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某月某日 命にかかわる五秒前

 気象庁の新しい警報システムが運用されて、これを書いている現在、

台風の接近にともない、気象特別警報が発表されておりまんがな。


「特別警報」が発表されたら、ただちに命を守る行動をとってください。


 と、気象庁も言ってるし。


 外は風雨激しく、仕事以外で出かけた者以外の家人どもはひっそりと雨戸をたてた家の中で丸まっております。


 外を走る車もほとんどない、というかわざわざ窓の外を眺めていないのでよう分からんが確かに人通りは皆無に近い。


 人間、それなりに危険を避けようと本能が働いているのでしょうね。

 それでも人的なものも含め、災害が起こる度に被害は後を絶ちません。


 オイラなどは、根っから臆病なワリにおっちょこちょい、そしてつい無謀なことをしてしまうツマラン性格のせいで、今まで何度も命にかかわりそうな出来事に遭遇しております、恥ずかしながら。


 若い時分には非常に阿呆な趣味があって、台風接近中の太平洋に荒波を見に行く、というのが大好きな時期もありました。


 一度、台風のさなかに友達と海まで出かけていったことがありましたな。

 そしてどう魔がさしたのかそんな中を沖に伸びる堤防をずっと歩いていって、膝下くらいの『高波』に攫われ、気づいたら浜に打ち上げられていた、ということが。

 一緒に歩いていた友人もすぐ近くに打ち上げられ、2人でバカ笑いが止まらず、ずぶぬれのまままた車で帰って行きました。ばかですね。


 危機は自然災害だけではないですわな。


 大都会のマンションで、玄関のキ―を外につけっぱなしで一晩過ごしてしまったということも何度か。

 近くの路地には『●●2丁目のパチンコ店で夫婦が殺害されていた事件の目撃者を捜しています』という看板があって、自分も気をつけねば、と思っていたにも関わらず。


 原付に乗っていた頃は、事故も何度か。

 意識がなく運ばれた事も一度。


 そしてキワメツキは、スケート場で転倒して後頭部強打。

 この時も意識がなくなってしまった自分。自宅から離れていたということもあり、見ず知らずの場所で救急車搬送という、今思えばかなりこっぱずかしい状況でした。


 思うに、人生の長いのか短いのか分からない期間には必ずや何度か、「命にかかわる」状況というのはあるはずなんですよね。

 運命を司るコントロールセンターというものがあるのだとしたら、そこではかの人に向けて少し前から『特別警報』を出してくれているのだと思うのですが。

 それは本当に自分でも気づかないような、例えば駅のホームですれ違おうとしている人間が実は自分の方に急に不条理とも言える殺意を抱き、懐のサバイバルナイフをぐっと構えなおしたりした時とか。

 しかし何かの事情で、例えば急激な尿意に負けて、ソイツが殺害を諦めてトイレに駆けて行った、とか。


 そうして自分もこんな徒然(つれづれ)ごとを呑気に書いていられるわけです。

 今、頭上を渦を巻く脅威が通過中にもかかわらず。


 皆さまの強運も、いつまでも続きますように。

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