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澪の使命<2>
「雪村家は他の名家とは違い、四百年以上ほど前からありました。他に兄弟はいないので、冬花が二十代目。それだけならば、何も問題はなかったのです。ですが…彼女にはある力があるのです」
「力?」
力っていったい…?
「はい。冬花は右手の中指に指輪をしているのをご存知ですよね?あれは霊指輸といいます。冬花はあの中に悪霊を入れ、悪い念を浄化させ、成仏させることができるのです。ですが、これは代々受け継がれてきたものですが、触れることができたのは初代と…冬花だけなのです」
初代と…冬花だけ?
それに、悪霊…。
じゃあ…つまり冬花も霊が見える…。
「冬花はその使い方は知っています。ですが悪霊は、そのまま放置しておくと妖に変化するのです。もともといる妖は善…良いものです。悪霊が変化したものは悪…祓わねばならない。冬花はその区別がまだつかず…私は冬花を守るために彼女から離れたのです」
そんな…。