ドノン共和国 少女の恋編7
「・・・それはわかっております。が、それは、なんか…」
「あ、わかる。なんだろうね、あるよねそういうの」
ルネがそう言って頷く。なんだろう、ルネもそういうのあるのか。そして、そういう人がいたのか、と私はまたモヤモヤ、する。…いや、そういう人を一人、知っている。私ではないことは確かだ。私だったら、こうやって隣にいないわけだから。なんか考えてさらにもやもやする。私の隣にいないルネ、とかあまり考えたくないものである。
…さて、私はこんなにも嫉妬深かったか。いや、むしろルネのことだから、こんなにも嫉妬深くなっているのかもしれない。まあ、だからこそ一緒に逃げ出したわけだ。そら、私のそばにいてほしいって思うのは普通だと思う。
「…そうだね、クロエ、ドミニク。君達ならどうする?」
「私、ですか?私は、そうです…ね。ニナと同じように悩んでから、思い出にして、次のステップへ行くと思います。まあ、ニナのように2年、とか…そんな短くないでしょうけれど。5年ぐらい掛かりそう」
「その間に大分荒んでみたりね」
「ふふ、それはいわないでくださいまし?」
「おお、怖い怖い。…私はそうだなあ。多分、諦めずに、アタックしたと思う。思い出にはできそうにないからね」
「そうですの???その割には私からの」
「わーわーわーわーわーわーわー、そんなことないよぉ」
「そういうことにしておきましょうか」
クロエに少しだけバラされそうになって焦っているドミニク。そして、くすくすと笑うクロエ。まあ、私と同じように惚れてしまったのだろう。そして、中々に勝負へ行けなかった。分かる、分かるぞ、という視線をドミニクにおくる私。なんだか照れくさそうな目線を送ってくるドミニク。
「大丈夫だ、ドミニク」
「そうよ、リーズも同じようなものだし」
「……うん、それは目線で送ってるから」
「そう?なにか自分に良いようにいってない?」
「いや、言っていないよ。…そういえば君の叔母上と姪っ子さんは?」
「あ、私はいますが。…えー、ルイーズ様は」
「…いるよぅ…。まだ若いつもりだったけれどこの、なんとも言えない雰囲気に飲まれてるよぅ…」
まだいじけっぱなしのルイーズとそれを慰めているニナ。まあ、ニナは良いとして、ルイーズ…。いや、確かにこんな雰囲気でいるのは、今、一人でいるエルフにとっては辛いのかもしれない。
さて。
「そのルイーズさんは、なにかアドバイスみたいなのはある?」
「…そうだね。ねえ、ニナ」




