5話
この海の核。この海の始まりの場所。
巨大なキューブが球体の中に入っている。これは、何かの機会なのだろうか。
「キィミン!」
「イオジュ?どうして」
「キュミンを連れ戻しに来た。キュミンが犠牲にならなくて良い方法があるんだ!」
「そんな方法あるわけないよ」
「あるよ!みっちゃんがそう言っていたんだ!」
「みっちゃんが?どうするの?」
そういえば方法は何も聞いていない。
「それは聞いていないけど、準備をしているって。一時間くらいかかるらしい」
「そうなんだ。暇だね」
「……キュミン、伝えたい事がある」
いざ伝えようとすると、緊張する。
でも、ここで言わないと後悔する。
「初めて会った時は虹って事があってあまり良い感情は持たなかった。でも、数日だったけど一緒にいて話して普通の可愛い女の子なんだって気づいた」
キュミンはこの結果がどうであれボクを他の影たちのところへ行かせようとしているはずだ。
だから、今言う必要がある。
あの言葉を
「キュミン、ボクはキュミンの事が、す、好きなんだ!」
言えた。キュミンはどんな反応をしている?
「えっ、あっ、えぇっ」
顔を真っ赤にして驚いている。
「えっ、えっと、み、みんも、好き。みんとここまで一緒にいてくれたのはイオジュだけ。これからもイオジュが良いなら一緒にいたい」
「あ、ありがとう。ボクも一緒にいたい。そのためにも、この海を守らないと」
「そうだね。イオジュと一緒にいれる形で」
二人で一緒にいる未来のため、みっちゃんたちのやろうとしている事を成功させないと。




