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放逐女性達の旅人日記  作者: 霜月 睦月
第三章 マカーリオ帝国 運び人編
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マカーリオ帝国 運び人編3

 そんなやり取りをした翌日。トラップを回避されつつ来るにしても、追手に追いつかれるのは時間の問題なわけで。まだお眠の目をしているルネを後ろに、まだ寝ている”商品”を最近、買い替えた4人用のサイドカーに乗せ私達はいたところから離れる。


「…まだ眠かったらあれだぞ?サイドカーに乗ってて良いんだぞ?」

「…んー、んー…。大丈夫。30分に一回トラップ作らなきゃいけないんでしょ?それだったら早くいくのもやぶさかではないよ。”商品”ちゃんも起こしたくないからね」

「そうか。まあ、次の街につくまで後ちょっと、だからホテルに早めに入ってゆっくりしてもいいか」

「次の街はお風呂が有名な所なんだっけ?」

「そうらしいな。3日ぐらい広いお風呂に入れてないから、ゆっくりと足を伸ばしたいな」

「そうだねー。ドラム缶風呂も良かったけどね」


 ふふ、と笑いながらそういったルネ。私達にとって幸運だったのは、潜伏に選んだ場所の近くに川とドラム缶があったことである。それさえあれば、お風呂と食事はなんとかなるということである。食べれる魚がいるのはわかっていたからね。釣れない時は持っていた携帯食料だけど、3食携帯食料は飽きるから、釣り頑張ったよ。

 追手が何で、何処までおってきているかはわからないけれど、周り1.5kmほどを気配魔法で察知した所、私達以外の人の気配を感じないから最高2分以内には追いつかないということである。流石にこんなところで速度を出せないだろうから秒で追いつく事はない。瞬間移動系の魔法を使われなければ、の話だけれど。

 私達の顔は知らないだろうけれど、”商品”の顔はばれているだろうから、使おうと思えば使える。…今まで使われた形跡がないあたり、多分使い手はいない。それだけは救いである。


「とはいえ、なあ……」

「どうしたの?」

「いや、瞬間移動系の魔法を使える追手がいないっぽいんだが、アイテムとか使われたら私達には打つ手はないよな、って」

「アイテムとかは魔力感知では捉えられないものねぇ」

「そしたら戦闘になるなあ、相手にどんなのがいるかわからない中で戦闘ほど怖いものはないから」

「無茶、しないでね?」

「…善処する」


 少しだけ声のトーンが暗くなる。善処しても同しようもない時がある。戦闘なんていつもそんなものだ。いや、ほんと。私だってルネを残して死にたくはないが、そうなってしまう時がいつか来てしまうかもしれない。だけど。


「本当に、本当にお願いね?私と”商品”ちゃんを守れるのはヴィヴィしかいないんだから」

「わかっている。………私の手は2つしかないんだけどな?」

「なら、丁度いいじゃない。私と”商品”ちゃんで」

「私の身は?!」

「足かなんかでまもって」


 ふふ、と笑いながらそういったルネ。私は少しふくれっ面をしつつ、運転をして、その場を離れる。途中でトラップを作りながら、私達は次の街へとたどり着くのであった。

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