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海は綺麗だなぁ~

半月後〜


青い空、青い海、白い砂浜そしてその光景を牢屋から覗いてる俺。


何この状況?













事の起こりは今日の朝に遡る


筏(エンジン搭載)の上に置いたハンモックに揺られて、隣の大陸のある港町『タユホ』を目指していると骸骨の旗を掲げた船が進路の先に現れた。


そのときふと気づく。


(海賊なら金持ってるよな?)


無一文は困るから幾らか手に入れときたかった、実際俺は一文無しだ。


お金は手持ちを売れば幾らかにはなるけどできるだけ使いたくない。そして目の前には襲われても問題にならない獲物がいる。


「・・・・襲うか」


となれば見失わないように海賊船に接近する。ある程近くになったら


「おい見ろよ」

「ありゃ筏だな」


当然向こうもこちらに気づく。


「あれを誰が落とせるかで賭けしねえか」

「「「やるやる」」」


数分後矢が何本か飛んでくる。正直、鬱陶しいのでさっさと乗りろう、風魔術『飛翔』を使い船の甲板に乗り込む。


「敵襲ーーー!!」

「「「誰だてめぇ!!」」」


船に乗り込むとうるさくなる、そして一応確認しておく


「一応、聞いとくがお前達海賊だよな」


すると少しいい身なりをしている男が前に出てくる


「威勢がいいな、あんちゃんよ」

「そんなことはどうでもいいから答えろよ」

「ハハハ、何も知らずに殺されるのはかわいそうだから教えてやるよ。その通り俺たちはこの辺りで最強の海蛇海賊団だ!」

「おし、海賊なんだななら問題ないなちなみにあんたが頭か?」

(これで答えたら馬鹿だろ)

「おうそうだ、俺がこの団のキャプテン・ジャン。この海で一番強い男だ」

(まじで答えたこいつら・・・馬鹿だ!)

「とりあえずあんただけ残して残りは殺すか〜」

「何をいっ」


即座に移動し、顎に一撃入れてコイツを気絶させる。


「ジャン!皆こいつを殺せ!」

「「「「おう!」」」」


俺が不意打ちしたのをきっかけに周りが飛びかかってきた。俺はすぐに八咫烏を抜き雑魚を撫で切りにしていく。


半数ほど上下に分断すれば恐怖も広がっている、そこで俺がとる手は


「さてまだ続けるか?面倒臭いから降伏してほしいんだが」


降伏勧告だ。さて効果は


ガシャン、ガシャン


「こ、降伏する命だけは助けてくれ!」

「他の奴らもか?」


そう尋ねると示し合わしたように顔を縦にブンブン振る。


とりあえず長い鉄製の鎖を取り出し海賊を数珠つなぎにし、甲板に固定する。その後、頭であるジャンを連れて金目の物がある宝物庫に案内させた。宝物庫にある金貨、銀貨、宝石、装飾品や絵画などを全て『亜空庫』にしまう。横でジャンは悔しそうな顔をしているがチラ見すると慌てて顔をそらした。


「あとこの船の中を案内してもらおうか」

「はい・・・」


武器庫、食料庫、部下の部屋。それと今から向かう牢屋。


牢屋には十人ほどいた。質の良さそうな服をているのがほとんどだ、しかも七人が女性で三人は男性。

しかも男性は中性もしくは女顔のやつばっかだ。なんの目的で捕えたのかすぐ理解できるな。とりあえず一番身なりがいい女性(7歳くらい)に話しかける。


「おーい」

「ひっ!」

「そこまで怯えんなよ」


すると隣の牢の中性的な顔立ちをした金髪碧眼男から


「妹には手を出さないでくれ」


と言われる。


「いや出さねぇよこんなガキに」


その後、他の奴も話聞かずに喚く喚く鬱陶しいので、牢屋の扉をすべて破壊する。そして


「出ろ」


ドスの利いた声で捕らえられてた者達を全員甲板に連れて行き、現状を見せてとりあえず敵ではないことを説明した。


「さて次はお前らの話だ、どうしていやどういう経緯で捕まったんだ?」


そう尋ねると、さっきの男が前に出て、なぜここにいたか話してくれる。


「私たちは祖国に帰る最中に海賊から襲われ、船を沈められた。それが2日前の事だ」

「そして牢に入れられたわけか・・・護衛は?」

「護衛は・・・・皆殺しにされた」

「そりゃご愁傷様、であんたらはどうするんだ?」

「できればこのまま近くの港まで送ってもらいたい」


それぐらいならいいかな、それと


「なら送る代わりに頼まれてくれないか」

「何をだ?」

「俺が海賊の仲間か疑われたら庇ってくれそんだけ」


変に疑われて面倒になるのはごめんだ。


「・・・ふ、ふふ、あはは、海賊を壊滅することができながらそんなことを考えてたのか」

「俺は面倒くさいことが嫌なんだよ」

「そのようだ、今更だが自己紹介しとこう、私はヘクメス王国の第二王子グラン・ザラ・ヘクメスだ」

「王子がなんでこんなとこで捕まってんだよ・・・・」


王子ならもっと大勢の護衛を連れて安全を確保しろよ・・・


「実は他国からの帰りでね運悪く海賊と出くわしてしまったんだ」

「うわ~~~運悪いな」

「普通はオブラートに包んで言うところだよ」

「そんなことより」

「そんなこと!」

「さっきから俺のことを殺しそうな目で見ているご婦人達がいるんだが」


三人ほど俺を視線だけで殺そうとしている奴らがいる。


「ああ、あの三人は私の侍女兼護衛だ」

「俺のことめちゃくちゃ不審がっているんだが」

「君の素性がはっきりしてないからね、護衛として警戒しているんだよ、名前もまだ教えてもらってないしな」

「あれまだ教えてなかったか、俺の名は『テオドール』だ」


筏を自動操縦で港に向かうように設定して船の先端に鎖をつなげているので何も心配ない。


そして港に着くまでの間グランと駄弁って色々と教えてもらった。今から訪れるヘクメス王国は封建制らしい国王が頂点に立ち、その下に爵位を持つ貴族がいて爵位は公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵>準男爵>騎士爵の順に力の強さがある。文化は中世のヨーロッパに似ているみたいだ。


そしてちょこっと奴隷について話が出てきたので聞くことになる。





奴隷は3種類ある。


一つが借金奴隷、これは何かしらの事情があり税が払えなかった場合に一年間国の奴隷となり最低限の賃金を貰い雑務をこなす奴隷だ。これは救済措置の面が大きく身の振り方を教えてくれるらしい。


二つ目は犯罪奴隷だ、これは名前の通り犯罪を犯したものが罰でなるものだ。


三つ目の奴隷は、略奪奴隷だ。亜人の集落や敵国から奪ってきて『魔道具∶隷属ノ首輪』によって主人に絶対服従する本当の意味の奴隷だ。ここで疑問になったことを聞いてみる。


「なぁ、犯罪奴隷と略奪奴隷って同じじゃないか?」

「それは違うよ、犯罪奴隷は元とは言え国民だった者たちなんだ。もっと言えば国が救えなかった者たちでもあるからね。だから犯罪奴隷は完全に国に管理され仕事が割り振られるのさ。まぁ中にはどうしようもない奴もいるがそいつらはだいたい死刑になる」

「へぇ~、っと港が見えたな」


視線を先頭に向けると港町が見えてきた。


「そういえば、テオは港に着いたあと後どうするんだ?」

「とりあえず見るとこ見て気ままに旅でもするよ」

「なるほど・・・相談なのだけど王都に着くまで護衛を頼めないか?」

「・・・・報酬は貰うぞ」

「勿論だ」


港に近づくと、何隻かこっちにやってくる。


「お前たちは何者だ!」


そうだよな何も知らないやつから見れば海賊がやってきたと勘違いしてもおかしくない。


(さて、どう言えばいいんだ)


「こちらはヘクメス王国第二王子グラン・ザラ・ヘクメスだ」


信用されるのか?


「グラン王子ですか!?」


あっさり信用されるんだな・・・


「そうだ!とある者が海賊から助けてくれたのだ!」


その後、海兵が海賊を連れて行き俺らは事情聴取のために海兵の基地に連れて行かれる。その後に


ガシャン


「すまんが海賊との関係がはっきりしてない上に素性が明らかではないのでな」


牢屋にぶち込まれた。だが、特段問題もないのでハンモックを取り出して寝転がる。


(まぁ、この扱いは妥当かな。海賊と間違われないだけまだマシだ。ここで過ごせばある程度信用してもらえそうだしな、なにげに窓の景色だけ最高だし)


もちろん大太刀は預けてある。


翌日〜


昼頃、グラン達がやってきて開放された。


「すまない、我等も庇ったのだが海兵が納得せず一日だけ牢屋に入ってもらうことになってしまった」

「それはいいさ」


するとグランは真面目な表情になる。


「それと護衛の件なのだが金貨十枚でどうだろう」

「・・・なぁ、今すぐに王都に向かうのか?」

「いやここの領主の屋敷に5日ほど泊まりその後15日掛けて王都に向かう」

「なら3日後に返答していいか?」

「すまんが他の護衛も手配しなくてはならないせめて2日にしてくれ」

「わかった、2日後に領主の館まで行けばいいのか?」

「ああそうしてくれると助かる、それとこれを渡して置く」


グランから短剣を渡された。


「これは?」

「私の紋様が入った短剣だ屋敷に来るときに見せれば簡単に通してくれるだろう。それと何かあったら使っていい、ある程度まで許そう」

「了解した。それじゃあ俺はお暇するよ」

「報奨金あるから貰っていけ、海兵に声をかければ貰えるはずだから」


こうしたやり取りを得て部屋を出た。基地を出る途中に受付により報奨金を貰った。


兵舎から出て、兵舎にいた受付嬢から聞いた宿屋『安らぎの浜辺亭』に向かう。


たどり着いたのは他とは違いとても大きな宿屋だ。


「いらっしゃいませ」

「2日止まりたいんだが」

「一人部屋でいいですか?」

「はい」

「2日で銅貨8枚になります」

「細かいのがないのでこれで大丈夫ですか?」


金貨を1枚出す。


「わ、わかりましたお釣りを出すので少々時間をもら・・・頂いても」


金貨を出したことで身分が高いと思われたのかな。


「いいよ、それと堅苦しくしなくていいから」


数分後〜


「すいません、銀貨が足りないので銅貨などが混ざってもいいですか?」

「いいよ」

「お釣りの大銀貨7枚銀貨28枚大銅貨16枚銅貨32枚です、確かめてください」

「ひーふーみー・・・・確かに」

「これが鍵となります、場所は2階の1番奥の部屋になります」


部屋に入りベットに横になる。


さっきの換算だと銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨が全部10枚で繰り上がるみたいだ。ちなみに報奨金は第二王子捜索で金貨20枚、賞金首海蛇ジャンが金貨7枚、その他の海賊の金額が金貨2枚と銀貨6枚の計金29銀6手に入れた。まぁ海賊のお宝で金貨300枚ほど手に入ってるから誤差もいいとこなんだけどな。


その後、市場に行き価値観を調べておく。数時間掛けて調べた結果、銅貨の下に石貨があるのがわかった。そして銅貨でだいたい百円の価値があることが判明した。つまり俺は現金で10億以上持っているような感覚だな、金銭感覚を確かめたので使い走りにする奴隷を買う事にした。この辺で一番でかい奴隷商の店に来た、名前は『ベルサハ奴隷商』。


入ると質のいい服を着た男性とメイドがこちらにやってくる。


「いらっしゃいませ、私めは番頭のカシムといいます。本日の用件は何でしょうか」

「知り合いから奴隷を買うならここだって言われたんだが」

「かしこまりましたではこちらにお越しください」


とある一室に連れてこられた。


「それではお客様はどのような奴隷をお探しで?」

「そうだな、ある程度この国の常識を理解していて、なおかつある程度戦闘できる奴だな、あと女性で」


わざわざむさくるしい男を買うこと無いしな。


「わかりましたちなみに予算はお幾らほど?」

「即金で金貨50枚、明日には100枚用意できる」

「ほう」

「それとこれを」

「短剣?・・・!?」

「俺はグラン王子と知己だ。2日後も会う予定だしな」

「少々お待ちください!会長をお呼びしますので」


待つこと数分、茶髪の20代後半の男性が入ってきた。


「お待たせしました、会長のアリバといいます」

「ええ、よろしく」

「失礼ではありますが、この短剣は本物でいらっしゃいますか」


短剣を確かめながら鋭い視線を向けてきた。


「ええ、本物ですよ何なら確かめてもらっても構いません。現在領主の館に居るはずですから」

「これは失礼いたしました。それでは貴方様は王子の使いと認識でよろしいですか」

「いや違いますよ」

「ではなぜ」

「有効利用と伝があるって示すためですかね」

「有効利用ですか」

「ええ、どんな奴隷がいるかは知りませんがここまで大きい商会であるなら貴族の伝を持っていてもおかしくない」

「ええ、いくつかの貴族様とは仲良くやらせてもらってます」

「となりますと、貴族に売り込むための特別な奴隷がいるんじゃないでしょうか」


奴隷という商品を扱うなら当然品質もそれぞれ出てくる。


「何も示さなかった場合、ある程度の品質?は揃えてくれるでしょう」

「・・・・」

「ですか最上級ではない、そうでしょう?」


最高品質となると数も少なく売りに出す先も考え、一見さんに売り出さない奴隷もいるだろうからな。


「・・・ええそうですね、確かに我が商会ではお得意様限定の商品があります」

「俺はそれらも買うことを視野に入れているんですよ」

「・・・わかりました」


これで最高品質も買えるようになるだろ。


「では早速ですが商談に移りませんか」

「わかりました。そちらの希望は女性であり、この国の常識を持ち、なおかつ戦闘できる、この条件でよろしいですか?」

「はい」

「それと奴隷選びの基準を教えてもらっても」

「まず俺はいろんなところを旅する。その関係でいくつかの国の法や常識に疎い。だから奴隷で補おうとしている訳だ、ついでに野宿することもあるから戦闘できたほうがいい、とゆう基準だ」

「わかりました、少々お待ちください」


そう言って部屋を出ていった。


何杯か紅茶を飲むとメイドが入ってきた。


「用意ができましたのでこちらにお越しください」


と言われて大きな部屋の前にいるアリバのところに連れてこられた。


「お待ちしていました、それではご紹介をと言いたいのですが」

「?」

「誠に申し訳ありません、ご要望どおりとなりますと条件を満たすのが三人しかいないのです。しかも三人のうちの二人は亜人でして」

「亜人ですか?」

「ご存知ありませんか?」

「存在は知っていますけどね、実物はまだ」

「そうでしたか。亜人に関しては取り扱いにご注意ください」


不思議に思っていると説明してくれる。


「ご説明しますとですね。100年以上も前に亜人と人との戦争がありまして、それから亜人は排他する敵という認識が一般的になりまして。少し前は落ち着いていたのですが、2年前に王族が亜人に殺されてから亜人排他が激化しました。まぁ平民である我々には詳しいことはわかりませんがね。なのでこの国では亜人はよく思われないんですよ」

「そっか、でも俺はそうゆうのないから普通に紹介してよ」

「わかりました、では案内します」


部屋の中にいたのは、プラチナブロンドの髪をした人族(ヒューマン)、金髪で白肌の木人族(エルフ)、金髪で褐色肌の土人族(ドワーフ)であった。ちなみに三人ともグラマラスな体系だ。


「ではご紹介します、


まずはこの人族(ヒューマン)、名前はステラ、騎士家系の元貴族です。なんでも王に反乱し奴隷に落とされた者で王女様の護衛を努めたこともあります、戦闘はかなり期待ができるでしょう。


次に木人族(エルフ)、名前はティア、とある集落の長の娘です。何度か幻影の魔術を使って街に出向いたりしていました、知識も持っておりますし弓の腕は相当なものです。


最後に土人族(ドワーフ)、名前はクレア、この者はティアの付き人でティアと同様幻影の魔術を使って出歩いていました。土人族は通常幼児体型なのですが稀にこのような体型になる者が出現します、武器は戦槌を使うそうです。


それぞれ順に金貨65枚30枚30枚になります」


俺は三人を観察する、三人とも美人であり抜群のプロポーションをしている、そして・・・・・・


(三人とも進化の予兆がかすかにだがあるな)

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