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放逐女性達の旅人日記  作者: 霜月 睦月
第五章 ヘンリクセン王国 宝石の行方編
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ヘンリクセン王国 宝石の行方編10

「3200!3200は………。いらっしゃいませんね!?では、3200をあげた、500番さんがクヌートをお買い上げとなりました、おめでとうございます」


 無事2つ、欲しい物が手に入り安堵のため息をつく私達。いやだってそら、ねえ。割とせっていたから変えないかもしれないとは思ったものよ。まあ、無事買えたわけで杞憂だったんだけれども。

 ふぅー、と大きくため息を付いたロマーナの肩を叩いて。


「お疲れ様。いやあ、なんとか、なったな」

「ほんとじゃよ。正直諦めてやろうかとも思ったのじゃ」

「そこまで追い詰められてたの?」

「そうじゃな。初めから参加してたら、多分クヌートは手に入らなかったじゃろ」


 にへ、と笑いながらそういったロマーナ。いやはや、笑うと可愛いんだな、と思いながらも。いや、笑顔が可愛くない人なんてそうそう居ないか。少なくとも私は見たことがない。まあ、私がそんなに人と絡まないっていうのもあるんだろうけれど、それはそれ、これはこれであるとは思う。

 私が肩を叩いたのを見て、ルネもロマーナの右腕に、ビーチェは左腕に抱きついた。なるほど、そういう愛情表現が。いや、羨ましくなんかはない、ないぞ。…・嘘です。少しだけ、羨ましいです。


「まあ、これはこれで動きにくいんじゃがな」

「心読まないで。…じゃあ、私は商人に連絡入れておくから」

「そうじゃな。多分受け取りに来るんじゃろ?」

「そうだね、流石に運送はこわいからな」

「あー。私達みたいに信用があるわけじゃないからね」

「商人なら信用のあるルートありそう、だけどね」

「……もってるかもしれないし、もってないかもしれない。ぜったいはない、です」

「ビーチェが言うと重いなあ」


ビーチェが私をまじまじと見ながらそんなものを言ったもんだから、私はそう言ってビーチェをなでてやった。ビーチェが言うと割と重くなるからね、こういう話題。多分、ビーチェを元々売ろうとしていた商人だって、信用のあるルートを使って売ろうとしてたかもしれないし。ロマーナだって、その商人にとって信用のある人間だったんだろうし。

まあ、人生一体何があるかわからない、って話だよね。

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