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始まりのきっかけ

俺がギルドを作り終わってからしばらくしたころ。


『ひっさしぶり~、いや~いろいろやっているね~』


俺が自宅のハンモックでゆっくりしていると念話が聞こえてくる。


「どうしたんですか、貴女からの連絡なんて俺がこちらに来てから一切無かったのに」

「いや~ごめんね~、本当ならもう少し速く来れるかと思ったんだけどいろいろ忙しくてさ~」


ふと眼を開けてみると俺の頭の上に彼女の顔があった。


緑色の髪に人とは思えないくらい整った顔、肌は健康的に見える褐色で何より体が薄く輝いている。


いまさらだが俺が誰なのかを説明しておこう。俺の名はクシャル=イルカトル、前の名前は風凪(かぜなぎ) (かなで)


俺はアポカリプスサウンドが聞こえたと思ったら地球からこの世界【ミラウェルクス】に流されてしまった。本来ならその時点で俺は死んでいたはずなのだが彼女に助けられて今も生きている。


「なんだこっちに来ていたのか」

「むぅ~もう少し驚いてくれてもいいと思うんだけど」


彼女は少しむくれている。


「それで此処に来た理由は?」

「もうそんなにせかすと女の子に嫌われるよ。もっと余裕を持たなくちゃ!」

「やかましい・・・・それで?」


彼女はまじめな顔になる。



「実は、クシャル、貴方は神になれるようになったからそれを伝えに来たんだよ」

「どういうことだ?」


要領つかめないんだが・・・


「そのままの意味。亜神から本当の神、【生命神】になれることを伝えに来たのよ」

「なんか速いな、神になるって聞いたからもっと時間がかかると思ったんだが」

「本当にね~、本来なら神になるだけで1億年はかかるのに」


一億年・・・・スケールがでかいな。


「それが経った100年近くでだよ、もう驚きも驚き。まぁ本当に極稀~~~に神への条件がめちゃくちゃ簡単な人がいるんだけど、それが君みたいだね。でもよかったよ、生命神は世界に絶対必要な神だから早めに見つかってよかったよ」

「へ~そんな簡単に神とかにになれる人とかいるんだ」

「まぁ人じゃなくて魂のほうだけどね」


本当に珍しいのか俺の周りをクルクル回り俺を眺める。


「お~い」

「あっごめんごめん、でどうする?存在を昇華させて【生命神】なる?」


彼女はこちらを見ながら問いかける。


「その前にいくつか聞きたいんだけど」

「なになに、何でも聞いて」

「まず、神になると具体的にどうなるんだ?」

「そうだね、まず体は要らなくなる。そうだね簡単に言うと意志を持つ概念になるって言うのが一番しっくり来るかな」


彼女の説明を噛み砕いてみる、例えば火の神になったら世界の火を管理して世界から火がなくならない限り消滅しない存在だ。


俺の【生命神】の場合、世界に居る生命すべてを管理して世界から生命がいなくならない限り死なない存在だ。


「次に世界に絶対必要な存在ってどういうことだ?」

「う~んとねこれは説明するのが難しいな~。そうだね、この世界を会社だと思って。その会社で私は社長なの、神はそこの従業員のイメージね。でも現状、会社には私しかいないから十分に会社を回せてないのよ。で、君、【生命神】のことね、君は特殊な技能を持った専門職なの、だから希少でね~どこの世界(会社)でも生命神はほしがっているんだよ」


理解できたようなできないような。でもその中で気になったことを聞く。


「それは【世界神】でもできないのか?」

「まぁできないことも無いけど、本格的に【生命神】の仕事しちゃったら他の場所にまで手が回らなくなってね・・・・」


つまり完全にキャパシティーオーバーなわけだ。その後も説明を聞いてみる。一応【世界神】はすべての仕事・・・つまり神の代わりをすることができるが、だが現状だと最低限の機能だけ確保するのがやっとみたいだ。


「だから私としても【生命神】になって手伝ってほしいかな~なんて」


チラッとこちらを見ながら言う。


「【生命神】になるさ、俺にとっても悪い話じゃないから」

「ほんと!後になってやめたいっていってもできないからね!」


なんでこんなに俺を【生命神】にしたいんだろう


「なぁ何で俺をそんなに呼び止めるんだ?」

「・・・・あはは、実は【生命神】がいると世界はまったく違うんだよ」


そこからもう少し詳しく聞く。


「【生命神】がいる世界はとっても少ないの、さらに言えば今どの世界でも【生命神】を探しててね、それでこそ他の世界から奪ってでもって位なのよ」


俺は宝石か何かか?


「実際、私の友達も【生命神】の適正ある子が世界に出てきたんだけど他の世界に奪われちゃって・・・」

「それで」


納得がいった。ようするにヘッドハンティングを恐れてるわけだ。


「話はわかった、俺はこの世界の【生命神】になってやるよ」


俺は彼女の顔をじっと見る。


「いいのね?クシャルは私専属になってしまうけど」

「いいさ、此処までよくしてくれたんだ、その恩は返すさ。ただすこしは融通してくれよ」


そういうと彼女は抱きついてきた。


「いや~ありがとう。これで私もいろいろできるわ。じゃあさっそく【生命神】にするわね」

「ちょっ」


彼女は俺にキスしてくる。


「んっ、これ私の初めてだから感謝しなさいよ!」

「何したんだ?」


彼女は顔を赤くしながら少し速く話す。俺は動揺を表に出さずになぜキスしたのか問う。


「・・・その反応は傷つくんですけど。簡単に言うと私とクシャルを繋いだのよ」

「繋いだ?」

「そう、これは一種の契約よ。私とクシャルいつでも繋がっている。そういう契約をしたのよ」

「じゃあ俺はこの世界の【生命神】になれたのか?」


俺の問いに彼女は首を横に振る。


「いや・・その・・・今のは私とクシャルが死ぬまで互いから離れられないっていう・・・・契約よ」

「ん?どういう意味だ?俺の命をとられているって事か?」

「違うわよ!えっと・・・・『ビジネスパートナー』になったって考えてくれればいいわ」


俺はその言葉に納得した。


「じゃあこれから貴方自身を昇華させるけどいい?」


彼女は俺の胸に手を当てて尋ねる。


「ああやってくれ」

「ではいくわよ」


彼女の手から何かが流れ込んでくる。


俺はまるで幽体離脱したような感覚に見舞われ意識が途切れる。



これを機に世界は変わっていく。

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