某月某日 キケンヨチなトレーニング研修
昨日、数合わせに、と頼まれて自治体とある連合会の総会と研修会に参加。
地域の小学生らの活動を支援する団体で、毎年総会の後にKYT研修会というのをやる、らしい。へー何それ、と聞くと
「キケンヨチトレーニング」だと。なぜ前半が日本語で後半英語なのか、細かい突っ込みどころは置いといて、内容説明を受ける。
一枚絵になったイラストに複数の人(今回は子どもら)が何かをしているのが描かれている。
その子たちにどんな危険が考えられるか、どう対処したらいいか、どう防ぐか、ということを10名程度のグループで話し合い、後の全体会で発表する、とのこと。
手順は、まず危険の発見、その中でも重要なものを抜粋、次にそれに対し具体的対策を立て、最後にみんなで実行する行動目標を決める、と。
面白いのは、最後にその10名が左手の親指をたててグーにして、左の人の親指を握っていってぐるりと輪になる、そしてリーダーが行動目標「●●を◎◎して××しよう」を唱え全員が復唱、それからまん中に向かって右手の人差指を突き出しながら「よし」と〆る。
ちょっと宗教みたいで、面白いよね。
グループの話し合いに移る。リーダーは爽やかな体育会系のオッサンが引き受けてくれた。あとはみな女子(一応そう言わせてくれ)。
問題点を出しあっているうちに、講師の先生が回ってきて一言。
「具体的にどう危険があるのかも、出してくださいね」
つまり、何かが落ちてきてケガする、だけでは駄目、
「何かが落ちてきて頭に当たり、頭蓋骨骨折で重傷を負う」とか、そこまで求めているらしい。
悪魔だ。
それからグループ内で「切り傷」だの「骨折」だの「足の指が潰れる」だの、およそ教育的現場には相応しくない会話が飛び交う。
いざ発表になった時。
他のグループが次々と発表する中、講師は淡々と
「とてもよかったです。ただ、その場合どんな危険に陥るか具体的な説明が欲しいですね、例えば深みにはまる、だけでなく溺死、とか」
やはり悪魔らしい講評を加えている。
いよいよ我がグループの番。
爽やか体育会系リーダー、よく響く声でにこやかに、イラストボードを前に説明をする。
「AくんとBくん、テーブルに手を挟み指を骨折、落ちた台で足指の骨折、Cくん、運んでいたテーブルの脚が折れてつんのめり腹を打撲、落ちていた荷物にひっかかり転んで頭を強打、打撲……」
皆で親指を握り合い輪になって行動目標を唱和して、「よし!」と叫んで終了。
我々のリーダーに向かい講師の先生がにっこりと一言。
「とても具体的で、非常によかったですね」
かなり刺激に満ちた研修でしたわ。
子どもたちよ、強くたくましく育っておくれ。