よくあるIF話
異世界のミコ様とその妹結子がよくあるIF話に挑みます。
【if:乙女ゲームの世界に行ったら】
「・・・ほお。このわたしがゲーム世界ヒエラルキーナンバー1であるヒロイン、だと?そうなると神様はお助け妖精的な位置づけになるんだろうか。」
そういった女子高生服姿のミコの背後から声が聞える。振り返ると
「うわっ、ありえない色彩。ああ、貴女は姉さんBといった所ですか。カラーリングが違いますからね。しっかしよりにもよって姉さんデザインでヒロインですか。バカですか。神様に天罰喰らいますよ、天罰。」
そう捲くし立てたのは、ミコの記憶にある妹によく似た顔の、けれど背が高く肩幅も広く、全体的に見るとあれ?男じゃね?といえる人物が居た。要するにミコの妹に似た顔の男が居た。主役とは言え、ミコの視線を辿った文章にするべきではなかった。
「誰?」
ミコは簡潔に聞きたい事だけを口にした。面倒なのと妹に似てるから外面は被らなかったと思われる。
「結・・・雄、です。ってなんだよ、コレ。ユイトかユウキとかあるじゃん。」
「結男の方が男になったと分かりやすくて良いと思うぞ。」
「貴女は姉さん!?そんな事言うのは本物の姉さんしかいない!」
今まで偽の姉だと思っていたらしい結雄は、どこで判断したのかミコに抱きつこうとして避けられた。
「血の繋がっただけの赤の他人の癖に触れるな。」
「ココは感動の再会スチルを作るべき場面でしょう。相変わらず酷い。だがそれでこそ本物。そう、そこなんだよ。僕らまた姉弟なんだよ、しかも攻略対象。」
「なんだと。近親相姦なんて吐き気がするわ。即死滅してくれ、えーとたしか結男。」
ミコは本気で拒絶した。結雄にクリティカルヒット!
「酷いや、姉さん!僕は弟なんだから、男じゃない雄だとすぐに覚えてよ。それより僕だって近親相姦は嫌だよ!気持ち悪いじゃないか、他の見知らぬ女性ならまだしも姉さんと恋愛なんて。」
「見知らぬ女性なら攻略されようとする辺り、常々女でいるのが面倒だと言っていたお前らしいな。ふっ、忍者を呼んで成敗と滅しても良かったが、命は助けてやろう。姉の情けに感謝して、自ら死滅するがよい。」
「へー、忍者が居る乙女ゲームって事はただの学園じゃないのかな。でもお互い学生服着てるし、時代物じゃなさそうだよね。それとも安直にトリップものかな。ところで姉さん、他の攻略相手はどうするの?」
「なんかお前詳しいな。どうするもこうするも無いだろう。リア充とは爆破される運命にある。宇宙人ならロマンくらい感じるかもしれんがトキメキなんて起きんし、起こせん。」
「運命ね、ハイハイ。姉さんがやらないゲームをやるのが妹ってモンなのさ。今は弟だけど。攻略しないなら友情エンドでも目指そうか。家族愛エンドなら協力してもいいよ。」
結雄のツンデレ?にミコの好感度が上がった。多分。
「神様、飽きたからってナレーションを適当に済ますのはやめてください。」
※以上、神様人称でお送りしました※
※まだ続く※
「まだ続くのか。神様も飽きてるし、乙女とやらも飽きんだろ。こんなクソゲーやめようぜ。」
「甘いよ、姉さん。まだ攻略対象が僕しか出てないんだよ?乙女達は他の男性見て気に入ればプレイしてくれるさ。そうだ。姉さんとこのマッチョな団長とか人気あるんでしょ。彼なら風紀委員とかなってそうだな。遅刻したヒロインをその逞しい肉体を駆使して阻止するとかありそうじゃない?」
「そんな出会いでトキメいて堪るか。・・・クソッ。マッチョ教め、こんなトコまで手を伸ばしやがって。ギリギリ。」
「マッチョ教って何?もうヒロインが無表情でギリギリしないでよ、怖いから。とりあえずは寡黙ヒロインで押し通そう。人称も3人称にしないとマズいな。」
「マズくは無いだろう。軽妙でウィットに飛んだナレーションかましてやるぞ。」
「だからダメなんじゃないか。乙女要素ゼロな姉さんじゃ、プレイヤーは感情移入できないでしょ。」
「手厳しいな、元妹よ。だがわたしとて、かつて乙女ゲープロデュースを妄想した人間。やればできる、やればできるぞ。」
「妄想ね、ハイハイ。3人称で決まりね。団長とか言ったけど、どうせなら攻略キャラはこっちから出した方が面白そうだよね。」
「なんだ。そっちは俺様、エリート、インテリ眼鏡と王道が揃っているのか?」
「まあ、確かに王道イケメンも重要だけどさ。今、世間が求めているのはヤンデレなんだよ。」
「ヤンデレ?ツンデレの親戚か?しかしわたしはツンデレは二次元ですら許せんからなぁ。見つけ次第、あの禿げる呪いをかけようと思う。」
「おじさんが禿げたのは遺伝だから。1本残ったのは救いだから。じゃなくて、ヤンデレは愛するが故に病んでしまう事。狂ったイケメンが人気なんだ。」
「狂う?デレはどこ行った、デレは。ヨシ、それならば対処しようがあるな。狂わせて、端から病院に押し込めばいい。」
「ならハッピーエンドを目指そうよ。狂わせて病院目指すヒロインなんて、新し過ぎるよ。」
「いいじゃないか、新ジャンル。そうだな、どうせなら新ジャンルを目指そう。乙女ゲー世界ヒエラルキーナンバー1たるわたしなのだ。それ位しなくてはならんだろう。適当に頑張ろう。」
「・・・うん、頑張ろう姉さん。」
※もう続けられない※
【結論:ミコ様をヒロインにするのは無謀】
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
【if:ミコ様が結子と一緒に聖女召還の世界へ行ってたら】
召還直後、異世界人達に囲まれた日本人達。聖女の通訳でここが異世界である事が判明した。
「姉さん、どうしよう。帰れないらしいよ。言葉も通じないし、聖女だって。プププ。」
「プークスクス、してる場合か。せっかく宇宙のロマンを期待したのに。キャトルミーティレーションでないなら早急に帰らしてもらおう。」
「仕方ないなぁ。姉さん居るならどっかにおっさんが居る筈だから、それ見つけて帰らしてもらおうよ。」
そう言って結子は呆然としている日本人達にニッコリと笑った。
「帰りたい人は大人しく着いて来てくださいね。」
「姉さんは異世界人達に話着けて、どうせこん中に信者が混ざってるんでしょ。」
姉に結子がそう言うと、日本人の中から数人がすくっと立ち上がった。囲んでいた異世界騎士らしき集団へ猛然と立ち向かい沈めていく。
「なんだあれ。強いな信者とやらは。それにしてもお前詳しいな、流石元神童。」
「だからあれが姉さんの信者なんだってば。神童って何時までそのネタ引っ張るの?まあいいや。昔、色々あって調べたんだよ。それより彼らがボコってる内に行こうか。」
こうして団長が呆然と見守る中、信者により神殿騎士は全滅。
結子と姉、姉信者(護含む)率いる日本人達はおっさんを探し出し、無事日本に帰ったのであった。
めでたしめでたし。
「姉さん達が集団神隠しにあったけど、即効戻ってきた。」
「あー、ニュースにあったヤツ?続報じゃ詳細伏せられてたけど、無事だったんだ。良かったね。」
「爺さん張り切ってたから。このまま曖昧に解明されずってトコだろうな。」
とある弟の言葉に、省は疲れた顔で頷いた。
帰還した兄達の暴走を止めようと、家族総出で奔走した為寝不足なのだ。過去の文献にあるように、異世界帰還後の守護者は主から離れようとはしない。
どうせなら個別に呼んでくれればいいのに、そう省は思った。
※姉が居ると元人格が安定し神童発動な結子。武力は信者+守護者で賄う。
聖女が必要な異世界事情なんて(゜ε゜)キニシナイ!!と追っ手を払いのけるが、むしろミコ様の信者対守護者・護の争いの方が過激。広瀬はちゃっかり結子の隣を確保。広瀬にとっては幸福なパターン。
【結論:全員無事で帰還。多分この後ミコ様の神様に女神がボコられ日本人の召還はなくなる】
コメディって難しい。
肉まん食べてから、いや口はピザまんの味を求めてたって気付いてクソーとなって、乙女ゲーに行ったミコ様ってのもアリだなって思いついてしまい、それなら結子は弟で攻略キャラだなってのが沸いて、ヨシヨシと書いてみたらこんなことに。でもミコ様だし仕方ない。