表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

黄の節・森の中のドッグファイト

 ヴェーメで森の中に入った二人は樹木や枝をかいくぐりながら先へ先へと進んで行った。

 二人のヴェーメの操縦技術はほぼ伯仲していると言っていいだろうが……


「流石四つ葉の姐ちゃんだな……。だが……、真のヴェーメの扱い方を見せてやるぜ!ELウェポン、『エアロブレード』!!」


 フレンの掛け声と共に、彼の騎乗するヴェーメの両翼から緑色の刃が展開された。

 フレンのヴェーメがエルフェミスのヴェーメをつけはなすと同時に脇の樹木を切り倒し、切り倒された樹木がエルフェミスのヴェーメに襲い掛かった。


(!!)


 エルフェミスはヴェーメを上昇させる形で辛うじて回避した。


「フレン!卑怯にも程があるわ!」


 フレンが仕掛けた妨害にエルフェミスは憤慨した。


「卑怯!?そんなもん弱者の戯言に過ぎねえんだよ!俺のやり方を卑怯とそしんなら、その卑怯とするやり方に打ち勝てばいいだろ!ま、その頃には卑怯もへったくれもなくなってるがな!つまり、『卑怯』なんて言葉は最初から存在しやしないって事さ!それに、俺はあくまで『上空へ出たら反則負け』と言ったが、それ以外の事は言ってねえぜ!俺の言葉を鵜呑みにした姐ちゃんがいけねえんだよ!この期に及んで人のせいにするたぁ、AU(英雄)の風上にもおけねえな!四つ葉の姐ちゃんよぉ!」

「!……正々堂々と勝負しないあなたに言われる筋合いはないわ!」


 フレンの主張とエルフェミスの主張がぶつかり合った。

 エルフェミスのヴェーメは絶えず倒れて来る樹木をかいくぐるも、別の樹木に衝突してしまった。


「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 エルフェミスはヴェーメから投げ出され、巨大な蜘蛛の巣に巻き付かれてしまった。


「ああ……、死ぬかと思ったわ……。!……何これ……。」


 エルフェミスは蜘蛛の巣に巻き付かれて身動きが取れなくなった。

 更に悪い事に一体の巨大な漆黒の蜘蛛が彼女に迫って来た。


(!!……『ダイオウグモ』……!……という事はここはまさか……、『アヤカシの森』って事……!?)


 エルフェミスはダイオウグモの存在から自分がアヤカシの森にいる事がわかった。



アヤカシの森……グルンガルドの森林地帯の一つで、アヤカシ達が多く生息するだけあって、BE(ブラックエレメント)濃度が高く、他の森に比べて禍々しい雰囲気だ。その為、管轄である四つ葉の騎士団から立ち入りが規制されている。

ダイオウグモ……蜘蛛型アヤカシで自分が張った粘着性の強い糸で侵入者を捕らえては喰らう。その為、各ガルドの国境なき騎士団では駆除の対象となっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ