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プロローグ
とある八畳程ある事務所の一室に電子音が鳴り響く。電話の呼び出し音だ。
オフィスデスクに腰掛けて黒いスーツに身を包んだ女性が一驚する。極稀にしか呼び出しが掛からない電話に喫驚したのだ。
パソコンで動画サイトを閲覧していたので一時停止する。
そして受話器を取り対応した。
「はいこちら恋愛相談室の『Loveless』です」
しかし電話相手は何も言わない。小さく気息する音だけが聞き取れる。
「…もしもし?」
女性はイタ電かな?と考慮しつつ声を掛ける。
そして少しの沈黙が流れた後若い女性の声で、
「…殺したい程好きな人がいるんですが、どうしたらいいですか?」
その声音は悲哀と慈愛が折り混ざった印象を女性に与える。
「…えっと~」
また面倒な依頼が来たと女性は嘆息した。