船の上 合間の話編1
マカーリオ帝国からヘンリクセン王国へ向かう船の甲板。タバコを吸っていい場所で私はタバコを吸っていると、そこにロマーナがやってきた。
「ヴィーチェは寝たのか」
「そうじゃの。お昼寝タイムじゃ」
「詰め込めすぎなんじゃないか?」
「いや、彼女は物覚えいいからの。儂がそこまで詰め込まなくても、覚えたじゃろ」
そういて、くっくっく、と笑うロマーナ。ヴィーチェというのは、”商品”だった少女の名前である。いや、私達も考えていたのだけれども、見事にオールNGを食らったのでじゃあ、お前がつけろ、って話になった後に、あっさり決まった名前である。
くっそう、私達に人の名前をつける才能はなかったということか。子供とか生まれたらどうしよう、なんて思ったけれど…、いや生まれる可能性はあるか。私達の国ではそういう技術はなかったけれど、そういう技術はあるって話は聞くし。
「そうか。それにしてもヴィーチェもあんたも私達についてくるって決意をしてよかったのか?私達のフォートリエ王国へは入れなくなるんだぞ」
「まあ、儂もあそこにはいい思い出ないからの。…そういえば傭兵としてあそこに雇われたとき、お主いたかの?」
「いなかった気がするな。顔を見ていたら覚えているはずだもの」
「あー、やはりの。…まあ、名前を出したら「あ、その人知ってる」となりそうだから隠しておくが。まあ、立派なヒゲの持ち主だったの」
「あー。先代かな。…ロマーナ、いくつよ?」
「それは内緒じゃ。女の子に歳の話するのは死亡フラグじゃぞ」
「本当にやられそうだから、この話はもうおしまいにしよう。私は勝てない戦闘はしない主義なんだ」
肩をすくめながらそういった私。いや、それはそうである。本当は我が母国を出された時点で命を断つつもりではあったのだけれども、そうもいかなくなったのが事実ではあるのだけれども、母国にいた頃から勝てない戦闘はしていない。勝てると踏んだ時は思いっきりいくけれども。そうでない時はブレーキを踏みまくるのだ。
「まあ、それはそれでいいんじゃがな。そんな考えだと大きなチャンスを逃すぞ?」
「それはほら、ルネを手に入れた時点で大きなチャンスを掴んではいるから」
「まあ、それは、確かにあるかもしれんが。………羨ましいの」
「だろうだろう」
なんとなく勝ち誇る私。いやほら、ロマーナに勝てそうなのが、こういう時でしかなかったので、こういう時にはきちんと勝ち誇っておかないといけないのだ。
「………まあ、事故死にみせて」
「すみませんでした、まだ生きていたいです」
やっぱり勝てなかった。いや、事故死にみせかけて○す発言が飛び出せばすぐ謝るよ。勝ち誇ってやられたらあれなんですよ。




