7話
核のところまで来たけど、これ核のどの位置とかはないんだよね?
どこでも良いんだよね?
みっちゃんたち来てないし、一発勝負だしもっとちゃんと聞いていれば良かった。
「大丈夫。みっちゃんができるって言った事はできるから」
「そうだね」
持っている棒を握りしめる。智力を棒に貯めるのと同じ要領で魔力を入れる。
「キュミン」
「うん」
「「せーの」」
掛け声に合わせて同時に棒を核に突き刺した。
「えっ⁉︎失敗?」
突き刺した棒から広がるようにヒビが入る。
パラパラと核が砕けていく。
「成功だ。エミー」
「幻術回想魔法と創造魔法でしょ」
「現実改変魔法。何回間違えるんだ?」
核の破片が空中で止まる。まるでこの場の時間が止まってしまっているかのようだった。
ふんわりとした光がみっちゃんの周りに広がっている。
「んっと、核は初めから精霊だった。だったよね?」
「ああ。エミー、創造魔法よりあれの応用でやった方が良いかもしれない」
「うん。精霊さんが住みやすい場所にして、この場所限定になっちゃうけど虹のこの海を統べる力を安定させる」
初めて会った時、突き放そうとしていたのはその力が原因だったんだ。一緒にいてもそんなものがあるなんて分からなかった。
分かっていれば、もっと早くに一緒にいるって決意をしてくれたのかな。
「イオジュ、ごめんね。今が変わるわけじゃないし、影は虹にとって特別な存在だから絶対に一緒にいられる未来になるよ。でも、二人だけっていうのは叶えられないから」
みっちゃんのその言葉は、ボクたちにとって喜ばしい事だった。だから、謝る必要なんてない。
でも、海とキュミンが救われた瞬間みっちゃんたちは姿を消した。もう、この海にはいないのだろう。
そして、この日を境にこの場所は変わった。




