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なで肩持ちの苦悩

私は、なで肩である。

なで肩とは、鎖骨が床に対して外下りになっている状態のこと。また、鎖骨の外側が下がっている場合、鎖骨と接している肩甲骨も同時に下がることになるので、

『なで肩=肩甲骨が下方回旋している』

ということになるらしい。下方回旋という言葉だけ聞くと、

(なで肩って、危険なやつなんじゃないか)

と思ってしまうが、死ぬようなことではないので、大丈夫だ。

なで肩にはメリット、デメリットが幾つかあるが、今回はデメリットの方に焦点を当ててみたいと思う。

私が思う、なで肩のデメリットは大きく分けて二つある。


一つ目は、リュックや鞄が肩からずり落ちる、ということだ。これはバスの中や、満員電車の時によく起こる。

実際に例を挙げてみよう。私が高校から帰る時間、午後五時くらいの駅行きのバスは、座れない程混んでいる。今まで一年近くバスに乗ってきたが、座れた回数は、両手で数えることができるくらいしかない。

ある日、いつも通りバスが混んでいて、奥の方まで人が入らないと、乗れない人がいるほどだった。私は人の波に押されるがまま、奥まで行った。この時、リュックは前に抱えている。そして奥に行って、手すりを掴んだ。しばらくすると、リュックが肩からずり落ち、肘のところまできた。

肩にかけ直そうとしたが、リュックが重い。そこで、膝を使ってかけ直そうとする。

だが、とても混雑している車内の中で膝を使おうとすると、前に座っている人に膝蹴りをお見舞いしてしまいそうになる。ギリギリ膝を曲げてもが当たらない距離に私がいたので、膝を使った。

今度は、肩からずり落ちないよう、手すりを掴む手を少し上にする。そうすると、掴んでいない方の肩が下がり、そっちの肩がずり落ちる。

かと言って、両手で手すりの上の方を掴もうとするのも辛い。何度も膝を使ってかけ直すのも、膝を上げることすら辛い。いっそ諦めると、肘の方に完全にずり落ち、重いリュックを己の肘だけで支えることになる。何という負のループだろう。

この現象は何度も起こり、満員電車内でも起こった。

(肩掛けのショルダーバッグにすればいいじゃん)

と思うかもしれない。私も、高校入学前はそう思った。

だが、ショルダーバッグにすると、中に入れる量が少なくなる。諦め。なんなら、肩がけのショルダーバッグもずり落ちる。

しかも、ずり落ちないようにと無意識に肩に力を入れると、それも肩こりの原因になってしまう。もうどうすればいいのか分からない。このままだと、無意識のうちに肘が鍛えられ、肘に筋肉がついてしまうではないか。


一つ目が長くなってしまったが、二つ目は肩こりになりやすい、ということだ。

これは、なで肩持ちの人ならヘッドバンキングするほど、首を縦に振ってくれるだろう。

実際、私は、ものすごい肩こりに悩まされている。色々な原因があるかもしれないが、自分がなで肩持ちというのが、大きな原因だと思っている。

テスト期間などに限って、肩こりがひどくなる。肩を回すと、ボキボキと音がする。やばいやばい。見かねた母が、肩のマッサージをしてくれると、

「肩に岩、背負ってる?」

と言われる。まず大前提に、指が入らないらしい。最近は自分の肩が凝りすぎて、痛みすら感じないようになってきた。母も、何とか指が入るまで頑張ってくれるのだが、自分でもほぐされているのかよく分からない。よく分からないまま、母による施術が終了となる。

いつか、全身揉みほぐしというものに行って、肩こりを少しでも解消したい。プロなら、私の肩でもほぐしてくれるのか、それともプロでも無理なのか。


こうしてみると、なで肩にはデメリットしかないように思われるが、メリットも多少はあるらしい。

まずは、急に切りかかられた時に身をかわしやすい、ということだ。かわしやすいということから、江戸時代の武士などの間では、なで肩は武術向きとされていたようだ。だが、それは昔の話である。

現代社会の中でのメリットは、満員電車で場所を取らないことと、駅構内などの混み合った場所で人をかわしやすいこと。

私はよく、人と呼吸が合わない。だが、ぶつかったことはほとんどない。ぶつかる時は、真正面からぶつかり、肩が当たることはほとんどないのである。

また、なで肩は肩幅が狭い場合も多く、肩同士がぶつかって、トラブルになるというリスクを避けられる可能性があるという。なで肩ではない人なら確実に肩がぶつかってしまいそうな距離にヤンキーが歩いていても、なで肩の人なら避けられてガンをつけられる可能性が低くなるのだ。ラッキーだと思おう。

もう一つは、この前お花見に行った時にわかったことだ。肩に桜の花びらが一枚も付かない。弟や母は、何枚か肩に付いていたのだが、私は一枚も付いていなかった。これはメリットと言っていいのかわからないが。


最大のメリットと言っても良い、なで肩側の強い仲間がいる。嵐の櫻井翔君である。他にも、芸能人にはたくさんのなで肩仲間がいるが、彼の名前を出したら、

(なで肩でもいっか)

と思える。私も今まで、なで肩の多くのデメリットに直面してきたが、

(櫻井君もおんなじ思いをしてるんだ…!)

と思うようにしてきた。

私は櫻井翔君のファンなので、櫻井君と共通の体の一部を持っているというのはとても誇らしい。

2作目です。どうやったら読みやすいか……試行錯誤しながら投稿しています。

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