ドノン共和国 少女の恋編6
「…………。本当は、僕も次のステップに進まなきゃなって思っているんです。もう、レオノール様が結婚して3年立つのですし…」
「あ、そうか。もうそんなに立つのか」
「そうですね。まだ先日のことのように思えるけど、そんな立つんですわね…」
少しだけ、寂しそうな顔をして笑ったニナ。なるほど、時たま私達に向けてた、あの寂しそうな顔はこういう事があったのか。うん、たしかに忘れられない人がいると、ああいう場でそういう話をされても寂しそうな笑顔を向けるしかない。とはいえ、そうか。三年。
…いや、私に当てはめた場合、確かに三年では立て直しにくい、とは思ってしまった。次のステップに進むにはもうちょっと時間がかかるかもしれない。それでも進もうと思うニナは立派だと思う。とてもとても立派である。
「ニナさんは、本当にレオノールさん、が好きだったんだね」
「ええ。僕にとって…太陽な人のようでした。いつも明るくて、私の道を照らしてくれて」
「ニナはそれに向かって咲くヒマワリのような存在だったよね」
「ヒマワリ、と言ってもらえて嬉しいけど、そんな大層なものでは」
「…ぴったり、だと思う。ニナさんは、いるだけで皆を明るくするよ」
ヒマワリの花言葉ってとても重いから、それを考えると人に対してヒマワリのような存在っていうのは大分あれなきがするのだけれども、まあ、一応は褒め言葉なのか。他の花に例えるよりはヒマワリに例えたほうがいいのかもしれない。
この辺は私、上手く言えないからあまりこの話は広げられないのだけれども。
「・・・ニナは、レオノール様に告白、とかしようとは思わなかったのですか?」
「告白、ですか?僕が?」
「そうそう、それはドミニクが私にしたように」
「ああ、私もニナとレオノール様と一緒な感じだよね。…確かに私見たくガンガン行けばレオノール様も堕ちたのでは????」
「いえ、それではベケ家に迷惑がかかりますので…」
「…まあ、女性同士で子供作るのもできるっちゃ出来るんだけれどね…」
なんて、ボソリと呟いたルイーズ。いや、まあ、そうだろうなあ。化学か魔術かはわからないけれど、多分出来るのであろう。まあ、だからといってニナが結婚するかどうか、は不明だが。
私だったらするけれども、…いや、もうしているようなものだったりするけれど。ルネが子供欲しいかどうかはよくわからない。




