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放逐女性達の旅人日記  作者: 霜月 睦月
第三章 マカーリオ帝国 運び人編
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マカーリオ帝国 運び人編8

そうして、いざ西へいこう、という日。私達は船に乗っていた。

そしてその船に、まあ、もちろんのこと”商品”の元々の持ち主たちがいた。というか私達以外の客は皆、元々の持ち主の手下であった。まあ、どうして頼んできた商人たちの船でいかなかったんだろうか、みたいなアレはあるけれども、彼らは船を持ってはいなかったのである。いやほら、商人の友達の会社の船なんだけど見事に乗っ取られているっていう。

まあ、商人の友達もまた商人だしね、そら、お金を貰えば乗せるし貸し切りにもするよね。


「……………………」

「大丈夫、大丈夫だから」


なんとか彼らから逃げ切り、自分達の部屋に来たは良いけれども、多分機関室の人達とかウェイターとかはは商人の友達の会社の人、…だろうし、そうなると私達の諸々で迷惑を掛けるわけで。死体なんか見せたらほんとあれだから怪我なんかも負わせられないんだけど、どうなんだろう。そんなに大人数で来たあれではないだろうし、やっぱりそういうことだよね?客として入ってる人数しかいないよね?

とはいえ、数百人いるわけで、そこまで倒せる気がしないんだよなあ。


「……こわいヴィヴィおねえちゃん」

「なんだよ」

「わたし、もしかして…」

「ああ、そうだな。おじゃま虫で厄介事で疫病神だよ」

「…じゃあ…」

「だからといって、命を見捨てるなんて私にはできないんだよ」


どんだけあれだろうが、今の状況を理解できてなかろうが、それだけはしちゃいけないとは思っている。戦場、になっているとはいえ、助けられる命は助けたい。手の届く命なら、手を離すほど私は非常じゃない。


「…………””ちゃん」

「なぁに、るねおねえちゃん」

「こうなった時のヴィヴィは本当にすごいから、大丈夫だから。…本当はむちゃしてほしくないけど、ね」

「そうだなあ、この旅に出てから私達、まともに観光できてないなあ」

「それは次の国についてから私達三人で、にしましょ」

「…おねえちゃん、たち…」

「おうおうおう、私が死にそうなフラグを建てるんじゃない」


小説とかだったら間違いなく私はお亡くなりになるパターンだぞ、この流れ。まだ私は生きるぞ。”商品”とルネが笑っている様子を見て、少し安堵はするけれども、そういう時安堵すると間違いなくあれである。やられるパターンである。

こういう時、職業軍人でありたかった感じはするけれど、そうではなかったのである。だからーーーー。


「じゃあ、ちょっと自由に、そして自由にさせてくるわ」

「「いって、らっしゃい…」」


そうして、私はわたしたちの部屋をでた。

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