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放逐女性達の旅人日記  作者: 霜月 睦月
第三章 マカーリオ帝国 運び人編
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マカーリオ帝国 運び人編6

 前回、立ち寄ったフレスコバルディから南に5日行った所、レグロッターリエ州の港町、ザンブロッタ。私達はここで帝国を離れるか、それとも帝国の西側へいくか、という問題にぶつかっていた。というのも、どちらにしろ追手もそれをよんでいるだろうから、どちらにしろ血腥い事になりそうなのだ。

 なぜなら、東のコッラーディ共和国とマカーリオ帝国の国交はあるが、何かと衝突は絶えず、両国の行き来は難しいと言わざるを得ないのである。そもそも、コッラーディ共和国にはいるためには5カ国ぐらい他の国を渡らないといけないわけで。そうやっとけば、パスポートのはんこのページが埋まるので、そうすると入れるようになるということである。直接行けるのは、それぞれの大臣クラスぐらいなものだ。それもめったに無いけれども。

さて、そんなザンブロッタの依頼人の息がかかってるホテルの一室。そこで私達は額を突き合わせて、次に何処へ行くのか、という話をしていた。


「さて、本当にどうするか。ザンブロッタはそんなに広い港町じゃないから、相手さんにバレるのも時間の問題だぞ」

「フレスコバルディのときは1日半だったからもうばれてるんじゃないの?」

「たぶん、ばれてる」

「となると、早々に決めないとまずいだろうなあ。この部屋に入ってくる、ということはないだろうが」

「わからないよ?窓からばーんって」

「縁起でもないことを言うんじゃない」


実際あるかもしれないから、そういう事言うのは本当によしてほしい。ただ、そういう事があってもちゃんと対応できるようにはしているが。早い時期から王宮魔術師をやっていた事は伊達ではないからな。よくあった、とは言わないが、そういう事は想定できるのではある。

私達の大陸にあった三国はそれなりに仲は良かったとはいえ、一枚岩ではなかったのだ。そういうことだってあるよ。まあ、たいてい三国で捜査されてさっさと犯人見つかって、たいてい極刑にあってるけれど。一族郎党で極刑にあっている人達もよく見てた。なんかこう、そういうの見るとすごい切ない気持ちになっていたのは内緒だ。


「でも、そういうのもかんがえておかないと、いけない。わたしたちはとてもきけんないち、にいるのはたしか」

「そう、それはそうなんだけども。……”商品”」

「なに?」

「もし、もしだ。何もなくて、もしこのままこの帝国を出れたら、なにかしたいこととか考えているのか?」

「このていこくをでれたら…」

「そう、出れたら」


そういったルネをじぃ、と見つめる”商品”。なるほど、そういうことか。いやそれはいけない。私の脳が破壊されてしまう。いや、されるようでされないけれど、わからん。長いこといられたら壊れてしまうかもしれない。

…とはいえ、正直、一人で何処かへ放り出すということもできないのは事実であって。さて、どうしたものかなあ。

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