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救出依頼

ルナリアとメルダが攫われたこのことで、朝から城が騒がしい。


ライルやニコルに詳しく報告を聞いたのだが。


まず事の発端は招待させたメルダにルナリアが付き添いで付いていったことだ。ここから片道2日ほどの領地で開催されるパーティーにメルダが招待されて、それにルナリアが心配になって付いて行った。それで行きの途中で襲われて攫われたらしい、ちなみに何でわかったかというと襲撃された際に生き残りがいたらしく、それが昨日、早馬で戻ってきたことでわかったみたいだ。


これより詳しい情報は今は手に入ってない、だが俺はさらに詳細なことを知る手段がある。


ライルとニコルは忙しくなり、ニコルに頼まれていた今日の騎士団への訓練は延期すると言われた。


暇なので少し城内をぶらぶらしていると以前あったことがあるメイドがやってきた。


「少々お時間をいただいてもいいですか」

「ええ、いいですよ」


俺はメイドに案内されて以前来たことのある部屋に案内されてた。


「待っておったぞテオドール」

「お久しぶりです陛下」


そう俺は王様に呼び出された。部屋にはベットに寝たままのレグルスとその傍で椅子に座っているアルナール王妃がいる。


「それで陛下、なんの御用でしょうか?」

「依頼を受けてほしい」


簡潔に一言で言ってきたが、顔には断ることは許さないと書いてある。


「依頼ですか」

「内容はわが娘達を救い出してほしいのだ」

「簡単に言いますね」

「貴様なら簡単にできると我が直感がそういっている」


ほんとこの王族はいろいろおかしいよな~、別に断る気もないので交渉に入る。


「それを受けるにあたって報酬はどうなります?」

「それならば望むものを用意しましょう」

「へぇ~、言いましたね」

「無論我にできるのことに限る、がな」

「たとえばそれが国づくりの協力だとしてもですか?」

「・・・情報どおりか」


さすが長らく王様やってきたことはある、ある程度情報を把握しているようだな。


「さすがにわが国に害を及ぼすなら許容できないな」


ベットに横たわりながらも眼光は力強い。


(やっぱこいつに協力してもらうのが一番早いかな、そうとなれば一応用意しておいたあれ(・・)を使うか)


「王様、実は少し前に師匠から手紙が届いたのですが、そのうちの一つが貴方宛になっています」

「なに?」

「師匠の名はオルフェウスです」


俺の言葉を聞き、王様は先ほどの硬い表情をなくして驚いている。


「な!それは本当か!」

「それは手紙を見てもらえればわかると思います」


昨日、本体が書き上げた手紙を渡す。


陛下は手紙を読み終わると、笑い出した。


「ハハハ、そうかそうかお前はオルフェウスの弟子なのか」

「そうですね」

「そうかそうか、で、手紙にオルフェウス殿の恩を使ってお前に協力してほしいと書いてあるのだが」

「そうですか、なら協力してもらえると考えていいですか」

「ああ、だが先ほども言ったが国の不利益になるなら協力できない。そこは忘れないでくれ」


つまり利益を与える存在になれば協力してくれるわけか、なら協力してもらおうか。


「では俺の計画をすべて話そう――――――」








実はここに来て一つ気づいたことがある。ここには異世界特有の事がには何にも無いのだ。


以前ステラにギルドが在るかと尋ねた晩、知識にある情報を確認したのだが無かったのだ、ギルドも、勇者も、魔王も、伝説も、異世界といったらコレ!といったものが。


そこで俺は無いなら作ればいいんだと考えた、異世界に来たのにあまりにもつまらない。


だからはじめにギルドを作ることにした。








「驚いた、お主はそれを実行しようと考えているのか、だがそれなら国にとっても悪い話ではない、いやむしろほとんど利益しかない」


全部は話していない話したのは構想しているギルドのことだけだ。


「どうだ、協力してもらえないか」

「わかった、と言いたいが我はそなたの力量を知らぬ、だからその力を示してくれ」

「それはルナリアとメルダを救出しろってことか?」

「端的に言うとそうだ」

「でもそれだけじゃ力量なんて測れないと思うがな」

「何、強さに関しては疑ってはおらんよ、なんせオルフェウスの弟子であり海賊船を一人で壊滅させたのだからな。我が言っている力量は他の部分の事だ」

「そうか、わかった数日中にはルナリア達を助けてくるさ」

「うむ、頼んだ」





さて、では現状どうなってるか尋ねるか。


{お~い}

{お~昨日ぶりやな、テオはん}

{そっちの状況はどうなっているんだ}

{それがな~、ややこしいことになっとんねん}

{ややこしいこと?}

{そや、まぁ我の見たことを送るから確認してや}


俺はチールからの記憶を受け取り、何があったか確かめる。


二日前~~~


チールは歩いているメルダの肩に座りお城の中を眺めている。


(なんやろ立派かもしれんが、正直あの家と比べると居心地悪いな~)


俺の家とこの城のことを比べて、そんな感想をチールが抱いてるとメルダがとある部屋に入って行く。


「準備はできていますか?」


中にはなにかしらの荷物を準備したメイドが数名いる。


「はい、メルダ様、同時に馬車の準備も終えています」

「お姉さまは?」

「そちらも準備を終えて、すでに馬車に乗り込んでいると聞いています」

「ではいきましょうか」


城の入り口に移動して馬車に乗り込む。


「お待たせしましたルナリア姉さま」

「私も今来た所だから大丈夫よ、メルダ」


豪華な馬車にはルナリアとそのメイドが座って待っていた。


「それで3日後にあるお友達のパーティーに参加するのよね」

「はいそうです、お友達のクリスちゃんの誕生日会に招待されたので」

「ふふふ、そうねじゃあ楽しんでこようね」

「はい」


馬車が出発する。


{なぁメルちゃんや}

{どうかしましたか?リスさん}

{なんか急いでるみたいなんやけど?ふつうもっと余裕を持って動かんのか?}

{ええ本当はもっと余裕を持つんですが私が海賊たちに捕まったことで大幅に予定がくるってしまったんです}

{あ~なるほどな~}


「・・・ねぇ、その肩に乗っているリスはなに?」


まぁ気になるよな、むしろ何で今まで声を掛けなかったんだ?


「そこにいるのが当然って感じしていたから、今まで飲み込んでいたけど・・・」

「この子はテオドール様のペットです」

{ペット!?}

「そう、彼の」


三者三様の表情をしている、俺のペットって聞いては少し顔をしかめたルナリア、ペットって言われて落ち込んでいるチール、笑顔になっているメルダ。


そんな中で思うのだが俺はそこまで嫌われることをしたか?


「そのリスは大丈夫なの?」

「大丈夫とは?」

「だってあのテオドールのペットよ普通なわけないわよ」

{はぁ~テオはんめっちゃ嫌われとんやな~}


普通の人ならただの嫌悪と捉える発言だが、ルナリアの様子が違うことを感じたのかメルダが疑問を感じた。


「姉様はテオドール様のことが嫌いなのですか?」

「・・・嫌いっていうよりも怖いが正しいと思う」

「怖い?」

「ええそうよ」

「怖いようには見えなかったですよ?」

「表面上はね、でもある時を境に私は彼は人の皮をかぶった得体の知れないナニカにしか見えないの」


正解なんだよなテオドールは俺が操っているだけの人形だし。


「テオドール様は(ヒューマン)じゃないのですか?」

「・・・違うわよ、彼はちゃんと人族よ」


ん????????


あれ?俺は人族と思われてる?ルナリアの魔眼は種族を見破ることはできないのか?


ちなみに今のこの体は永久不死人(アヴァターラ)という人系種族の中でも最上位の種族にしてある。


それはともかくルナリアの話だ。


「私の力は教えたわよね」

「はい、私達から出るオーラの大きさと輝きで大体の強さがわかるんですよね?」

「そうよ」

「テオドール様のそれはそんなに大きくて輝いていたのですか?」

「いえ・・・見えなかったのよ」

「見えなかった?」

「ええ普通人は多かれ少なかれオーラみたいなものを体から発しているの。でも彼は違ったのよ、最初に会ったときはパーティーだから他人のオーラとかぶって見えないだけと思ったわ、でも違った訓練しているのを見たら彼のオーラは見えなかったの」

「見えなかったのですか?」

「ええそうなのよ、でも一度だけ見えたときがあるの」

「いつなのですか?」

「それはニコルとの模擬戦のとき、ニコルが王家秘伝の魔術を使ったときに彼のオーラがほんの少しだけ見えたわ」

「そのオーラはどうでしたか?」

「オーラを見たとき私は何も見えなくなるくらいまぶしかったの。こんなことは今まで無かったわ。この国で一番強い戦士でも蝋燭みたいな明るさだった。そこから私は怖くなったわ、もし彼が暴れれば、この国は消えてなくなるって」


この説明である程度理解できた。ルナリアは魔素密度でで相手の力量を計っている。そしてわかるのは身体能力のみで種族や年齢などはわからないみたいだな。


分かりやすく言えばステータスの数値だけが見えている状態なのだ。


ちなみに特殊技能(ユニークスキル)は俺たち神でも専門分野以外は詳しくはわからない、世界神である彼女は『一言で言うと魂の神秘だ』と言っていたくらいあやふやなものらしい。


「ニコルもライル兄上も彼を取り込もうとしているみたいだけど、その彼の矛先が向いた場所は絶望しかないのがわかっていないのよ!」

「大丈夫ですよルナリア姉さま」

「・・・・何で大丈夫っていえるの?」

「彼の心は穏やかでなにかを楽しもうとしている感情しかないのです、ですから彼はこの国に拒絶されない限りは何も問題はないと私は思います」

「そう・・・・メルダがそういうなら、問題なさそうね」

「クスクス、以前のお茶会にテオドール様を誘ったのも私に彼の心情を詠んでほしかったからですよね?」

「ごめんなさいねメルダ」

「いえ全然大丈夫ですよ、姉上が危険と判断されたなら、その人の心に敵意などがないか調べるのはとうぜんです」


さすが王族だけはある(したた)かだ。


それとメルダは二つの特殊技能(ユニークスキル)持っている可能性が出てきたな、もとある特殊能力(ユニークスキル)の一部なのか他の能力なのはわからないが。


「まぁ、今回のパーティーを楽しんできましょう」

「はい!」


その後は延々とガールズトークが続いた。


日が落ちるころには宿場町についてそこで一泊して、次の朝はすぐに食事を取り出発する。


そこからは止まることなく次の町まで移動するみたいだ。


だが問題が起こったのは正午あたりだ、森のすぐ横を通っていたときだ。


「助けてくれ!」


一人の男が森を抜け馬車のほうに走ってくる。


「騎士様方お願いです助けてください」

「待て一体何が――」


ヒュン


一つの矢が馬車に刺さる。


「総員剣を抜け!」


馬車を囲み護るような陣形を取る、あの男もちゃっかりと陣形の中に入り安全を確保している。


そして森のほうからやってきたのは。


木人(エルフ)!」

「まだ仲間がいたのか」


木人(エルフ)とさまざまな獣人が森の奥から20名ほどやってきて弓を構える。


ちなみに獣人は人に獣の部分が現れているものを示す。他にも獣が二足歩行しているものもいるがそちらは魔族に分類される。


「まて!こちらに交戦の意思はない!」

「ならばなぜ奴隷狩りを匿う!」


庇護された男はバツの悪そうな顔をしている。


「ひとまず話し合いをしたい」

「すでに何人もの同胞が攫われている、話し合いをしている時間はないのだ」


とそこに


「お待ちください」

「いけませんルナリア殿下」

「貴方たちの怒りは当然な感情です、ですが今一度話し合いをさせえてもらえませんか」


ルナリアは馬車から降りると頭を下げて話し合いをしたいと言う。


「わかった、だが時間がないこの砂時計が落ちきるまでの間交渉をしよう。それ以上続いた場合は時間稼ぎと見て攻撃を始めさせてもらう」

「わかりました」


ルナリアと代表見たいな木人(エルフ)にそれぞれ護衛が一名付いてそれを取り囲むようにして交渉が始まる。


「まずなぜあなた方が攻撃してきたかについて聞きたいのですが」

「簡単だそこの男がわが同胞を攫ったからだ、これ以上の理由がいるか?」

「そうなのですか?」

「ちっ違う、俺はただ薬草を採取しに来ただけなんだ」


ルナリアは助けを求めた男に尋ねる。


「本当ですか?」

「あっああ、本当だ」

「この方はそういっていますが」

「はっ、口でならいくらでも言える」


だが亜人の方は男の言い分に同意しない。


男が自分の同胞を誘拐したと言い張る。


「何か確証があるのですか」

「ああ同胞が連れ去られた馬車にそいつが一緒に居る所を確認した」

「それは本当ですか?」

「俺のほかに何にも確認している」

「どうすればこの場を収めてもらえますか」

「簡単だ、その男を渡せそれだけだ」

「・・・メルダお願いできる」

「・・・わかった」


ルナリアはメルダを呼び二人を見てもらう。


「どう?」

「この人嘘付いてる」


メルダは保護されている男を指差して言う。


「この人は焦っている、それと怒りと悲しみがある」

「なら決定ね、この男を引き渡します」

「あいわかった、時間内に終わってよかった」


砂時計もほぼ落ちきっていた、それに伴い男が拘束されて引き渡される。


「一応、どのような処罰になるか聞いていい?」

「それは攫われた親族が決める。恒例では痛めつけられ無残に殺されたりするだろうな」


それを聞いて男は青白くなる。


すると森の奥から増援が来た、そのうちの一人である獣人が長に近づく。


「スルトス様、同胞の救出に成功しました」

「よくやった」

「でこの方たちは」

「少し説明するとだな――――」


一応現状を説明している。


「というわけでな、一応この場は引くことになった」

「・・・スルトス様」

「なんだ?」

「・・・こいつらを捕まえるべきです」


そこ言葉に双方とも緊張が走った。


「一応聞くがなぜだ」

「こいつからお嬢様の匂いがします」

「なに!」

「この人にお嬢様の匂いが付いてます、たぶん数日中に会っているもしくは近くにいる者と接触していると思われます」

「・・・どういうことかか聞かせてもらっても」

「わかりませんどういうことですか」

「失礼ですが娘の手がかりなのであなた方を拘束させてもらう!」

「総員ルナリア様を護れ!」


これが原因で戦闘が始まった、ちなみにチールだが馬車の上でのんびり事の成り行きを見ていた。


結果はルナリア側の惨敗だ、亜人達は大きな被害も出さずにルナリア側の戦力を壊滅させた。


「・・・・お聞きしたい、私たちはこれからどうなるのでしょうか」

「尋問させていただく、我々に従ってもらえるなら手荒なまねはしない」

「わかりました、ですがメルダには何もしないでください」

「それはそちらの態度しだいだが、こちらも幼子に手を上げるまねはしたくない」


そしてルナリアたちは連れ去られた、そして死んだと思われた体が動き出した。


「知らせに行かねば」

{その体じゃすぐに獣の胃の中やろ・・・・しゃあないな『自然回復強化(リジェネ)』、それとついでに・・・}


負傷した騎士が道を戻ろうとすると逃げたはずの馬が戻ってきた。


「戻ってきてくれたのか・・・すまんな少し飛ばすぞ」


騎士は傷ついた体に鞭打って馬に乗りもと来た道を戻っていった。


{さてとこれで連絡は問題ないやろ、さてメルダちゃん追わないとな、ついでにルナはんも}


その後チールもその後を追っていった。


――――――


ここまでが渡された記憶だ。


{そんで、今もメルちゃんもルナはんも連れてかれてる最中や}

{今の所、危険は無さそうか?}

{そこは大丈夫やろ、あのスルトスっておっちゃんは結構理性的やから暴力に走ることはないと思うてんねん、やけど}

{やけど?}

{村について嬢ちゃん達が何もしゃべらんとどういう行動に出るかはわからへん}


知らぬ存ぜぬだとどういったことをされるかわからないか。


{そうか、それでルナリアがあったことがある亜人って誰なんだろ?}

{あのおっちゃんたちはティア様って呼んでたで}


・・・・・・・・・・・・・・・・・・面倒になってきた。

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