つまらないものですが(超貴重品)
「さてまずはどの時点で問題が発生していたかだ、ライルお前はいつごろからだと思う」
「普通に考えたら父上、つまり王が病になったときではないのか?」
普通はそう考えると思うが違う。
「まずそこから違う、ステラお願いできるか」
「わかりました」
さてここで昨夜までさかのぼる。
『では、まずなぜルナリア様が危険かというと、とある人物からその身を狙われているからです』
『ん?なぜ継承権が低いルナリア殿下が?』
『まずは結論から、ルナリア様を狙っているのは宰相であるベトロント・ゾラ・マルカリア侯爵です』
そこからの話だと、このベトロントはかなり狡猾でさらに野心家であるらしい。こいつは王座を狙っており、そのためにルナリアの身柄が必要みたいだ。その手順は、まず王を回復不能までの状態にして、王子たちの派閥に長年かけて送り込んだ子飼いのものを使って継承位争いを起こし最終的には内乱まで発展させる。そこで必要なのがルナリアだ。この頃までにルナリアをどうにかし、まぁ薬を使ったりなどして操れるようにしておくらしい。そのルナリアを使い、民のためなどの言い分で立ち上がる。そして内乱を収め、他の王子たち差し置いて王位につける。そしてルナリアと子を作り自分の子に王族の血を流して次期王にする。そして自分は裏から操るつもりらしい。
ちなみになぜこのことを知っているかというと、なぜステラが没落したかまで説明する必要がある。
まずこの国では150年前に亜人との戦争があり亜人は敵という認識をした。だがここは重要じゃない。
ちなみにいろいろいろいろ省くが、戦争の原因は一言で言えば痴情のもつれだ。亜人の王と人の国(いくつも分裂したり合併しているからこの表現が正しいと思う)の次期王の婚約者が恋した、てかここまで言えばある程度予想が付くかな。その婚約者が国を抜け出し亜人の王と結ばれた。その結果、次期王がぶちぎれて、そこからしょうもない戦争が始まった。でま~たこれが利権や手柄などで泥沼化していくわけだな。ちなみにだが戦争は人側が勝った。なぜか、それは婚約者が自殺したからだ理由はいろいろ推測できるがここでは語らない、それによって亜人の王は精神を病んでしまって亜人側の士気はがた落ちしたわけだ。その後、亜人たちはバラバラになった。亜人を受け入れてくれる国に行ったり、ひっそり隠れ住んだりしたわけだ。
ちなみに亜人と人の強さでは、亜人のほうが強い。種族にもよるがだいたい人の1.5倍ほどだ。他にも魔術は人よりも進んでいた。
さて話を戻そう、これにより今まで亜人は敵と意識していたが時間が進むと両陣営とも150年ともなると当時を知っている奴はほぼ居なくなり徐々に憎しみが薄れてきた。だが過激派というのはどこにでもいたのだ、当然人側にも亜人側にもだ。
王位を狙っているベトロントにはどうしても消さなければいけないのもがいた。それが王弟である、王弟は継承権は王子よりも低いが女系よりは高いのだ。そして王弟は王より公爵の地位と領地を賜っていた。この王弟の存在がどうしても邪魔だった、そこでベトロントは亜人の過激派を使った。こんな風に
『王弟は亜人排他に力を入れており、このままだと隠れ住んでいる亜人たちが犠牲になる』
このようにして過激派を煽り、それに伴い王弟の情報を流す。それにより王弟は暗殺されて両陣営とも溝がまた深まったわけだ。
そして何でこんなことをステラが知っているかというとステラの父親、没落したレリアバァル伯爵家の当主がこの王弟の親友で、なぜ死んだのか調べていたのだ。しかも並々ならぬ気迫でこの事件を追っていった。そしてついに真相が明らかとなるとステラの父親はベトロントから反乱の濡れ衣を着せられ、最後にステラに真実を伝えこの世を去った。
これが真相だ
「・・・・・・・・・・・・・」
真実を聞きライルは絶句していた。
「これが俺の持っている情報だ、正しいか正しくないかの判断はライルに任せるよ」
「そうか、そんなことがあったのか・・・」
「さて、ここまでこちらで把握している情報を話したんだ。今度はそちらで把握している情報を話してもらうぞ」
「いいが・・・・貴様は素はそんな話し方なのか、まぁいいこちらの知っていることを話そう
まず、現状だが相当まずい。先ほどの話が本当なら我の派閥にもベトロントの手先が潜んでいるわけだ。さがすにも時間が少な過ぎる。ベトロントがそこまで時間をかけたならよほどのへまをしなければ見つけるのに半年はかかるだろう。グランやニコルの派閥のことはわからんが二人の派閥も内戦に向けて準備していると情報が入っている。それに我の派閥にも内戦に向けて準備している者もいるの。それに伴い国では鉄や食料が高騰し足りなくなっていて、外国では食料や鉄が高値で売られてきている。頭が痛くなりそうなぐらい問題が山済みになってきている」
見てて同情する。絶対に解けない問題を解けって言われたときの顔をしている。
「なんかすまん、これやるから元気出せ」
俺は亜空庫から金色の液体が入っているビンを出す。
「これは?」
「エリクサー」
「「「「は・・・・・はぁーーーーー!!!」」」」
何でこんなにも驚いているかというと、エリクサーは魔法薬の一種で現在の技術では作成できず、素材もまた超希少で偶然に偶然が重なってできるぐらいだ。これは絵本の中に出てくるぐらい有名でどんな異常状態も治しさらには失った体の一部も元通りになる魔法薬だ。効果はあらゆる症状を治し体の欠損も元通りにする。
だが俺は自宅で簡単に作ることができる。
「うるせーぞ」
「貴様はこの価値をわかっているのか!!」
「テオドール様、なぜこのようなものを持っているのですか・・・・」
「そこはどうでもいいとりあえずこれを飲めライル」
「いや、これは我より父上に飲ませるべきだ」
はぁ
「飲め」
今度は少し威圧しながら飲むように言う。
「・・・わかった」
何か理解したような顔をして、この場でエリクサーを飲み干した。
するとライルの体が淡く輝く、数秒後にはその光が消える。
「さて具合はいかがですか王子様」
「ああ・・・・・頭が軽くなったよ、まるで先ほどまで鉄の棒を埋めこめられていたかのような」
「ならよかった」
ちなみになぜエリクサーを飲ませたかというと、ライルはとある症状になっていた。
その症状とは思考を鈍くするのもだ。少し痕跡を見てみるとどうやら何者かに薬として飲まされていたようで、そのことを伝える。
「いつだ、いつ我がこの薬を飲まされていたというのだ」
「たぶんだがメイドだ、理由は―――」
まずライルの体の中にまだ薬が残っていて、それを調べてみると昨日の昼過ぎのころに口にした形跡がある。時間帯は飯時ではないので料理人などは外す。となると普段飲んでいる紅茶あたりにでも仕込まれたんだと思う。
ちなみに何でライルの体の中に残っているかわかっているか聞かれたが、状態を見る魔術を使ったといっておいた。
「さて、ライルこれからどうするべきだと思う?」
「まずは父上の病を治すべきだろうな。その後この争いをやめさせるように説得してもらう」
「はぁ~」
こいつ何もわかっていないな。
「無理だ」
「何が無理なんだ?」
「はぁ~」
今回二度目のため息が出る。
「もう一度言う、その方法じゃあ現時点ではまず無理だ」
「理由は?」
「まず一つ、ライルお前の派閥はすんなりとこの争いから引くだろう。だけどすでに賽は投げられた後なんだ、皆争いを起こしてでも自分たちの支援している王子を王にしたいんだよ」
「それは」
反論したいのだができないのだろう、だれもが他人のために動けるわけではないのだ。
「そして二つ目。王様を回復させてもまたすぐに毒を盛られるだけだ。現在、王の変わりに宰相であるベトロントが政をやっているし毒も盛りやすいだろう、そして争いを止められないために病死に見せかける暗殺という手段にでも出たらどうするんだ」
「・・・・・・」
そうすれば内乱を止めることは不可能になるだろう。
「そして三つ目、これまで長期で計画を立ててきた奴なんだ王様が回復したときの状況を想定していないわけないだろ」
数年の年月をかけて作られた計画だ、王が元気になるなんてシナリオを想定していないはずがない。
「では・・・どうするんだ」
「まずは黒幕をはめる。その後、王様を回復させる。具体的にはライルたち王族の防衛強化だ。まずはお前だライル」
「俺か?」
「そうだ、まずはこれを身に付けろ」
俺が渡したのは指輪だ。
「「「「・・・・・・・」」」」
「どうした?」
「あの・・・テオドール様、この国では誰かに指輪を渡すという行為は求婚と同じです。つまり先ほどの行為は殿下に・・・求婚したことに・・・・」
「は!?いやいやいや。そんなつもりないから、まず俺が渡したのは魔法具だ」
創命の指輪:指輪
品質★13
使用者の魂を模倣した従魔を創造するための指輪
効果
【偽命の創造《使用者に付き1回》】
【空間魔術『住居空間』付与】
「「「「魔法具!」」」」
俺がインストールしいた情報を見てみると。どうやら魔道具は珍しいが存在するレベルで認識されているのだけど、魔法具となると例外なく国宝レベルになるぐらい珍しいみたいだ。
そして魔道具と魔法具の違いだがこれは簡単だ、魔術と魔法の違いである。それらの違いは無から有を作るかだ。魔術はその場にあるものに魔力をエネルギーに変換して使う、例えば空気の水素と酸素から水を作ったりだ。だが魔法は無から有を作る、同じように水を作ろうとすると周りのものを一切使わずに作り出せる。例えば宇宙空間で水を作る場合は魔術は使えないけど魔法は使えるということになる。ちなみに錬金術は魔術のカテゴリーに入る。つまり威力だけで言えば魔法のほうがはるかに強い。そして魔力の消費だと魔術のほうがはるかにいい。
それで魔道具は魔術が組み込まれており魔法具が魔法が組み込まれている。
そして俺が出した指輪にはとある魔法が組み込まれている。それは使用者の魔力を使い新しい生命を作り使役するというものだ。
「―――というわけでな、その魔法具で簡単に言うと護衛を作って身を護れってことだ」
「「「「・・・・・・」」」」
4人は俺の話をきいて愕然となっていた。
「いや、少し待てなんだその強力な効果は、そんな効果がある魔法具なんて聞いたことがない。国宝である魔法具も自動で敵の攻撃を数回防ぐぐらいなのだぞ」
・・・・・それ効果あるのか?
「そんなことよりライル、お前にはこれで自分の身を護る。そうだな守護獣とでも言おうか、それを作ってもらう」
そこから『本当に大丈夫なのか?』とかいろいろ聞いてくるので『大丈夫だって』と適当にあしらっておいた。
それとここでやると目立つから後日人目の付かない場所でやることが決まった。
「それと晩餐会についてだが出てくれるか?」
「ええいいですよ」
「・・・いまさらだが公の場以外ではさっきのように話してくれていい」
「え?いいのか?」
「私としても今は味方がほしいからな、それが有能であればなおさらだ」
「そりゃうれしいね、晩餐会には出るよ昨日の服でいいか?」
「できれば違う服で出てほしいが、ないものは仕方ない」
ということで晩餐に参加することにした。それと指輪をはめて置くように指示しする。これは身に着けていると自動的に魔力をためる機能も付いていて2、3日すれば魔力の消費ナシで使えるようになる。
ライルが退室すると、晩餐まで暇になったので城の中を歩。すると廊下でグランの姉であるルナリア·ザラ·ヘクメスと偶然遭遇した。
「あら、昨日ぶりね」
「こんにちはルナリア殿下、これからどちらに?」
もはや貴族と王族に対する定型文なっている挨拶をする。
「メルダにお茶会誘われまして、今から向かう所ですよ」
「そうですか仲がよろしくて何よりでございます」
「ありがとう・・・・・貴方も参加しますか?」
「よろしいのですか?」
「ええ、貴方ならメルダもいやとは言わないでしょうし」
これから暇だし、後ろも参加したい様だしな・・・・それにちょうどいい。
城の中ではステラしか連れ歩いていない、亜人である二人は白い目で見られるので自室においてきている。
「では参加してもよろしいですか」
「ええ、私も話したい人物も居ますし」
それから城の中を進み、城の庭園に来た。
「来ましたよメルダ」
「いらっしゃいませルナリア姉さま、それと・・・・テオドール様」
「こんにちはメルダ殿下」
「なぜテオドール様が?」
「そこでルナリア殿下にあったときに誘われたんですよ。ご迷惑でしたか?」
「いいえ!テオドール様なら何も問題ございません!」
何だろうこの娘が俺を見るときの眼は憧れの人でも見ているような感じになっている。
「はいはいそこまで、それじゃあお茶会を始めましょう」
ルナリア殿下はメイドにお茶の準備をさせ俺たちに席に着かせお茶会を開始した。
数分後、俺は後悔した、なぜかってそれは
周りに女しか居ないからだ!
間違って女子会に参加してしまった気分だ、もしくは客が女性しか居ない店に来た気分だ。
「テオドール様は楽しんでいますか」
メルダ殿下は俺に気を使って話しかけてくるが、その姉はこちらを見て笑いをこらえている。後ろの護衛である女騎士たちもだ。そしてその護衛たちと楽しくしゃべっているステラもだ(あいつだけ訓練を厳しくしてやる)。
「テオドール様?」
「あ、いえ、私は楽しんでいますよ」
「そうですかよかったです」
この娘はいい子やなぁ、それに比べて姉のほうは。
「メルダよかったですね」
とか言いながら笑いをこらえた笑顔を向けてくる。その後、メルダ殿下の相手をしているとどうやら眠くなったのか眼をこすっている。
「あらあらどうやらメルダは眠くなってきたようですね」
「ごめんなさいお姉様、私が招待しましたのに」
「いえ大丈夫ですよ、次の習い事まで眠っていたら?」
「そうします」
そう言ってメルダ殿下はメイドに連れられて行った。
「さて、これで貴方とお話ができますね」
メルダ殿下かいなくなるとルナリア殿下の雰囲気が変わった。
「お話とは?」
「貴方のことですテオドール様」
エリクサー:魔法薬
品質★15
クシャル作
ありとあらゆる症状を直しや体の欠損を復元できる魔法薬の一種、他にも仙丹や変若水、ネクタル、アムリタ、ソーマなどがある
効果
生命力10000回復
魔力量10000回復
正常状態化