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初回限定課金ガチャ10連+1回(無料)がオールSSレアだったような感じ


ゲームを初めてインストールしてチュートリアルが終わって最初にすることは大概仲間を集めるために課金ガチャを回すことだけど、しょっぱなから課金させるところはそんなにないと思う。まずは一回、課金ガチャをタダで回してノーマルキャラ数体とレアキャラ1,2体で手持ちのパーティーを結成させて最初の冒険に行かせて素材拾って経験値貯めて最初に出たレアキャラを強化して課金アイテムが貯まったらガチャ回して新しい仲間を呼ぶ。早く新しい仲間を迎えたいときは課金して、新しく入った仲間を強化してまたガチャを回す。


大体この流れだと思うんだけど、これは、なんというか、アレだね。


「ノーマルキャラじゃないよねー…」


この世界の事は何もわからないけど、ドラゴンもフェンリルもレアキャラに分類されるのではないだろうか。


それが5体。さらに可愛い見た目のマスコット的存在が6体。


これが実家のベッドの上でスマホの画面の中であったのなら小躍りしたくなるぐらい浮かれただろうが、訳も分からない世界でいきなり目の前に現れたモンスター。可愛いとか言っている暇などない。


「あー…えっと…」


どうすればいいのだろう。


向こうどうしたらいいのか分からずに固まってるし。


「「「「「「「「「「…」」」」」」」」」」」


「…」


インターネット!インターネットはありますか!!

対人スキルの低い私には対処方法がわかりません!誰かヘルプ!!ヘルプミー!!


「あの、ご主人様」

「はい!?なんでしょうか!?」


現実逃避をしていた私を呼び戻したのは11匹の中で一番大きな黒いドラゴンだ。


その声に思わず背筋を伸ばして姿勢を正す。


「ご主人様。そんなに畏まらなくても…」

「いえ、そんな…」


何故か私がしゃんとすると狼狽える黒いドラゴン。


「我らはご主人様の僕でございます。どうぞ何なりとお申し付けくださいませ。世界征服でもなんでも致しましょう」

「あ、そういうのは間に合っています…」

「では、手始めにここら一帯を焼き払いましょうか?」

「環境破壊は駄目ですよ!?」


話を聞こう!?黒いドラゴンさん。

私はあたふたとしながら今の自分の状況を話す。


気付いたらここに居て、ここがどこなのか、なんでこんなところにいるのか、そもそも君たちが何なのかもわからない。


『女神の卵』もよく分からないうちに光って孵ったし、スキルとかよくわからんものを貰っても使い方がいまいちわからない。


わからない事尽くしの私の話を彼等は静かに聞いていた。


「だから、その…なんというか、ごめんなさい。わからないことだらけでどうしたらいいのか…」


そういう私を静観していた彼等。

その中から1体。

黒ドラゴンよりも小柄な白いドラゴンが一歩前に出てきた。


「ご主人様。ご主人様はこの世界に呼ばれてすぐなのですからわからないことだらけでもいいのです。これから知っていけばよいのです。わたくしたちにも微力ながらお手伝いさせてください」


そう言って再び首を下げる白いドラゴンに習いみんな頭を下げる。


「あ、ありがとうございます。えっと、こちらこそよろしくお願いします」


私が頭を下げれば、彼らは慌てて頭を上げるように言う。


「我らはご主人様の物ですから!畏まらず!普通に、普通に接していただければ幸いですので」


慌てふためく彼らに、なんとなく緊張がほぐれたような気がする。






「ステータスオープン!」


――――――――――――――――――――――――――――

名前:スズネ・ハヤミ(17)

レベル:1

HP:50

MP:100

攻撃力:3

防御力:3

俊敏性:5

スキル:『鑑定』『収納』『魔物使い』

魔法属性:無

契約獣魔:黒竜(1)

     火竜(1)

     風竜(1)

     フェンリル(2)

     ハンターウルフ(4)

     スライム(2)


――――――――――――――――――――――――――――—


白いドラゴンさんに言われ、ステータスオープンと唱えると、目の前に現れた半透明の板が現れた。


そこに並んだ文字の羅列に思わず眉を寄せた。


「ステータスしょぼッ、従魔エグッ…」


これだと自分のレベルが低すぎて従魔使役できないんじゃない?大丈夫なのかな。


この攻撃力とかは初期値なんだろうけど、なんでスキルが3つもあるのだろう。


これこそ異世界転移特典ということか?


「ご主人様は『鑑定』のスキルも持っていらっしゃったでありますか!」

「すごいです!」

「ご主人様、この『収納』とは何でしょうか?」


私の腰ぐらいに頭がある大きさのハンターウルフたちか私のステータスを見て声を上げる。そうすると他の子たちよりも小柄な一頭のハンターウルフが見えないと騒ぐ。


「なにって聞かれても、私もよく分かんない…」


人の言葉をしゃべるだげで見た目は普通の犬(ウルフってことは狼なんだけど、柴っぽいんだよねこの子たち)。


なんとなく他の従魔たちよりもペットぽいのでそこまで気を負わずに済む。


「あの、白いドラゴンさん…」

「なんでしょうか」

「ステータス開けました」

「では、拝見いたします」


キャンキャンと騒ぐハンターウルフたちから離れ、待っていた白いドラゴンさんの所に開いたステータスを見せる。


「ご主人様のステータスは…ふむふむ…『鑑定』とは素晴らしいものを持っていらっしゃいますねっ、と、どうされましたか?」


私のステータスを覗きむ白いドラゴンさんの光の加減で薄緑にも水色にも見える綺麗な鱗を見ていると、不意に、白いドラゴンさんの藍色の瞳が私の方へと向いた。


「あ、えっと…鱗が綺麗だったので、つい…ごめんなさい」

「そんな滅相もない!ご主人様に綺麗だと言ってもらえるとは恐悦至極にございます」

「ご主人様ハンターウルフはー?」

「僕は?かっこいい?」


私が白いドラゴンさんの鱗に見とれていたことを言えば、周りのハンターウルフたちが口々に聞いてくる。


「君たちはどちらかというと可愛いかな」

「ホントー?うれしー!」


一番小さいハンターウルフが全身で喜びを表現する。


他のハンターウルフ3匹もブンブンとしっぽを振っているのでこの答えでよかったのだろう。


「ご主人さまー」

「おみずあったよー」


森の奥からバレーボールのように跳ねながら2匹のスライムが戻ってくる。


「あっちに、おっきいみずたまりあったー」

「おさかなもいたー」

「見てきたか。他の魔物はいなかったか?」

「いなーい」

「なーい」


白いドラゴンさんの質問に2匹はぴょんぴょんと跳ねながら答える。


「そうか。では先にそちらに行きましょうか」

「他のみんなを待ってなくていいの、ですか?」

「大丈夫でしょう。兄様も愚弟も目はいいですし、フェンリルたちも臭いを辿ってすぐに追いついてきますから」

「じゃあ、そっちに行こうかな。スライムさん案内よろしくお願いします」

「まかせるの!」

「の!」


一緒にいるのは案内役のスライム2匹と私の護衛らしいハンターウルフ4匹、あと白いドラゴンさんと私だけで、他の黒いドラゴンさんと赤いドラゴンさんは空へ、大きな狼であるフェンリルさん2匹は森へと偵察に出て行ってまだ帰ってきていないが、彼らは私の居場所がわかるらしいので移動しても大丈夫らしいので、2匹のスライムの案内で私たちは水場へと向かった。





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