
これじゃあまるで僕が女性みたいじゃないか。
現実でも女性扱いうけて困ってるのにゲームにまで女性扱いされないといけないんだよ。
そんなに僕を女性にしたいのかおまえらは。
っていけない、あまりの出来事に興奮しすぎた。
冷静に考えれば男性が姫なんて職業に着けるはずがない。つまりこれはバグだ。
なんだ。脅かせやがって。
「姫って職業は男でもなれるよ。ただし、可愛い男の子限定だけどね」
イッタイナニヲイッテルノデスカ。
ジョウダンデスヨネ。
「その顔、まるでホラーだからやめて。マジで怖い」
流石に僕のどす黒いオーラに当てられて軽く引いている。
可愛い男の子限定・・・。
すごい、嫌な仮説が思い浮かぶんだが。
このゲームでは、性別の判定は顔認証機能を使って行っていた。
そして男でも女性専用だと思われる職業を選ぶことが出来る。
つまり――
「レイの性別は男よ一応」
僕の仮定をバッサリ否定されほっとしたのだが。
一応って何だ、一応って。
普通性別は基本的に男と女だろう。
だが、あの言い方では他にも用意されているように聞こえる。
「レイの性別はいま男の娘よ」
今なんとおっしゃりましたか。
『男の娘』ですと。
どうして、そんなものを作ったんだ。
需要がそんなにないだろう。
それ所か、気にしてる人にとっては考えた奴をぶん殴る。
と言う事でそいつに会う機会があったら確実にキルしよう。
「製作者の中に居たらしいわよ。男の娘も好きな人が」
うん。キルだけじゃあ物足りないな。
「そいつには地獄を見てもらわないといけないな」
僕の発言を聞いたドロシーは何故か噴出して笑った。
何処に笑う要素があったのだ。
「その必要はないわ。そいつ他にも色々やらかしてね、罰としてこっちでは地獄を見てるわよ」
これ以外にもやらかしたのか。
というか地獄って何だ。
「因みにそいつがやらかした負の遺産の一部はいまだに残ってるから暇ならさがしてみるといいよ」
誰が探すか。
「さて、そろそろ覚悟決めてね。じゃあいくよ」
「まて、覚悟って何のことだ。何をするか説明も無しに覚悟できるわけないだろうが」
「ブッブー時間切れ」
ドロシーは手を叩く。
おい、説明ぐらいしろ。
「終わったわよ」
ドロシーが告げるが、正直何が変わったかよく解らない。
身構えて損したよ。まったく。
「それにしても、よく似合うわねその格好」
ドロシーは微笑みと言うか嘲笑を浮かべている。
僕の格好だと。
さっき見たウィンドウのせいで凄い嫌な予感がする。
急いで確認しよう。
自分の頭を触ってみたり、服装を確認した。
なんで、僕がスカートはいてるの。
しかも頭に何か付いてるし。
嫌な汗がどっと出てきた。
おいおい、嘘だろう。
「なぁドロシー。鏡とか無いか」
「はいはい。今出すから待っててね」
僕の注文道理に目の前に姿見を出してくれる。
そこに映っていたのは自分を見て絶望しその場に崩れ落ちる。
何故か腰まで伸びた真っ白な髪の毛。
兎のように赤い瞳。
頭には白い狐耳が、お尻の方には白い九本の尻尾がそれぞれ生えている。
衣装は白と紺で構成されたゴシックドレス。
頭には玩具の王冠が乗っている。
なんだ、この色んな萌え要素を無理やり突っ込んだようなキャラは。
これが自分だと考えると泣けてくる。
「いやぁ、ここまで来るとさすがにあざといねぇ」
あざとい言うな、こっちも好きでこんな格好してるんじゃないやい。
仕舞いには泣くぞ。
「いいじゃない可愛いんだから。世の中、持ってなくて絶望してる人のほうが多いのよ」
解ってない。こいつは全然わかってない。
「それは、巨乳が『胸が大きくても肩こるだけで良い事無いよ』とか言ってるのと同じだぞ」
コンプレックスとはそう言うものだ。
いくら諭されても、そう簡単に納得いくものではない。
「あんた。つくづく負けず嫌いね」
ドロシーは呆れたようだった。
解りやすく説明しただけなんだけどな。
どうやら、あいつは仕返しと思ったらしい。
「まあいいわ。これ以上やってもキリがないし、大人の対応してあげるわ。おこちゃまのレイ君」
これの何処が大人の対応だ。
すごい根に持ってるじゃないか。
「それでその格好の事なのだけど、作り直しも出来ないから諦めるのね」
まじか、なんだかすごく納得がいかない。
だが、ここでウジウジしててもしかたない。
だって始めてのVRMMOだぞ。楽しみだろ。
こう言うときは諦めて楽しめばいい。
それに知り合いにさえ極力合わなければ怖いものは無い。
「目が死んでるのだけど大丈夫なの」
「大丈夫だ。ちゃんと諦めたから」
「なんともいえない台詞ね」
ドロシーが苦笑する。
「まぁ、いいわ次のステップへと進みましょう」
「次のステップって何だ」
「次は武器選びよ」