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自己紹介

ある程度かけたので投稿します。お久し振りです。

 目覚ましの音が部屋に響き渡る。それを聞いて僕は意識を覚醒させ、もはや反射レベルで起き上がる。小学生からこんな生活を続けていたからか、目覚まし時計が鳴る前に目が覚ますことが最近発生している。


 目覚ましを止めて腕を伸ばしてから、カレンダーを見て僕は呟いた。


「いよいよ高校か……」


 中等部時代以上に騒がしい生活になるのかなと思いながら、しっかりとした足取りで自分の部屋を出た。



 神々の戦争が行われた代償とさえ云われている陸続きの大陸の少ない世界――ケイオス。

 七割海、二割が島という名の国、残り一割が辛うじて大陸と呼ばれる大きさの不可侵領域で構成されているこの世界の、近所の島同士で統一国を作ったフライヤという国の中に存在する、ジョッシュという地域。


 比較的平和なこの地域にいくつかある教育機関の中の一つ、中高一貫校のルートリア学園。僕はその学園に中等部の頃から在籍している。今日からそのまま高等部に進学する。


 っと、初めまして。僕の名前は池田連。12月頃が誕生日で、特技が家事全般。趣味が読書だけという、我ながら悲しい自己紹介だ。

 身長は大体170行かないぐらいで顔は……目に隈が出来ていながらも小動物みたいと友達とかに言われる。それほど目立つ特徴がないと思うんだけど。完全に中肉中背だけど、体脂肪率はそれほどないみたい。握力とかはそれなりにある。

 髪はまぁ、校則に引っかからない程度の長さの黒。とはいっても地毛で金髪とか紫色とかいるから色に関しては緩いんだけど。


 朝5時10分(・・・・・・)

 洗濯機を回した僕はリビングで朝食の準備をする。

 とはいっても前日に仕込んだのを焼いたり煮たりすればいいんだけど。

 今日弁当必要ないからいつも通り早起きする必要なかったなぁとぼんやり考えて準備をいったん止めた僕は、始業式に必要なものの忘れがないか確認しようと思い自室へ戻った。


 ああ、なんでこんな時間に起きてるのか説明しようか。家の家事を一手に引き受けているから。以上。

 うちの両親、生活面がずぼらな代わりに仕事では物凄い有能で、宮野商事という会社の部署別商談成功率はぶっちぎりでトップ。成績が二人でトップを争っているという。

 おかげでそれなりに裕福なんだけど、小学生から家事や家計簿をやらせるぐらいならそこまで優秀じゃなくてもよかったと思う。

 あと、姉さんもいるけど、中学卒業してから『女優になる』って言って家を出た。そして僕が中等部三年の頃にドラマ、映画で次々主演を勝ち取っている新人大女優として帰ってきた。送られてくるDVDとかでしか活躍を知らないのでどれほど有名なのかは友達に訊かないと分からなかったけど、横暴さが変わってなかったのでそこらへんどうでも良かった。というか事務所こっちに出来たから戻って来たみたいなノリだった気がするし。


 まぁ努力して成功したんだから鼻が高いけど。貧血とかで僕が入院している間にと付け加えておく。


「宿題はなかったし、今日はどうせそれほど時間かからないから持ち物少なくていいけど」


 確認を終えた僕は時間を見る。まだそれほど時間が経ってなかった。

 でもやることもないので、洗濯が終わるまでテレビでも見てようかなと算段をつけて再びリビングへ。

 水を飲みながらテレビをつけてニュースを眺めていると、「あ、レン」と声をかけられたのでリビングの入り口に顔を向けて「あ、おはようレミリアさん」とあいさつする。



 レミリアさん。本名レミリア=ジャンヌさんは姉さんと同じ女優であり、姉さん権限でうちに居候している僕と同じ年齢の少女だ。そして魔術師(・・・)である。


 魔術師。ファンタジーでは切っても切れないだろう縁を持つ職業……所属? いやこの場合は分類だろうか。

 ある手順に乗っ取り、魔力と呼ばれるものを消費して発動させることができる――そういう人たちのことを僕達の世界ではそう呼んでいる。だから天と地ほどの差があっても魔術師は魔術師。そういう解釈だね。

 あと超能力者という、SFみたいな能力者も存在する。こちらの場合はイメージが大切らしい。脳を酷使するんだそうだ。


 まぁ他にネクロマンサーと魔術師とは違う分類がされるものが在ったり、島国同士をつなげる際に生産され始めたといわれているロボットがいたり、怨霊とか幽霊とか神様とかいるけど。


 え、僕? 僕は何にも使えないよ。中等部の頃に神様と仲良くなったけどさ。

 でも正直そういう能力なくてよかったなと思ったりする。クラスメイトの話聞いてるだけで色々制約すごいなぁって思ってるし。

 というか家事でタダでさえ忙しい身なのにこれ以上憶えること増やしたくないってのが本音。


 あ、それでレミリアさんの紹介の続きやってないや。え~っと……。


 彼女の身長は僕と同じくらいで、体形も細身。金髪のセミロングで、瞳の色は両目とも緑色。エメラルドみたいに輝いているって表現が一番かな?

 あとは何だろ……頭が良くて、美人で、む、胸もあって……なんだか僕と一緒に居たがる、ぐらいかな? 居候して半年ぐらいしか経ってないし、仕事とかでちょくちょく会うこともなかったからなぁ。それに、僕自身も忙しくて彼女とあんまりコミュニケーションをとってない気がするし。


 ……そういや、有名人のプライベートに関する情報封鎖のおかげで何とかなってるけど(多分)、現状ファンに知られたら殺され……はしないだろうけど、闇討ちされる恐れあるんだよね。しかも同じ学校に通うことになったし彼女。


「ど、どうかしたんですかレン?」


 恥ずかしそうに彼女が言ってきたので僕は素直に「こんな早く起きなくてもよかったのに。昨日も仕事なかったとはいえ、さ」と彼女のことを心配して言った。

 すると彼女は「お世話になっていますから」と笑顔で答えてくれた。


 その笑顔にやっぱり綺麗だなぁ癒されるなぁと内心で見惚れながら「でも大丈夫だよ? 不規則な仕事なんだからちゃんと休みはとらないと」なんて真顔で言う。


「それを言ったらレンの方が大変じゃないですか。レンの方こそ大事を取ってくださいよ。また入院する姿なんて、わたし見たくありません」

「……ごめん」

「……あ」

「「……」」


 気まずくなった。とても心配してくれるのが分かっているから。

 でもこの場合正解なんてきっとない。何を言おうが何かが違うという違和感がぬぐえない。

 なので僕は「そろそろ洗濯物終わるから、一緒に干す?」と提案する。こういう気まずい空気になったらそれ以上何も言わずに別なことへ切り替えた方が良いと、この半年で学んだ。


「え、あ、は、はい! 洗濯物干します!」

「元気なのはいいけど、姉さん達寝てるから」

「あ、す、すいません」


 本当にいい人だよなぁ。



 二人で洗濯物を干してレミリアさんが何気なく言った「ふ、夫婦みたいですね」の破壊力を何とか耐えた僕はそろそろ6時なので朝食の準備に取り掛かる。

 でもさっきも言った通り昨日の夜に仕込んであるから簡単に終わるんだけどね。

 10年近くやってる作業なので特に苦戦することも滞ることもなく完成していき、レミリアさんがそれをせっせと運んでくれた。

 ……やっぱりこういう光景は慣れないなぁ。戻ってきても姉さんたまにしかやらないし。

 最後の一人の分まで終わったので皿に盛り付けてから運び、レミリアさんに「先に食べてていいよ」と言ってから使った器具を洗い始めた。


「おはよう連に……レミリアも」

「おはよう姉さん。父さんたちは?」

「まだ寝てるんじゃない?」

「息子の晴れ舞台に参加するんだと言っておきながら寝坊かな? あ、父さんたちのこと任せたからね、姉さん。来るんでしょ?」

「そうね……最悪起こさないで私一人で行ってもいいけど」

「そんなこと言わないの」


 というか姉さん一人で来られた時の僕の心労がどうなるか想像つかないから嫌なんだけど。

 そう思いながら顔を洗いに行った姉さんを見送りつつ朝食を摂り始める。

 朝食だから大した手間もかけてない。せいぜいハンバーグ焼いて目玉焼き乗せてスープを作っただけだ。仕込みって本当に大事なんだなぁと実感する。昔はしなかったせいで結構入院したし。


「おいしいです、レン」

「そう? ありがとう」


 6時25分。朝食を摂り始めてすぐに姉さんも食べ始めた。それと同時に父さん達が起きてきた。


「おはよう父さん、母さん」

「おーおはようー」

「おはよう」

「顔洗ってから食べてね」

「「うん」」


 寝ぼけ眼でのそのそと歩いてるのを見送りながらこれでも仕事でトップかぁとがっかりしつつ食べる。


「しかしなんで朝からハンバーグなんだ?」

「いやなら食べなければいいじゃん。僕の気分だし」

「いや食べるけど。体が資本だし」


 そういえば姉さんたちがダイエットで嘆いてるところ見たことないな。クラスメイトは言ってた気がするけど。

 ハンバーグを食べ始めた姉さんを見て不意にそんなことを思ったけど、この話題は女性にとってとってもデリケートであるのは分かるので、口に出さない。


 そして両親がリビングに戻ってくるまでに僕は食べ終えた。

憶えている人がいるかどうかわかりませんが、あらすじの通りです。

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