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(旧)オオアバレ

少し書き方を変えました

僕達は今、草原の真ん中に立っている。

これが、意味していることはつまり。


やっと終わった。

長かったキャラクターメイクがやっと終わった。

だいたいドロシーのせいで異様に長かった。

だけどこれで



「自由だー」


思わず叫び右手を上げる。

左手はシユがしがみついてるせいで上げられない。

ふと我に返ると、周りに居た人たちが生暖かい目で僕らを見ていた。


やめて、そんな目で僕を見ないで。


「そだ、シユ付いたよ」


左手にしがみついていたウサ耳少女シユの頬を右手でかるく叩く。

早く離れてくれないかな、さっきまで色々あって気づかなかったが柔らかい感触がある。

一度、意識をしてしまうともう駄目だ。

恥ずかしくて死にそう。


「あぁん」


なんと言う声を出すのですかシユさん。

アウトですよアウト。


「も、もう少しだけこのままで居させてくだしゃい」


顔を真っ赤にし涙目のシユは上目遣いを使ったおねだりをしてくる。

正直僕はぐっと来た。

特に語尾をかんでいるところとか可愛い。

だがここはあえて鬼にならなければいけない。

なぜなら、僕が色々と限界だからだ。

ヘタレだろうが何とでも呼ぶが良い。


「あたってます。色々と」


平然を装って言いはなつ。

頑張ったと思うよ。


「あ、あててるのです」


更に一段と赤くなったシユ

無理をしてるのだろうな。

それにしてもここで当ててんのよ宣言が来るとは思わなかった。


仕方が無いから、シユがしがみついている腕を強引に引き抜く。


「あぁ」


シユが残念そうな声を上げるが無視だ。

無視なんだが・・・・罪悪感が

こうなったら仕方ないか、まったく僕も甘いな。


「ほらいくよ。はぐれないように」


手を差し出す。

僕の意図がわかったのかシユは顔を真っ赤にして手をつないぎ指を絡めてくる。

俗に言う恋人つなぎと言う奴だ。

正直僕にはハードルが高いのですがシユさん。

あぁ、でも幸せそうな表情を浮かべてるシユに抵抗できない。


「行きますよ。」


僕は、せめて真っ赤な顔をシユに見られないようにとそっぽ向き歩く。

実は死ぬほど恥ずかしい。


どうやらこれがいけなかったみたいだ。

この行為が悪いものを引き寄せた。


「見せ付けてくれるな。ネーちゃん」

「こう見えても僕は男だが」


下種な顔で近づいてくる男

どう見てもチンピラだね。


「ニーちゃんだろうがネーちゃんだろうがどっちでもいいわ。幸せなら金を恵んでくれるよな」


下種な顔の男、通称下種男がそう言うともう二人仲間らしい奴がやってくる。

下種男が増えた。


「いやだな。頑張って働け。将来はヒモにでもなるつもりかその顔で」

「な、なんだと」


下種男が切れた。


「おい、お前ら袋にすっぞ」


そう言うと下種男のチーム『ゲスオーズ』は全員武器を抜く。

シユは繋いだ手を離し構える。

はぁどうしたのかねぇ。


僕の嘆きのポーズを隙だと思ったらしいゲスオーズのリーダーは僕に斬りかかって来た。

が、次の瞬間ゲスオーズのリーダーは光の粒子となり天へと上っていった。


状況を把握できないゲスオーズメンバーの二人はあきらかに動揺している。


「ほら、戦場でボケッとしないのボケッとしてたらこんな風に斬られちゃうよ。」


僕はゲスオーズの一人に近づいて、いつの間にか抜いた刀で斬りつける。

すると、一人は光の粒子となってリーダーの元へと向かった。

残った一人はシユに仕留められ二人の元を追っていった。

強かったんだな、シユって始めて知ったよ。


さてここらで、僕がゲスオーズのリーダに何をしたか話そう。

まず、シユとの手を解き僕はわざとらしく隙を作った。

すると案の定ホイホイとリーダーは乗ってきたので刀をすばやく抜きその勢いを殺さないまま相手の首を斬ったのだ。

まぁわかる人も要るだろうが、この技は一般的に居合い術や抜刀術とか呼ばれている。

そう言うわけで首を切られたリーダーはHPが0になり天へと召されたのだった。


「なぁシユ、じゃれてくるのは嬉しいけど時と場合を考えようね。あんなのに頻繁に絡まれたくないし」

「そうですね。仕方ありません諦めます」


シユは悲しそうな顔をしている。

やめてくれ、罪悪感が


「さっさと拠点作るからそこでならじゃれていいよ」


なかば、自暴自棄である。


「わかりました。早く拠点を作りましょう」


シユは満面の笑みで僕の手をぐいぐい引っ張っていく。

あれ、僕は手をつなぐだけでまだ緊張するのにシユはもう慣れたようだ。

もしかして僕より大人なのか。

そんな事実、知りたくなかった。


「着きましたよ」


おぉ、これはすごい。

シユに連れて来られた場所はレンガ造りの建物が並んだ町だった。

早く入って観光したい。


「ちょっと待ってください」


町に入ろうとすると町の入り口に立ってた兵士に呼び止められた。

ごめん居たのに気づかなかった。

えっと・・・これどうしたらいいの。

困ったのでシユを見ると何処からか一枚の手紙を取り出し兵士に渡す。

兵士はそれを慣れたように開き読み始める。


そして、最後まで読みきったのだろう手紙からこちらの方を向く。


「通ってもらって結構です。ようこそ始まりの町イースへ」

「ありがとう」


お礼を言い町へと入っていく。

もちろん、手はシユから強要されたので繋ぎなおした。

あまり意識しないようにしておこう。


それにしても、なんだったんだろうあの手紙。

あとでシユに聞いてみよ。

甘い、甘すぎる気がつけば押せ押せと頑張ってるシユに押され気味のレイくんなのでした

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