船の上 合間の話編6
さて、そろそろ次の目的地が見えてくる。ストローボス大陸にある、ヘンリクセン王国。
ここは私とルネは新興国、であることぐらいしか知らない。後は、マカーリオ帝国についで割と温泉大国、であるのはぐらいか。
実際問題、温泉大国じゃないところはそんなに温泉に入らないのか、と言われてしまえばそんなことはないのだが、香水で臭いをごまかしたり、シャワーだけでということもある。現に私達の母国であるフォートリエ王国はサウナとシャワーだけだったりもするからね。
まあ、大国ではないとはいえ、しっかりとした温泉に入りたい時はドノン共和国へ行けばいいのでそんなに困った記憶はない。まあ、行くまで割と時間とお金がかかるからそんな頻繁に入れないのは入れないのだけれども。
「そうじゃなあ、彼らについて一つだけ気をつけてほしいのは、けして彼らの信じている神様を否定しないでほしいのじゃ」
「それはどんなところでも一緒では?」
「戦争の元ですわよね」
「そう、なのか。きをつけないと」
「ビーチェが一番危険そうじゃからな」
むぅ、と言う顔をしたビーチェを優しい笑顔でなでているロマーナ。これはまあ、どんなところでも同じことなのだけれども。政治と宗教とスポーツは決して話題に出してはいけない。一体何がそういうことに繋がるのかわからないし個人同士でも命がけの喧嘩になってしまう可能性だってある。
そういう事はほんと、仲がいい友達同士だけでやるべきだとは思っている。いやまあ、誰に聞かれてるかわからないから小声かしないのがいいのだけれども。実際問題、政治の話で命を散らすことになった人達を私とルネは見ているわけだしね。全員、かはわからないけれどもね。
「……こわいおねえちゃんとだんなさま、そういうことをしゃべっているひとたちがいのちをなくすのをみなれているの?」
「慣れては居ないけれど、まあ見てはいるよ」
「そうじゃなあ。儂もそこまで、は見てないが、まあ、長い人生いきているとの。見てはいるのじゃなあ」
「やっぱり長く生きているのですね?」
「おっと、これ以上は秘密じゃ。乙女に歳の話はいけんのじゃぞ。お姉さんとの約束じゃ」
きゃぴ、とアイドルポーズをとるロマーナ。いやはや、本当に歳の話も割と禁句ではあると思うのである。これは個人同士、だけの話にはなるのだけれど。いくつに見える?なんかも知らないよ、なんて返せば相手が何を思ったかやりに来るかもしれないし、そもそも歳の話は不機嫌になる人だっているわけで。
あと、外見の話もそう。みんな、気をつけるんだよ。…いや私は誰に話をしているんだ。
「………さて、そろそろ客室へ戻って荷物をまとめるかの。次はどんな冒険ができるかのぉ」
「次こそはそんなに命の危険がないやつがいいなあ…」
「そういう仕事を探さないとね」
「う、ん」
そう言って私達は笑い合って、私達の客室へと戻るの、だった。




