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某月某日 道に迷いました

 昨夜遅く、出かける用事ができまして。

 言葉のおぼつかぬ小僧とふたり、小雨の中、車で出かけたのですが。

 途中から住宅地の中を通り抜け、山沿いの道からぐいと右折して一気に丘を駆けあがり、丘の上にある目的地までほぼ一直線、という時、

 気がついたら、早く曲がり過ぎ、住宅地内の狭い路地をうろついてしまいました。

 こういう団地になった場所というのは、防犯上の理由か何かよう分かりませんが、やたら小路が入り組んでいて、突然行き止まりになっていたり、ぐるりと元の場所に戻ってしまったり、と非常にタチが悪い。

 しかも、雨の中、路面がテラテラと光ってしまって道もロクに見えはしない。

 そんな時、目的の建物は少し目線の端、丘の上に煌々と輝きながらそびえ立っているのが見えたりして。ナマイキに。

 ぐるぐると同じような場所を経巡って、かなり道に迷いながらようやく元の道にまで戻ることができました。

 小僧からも「えらい!」と褒められたりして。しかしその時にはかなり、冷や汗かいてましたが。


 道に迷う、ということはよくあるのですが、道に迷ったということに底知れぬ恐ろしさを感じる時が、たまにありまして。

 昨夜の小雨の中での出来事も、全く知らない場所ではなかったものの、かなりひやりと底知れぬ冷たさを感じた瞬間でしたが。

 なんか、ヤバイ所に入り込んでしまったなあ、抜けられなくなる一歩手前だったなあ、と。


 こんな体験は遡ること、数年前真夏のある昼下がり。

 やはり子連れで山道を走っていた時のこと。

 山向うの川に水あそびに行こうとしていたのです。

 その山道はふたつの部落をつなぐ県道で、いつも通り慣れている場所のはずでしたのに、ふっと意識が飛んだその目の前にY字の分かれ道。覆いかぶさる草のせいかなぜか自然に右に入り、しばらく進んだ後に

「……道が違う」

 と気づいたのです。

 というのも、路面がみるみるうちに荒れ、しまいには舗装のほとんどがはがれ崩れているまでに。

 いくら草のせいにしろ、そちらに曲がって入ってくること自体考えもしておらず、脇の下にいやな汗をかきながら、そのまま100メートル近くバックで戻って行ったのでした。

 

 気づいたら泥沼に落ちんばかりの袋小路、ということもあったり、廃墟のような空き家が目の前のどんづまり、ということも。

 

 疲れている時には道に迷いやすいのは自明の理。

 注意力は散漫だろうし、判断力も鈍ります。

 しかし


 そんな時に「呼ばれてしまったねー」といういい方をよく聞くのですが。


 やだやだ。

 昨夜は何に呼ばれたのやら。


 時々、本当に疲れ果ててしまった時によく見る夢。


 真っ暗な中(そう、夢の中でもまるで何も見えない、真の闇)、なぜか猛スピードで車を走らせている。

 ハンドルをぐいぐいと切りまくり、アクセル全開。

 どこに突っ込んでしまうのか、どこまで行ってしまうのか全く制御がきかない、という、漠然としながらも妙にリアルな夢なんですが。


 実際には、そんな運転にならないように重々気をつけたいものです。

 呼ばれてはっと気づく程度で、何とか無事に過ごしたいなあ、と。


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