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澪の使命<1>
―――――10分後―――――
―――――ガラッ
「やっと…来たわね…」
常盤澪が教室に入ってきた。
「…いったい、何のおつもりですか?こんな手紙まで用意して…」
常盤くんは、そう言って手紙を出した。
そこには『放課後、誰もいなくなったら私の教室に来て。ききたいことがある』と書いてあった。
私の書いた手紙ね。
「常盤くん…なぜ?…なぜ冬花から離れていったの。何か理由があるのでしょう?」
「…」
常盤くんがそっけない態度をとり始めたのは突然。
でも、いつごろかは覚えてる。
中学の時、私と冬花が仲良くなって数日後。
偶然なのかそれとも私の思い過ごしなだけなのか、あるいは…。
「答えて。どうなの?私のただの思い過ごし?もし、私の思い過ごしじゃなくて、冬花に何か起きようとしているのなら…教えて。…冬花が大切ならすべて」
「…」
やっぱり…私のただの思い過ごし?
冬花に何か起きないのならうれしいこと。
だけれど…だったら…
そう思ったその時―――――・・・・・
「…実は、本人は知りませんが、冬花様…冬花は狙われているのです。秘密組織に」
狙われて…いる?